親が寝たきりになったらどうする?まず最初にすべきこと

介護の悩み

親が寝たきりになったら最初に何をすれば良いのでしょう。初めて経験する親の介護、誰が介護する?どのように介護する?お金は誰が出す?わからないこと、不安なことだらけです。介護が必要になったときにすべきことについて介護の経験があるライターさんに匿名にすることを条件に詳細な経験談を教えていただきました。

母親が寝たきりになった

私の母親は80歳近くになるのですが、78歳くらいから認知症が始まりました。その頃はまだ体を動かすことができたのですが、ある日、畳の縁につまずいてしまい入院することになりました。しかし高齢のため回復することもなく、歩けなくなり、寝たきりの状態になってしまったのです。
これ以上病院に入院することができなくなり、老人ホームなどを探してみましたが、なかなか良いところが見つからず、入所費用も高額だったため、まずは自宅で看ることになりました。

若いころは元気で病気もあまりしなかった母親ですが、やはり老いてくると回復力や筋力がなくなり、寝たきりになってしまうんだなあと実感しました。

私には姉が一人いるのですが、遠方に嫁いでいたため、母の面倒は主に私が見なくてはならない状態。急なことでとても困惑し、動揺し、不安で仕方なかった記憶があります。

私が経験した話から親が寝たきりになった場合に最初にしておかなければならないことをお話します。今、私と同じ状況になって、悩んでいる方がいるのであればぜひ参考にしていただきたいです。

親族同士の話し合い

まず最初にすべきことは介護に携わることができる人をはっきりとさせることです。

介護を実際におこなう人や、金銭面でサポートする人など親族同士で話し合うことが大切です。介護がスタートしてからは、なかなか余裕がなく、冷静に話し合いができなくなる可能性があります。
また、今後どのように介護を進めるのかの認識を一致させておくことも大切です。この先ずっと自宅で介護をおこなうのか、老人ホームなどの施設を見つけてお世話になるのかなど細かく話し合った方がいいでしょう。
なぜなら、私は最初の時点でこうした話し合いをする機会を持たなかったため、そのまま抱え込み、すべて私ひとりで親の介護をおこなわなければならなくなったからです。介護は体力だけでなく、精神的にもとても負担があり、とても辛かったです。一人で抱え込んでしまうと、うつ病になるリスクも高くなります。介護する側が心身を病んでしまっては元も子もありません。そうならないためにも、協力しあえる家族がいるのなら最初の時点できちんと集まり、負担についてお互いが納得のいくまで話し合うこと、誰かひとりに負担が偏らないようにすることが重要だと身をもって感じました。

プロに相談する

家族に頼れないこともあるでしょう。家族が協力しあっても、家庭や仕事があり家族だけでは成り立たない場合もあります。
介護には、たくさんのプロがいます。突然介護が始まると知らないことばかりかもしれませんが、まずは地域包括支援センターに相談することでスタートを切ることができます。地域包括支援センターは、保健師や社会福祉士、ケアマネジャーなど専門的な知識がある職員が、介護についてアドバイスや支援をおこなってくれます。実際私も最初は右も左もわからないことだらけだったので、地域包括支援センターに頼ることができてとても助かりました。

介護保険サービスを利用するために、親の主治医に介護が必要になるといった旨を連絡し、主治医意見書を書いてもらう必要があるということも地域包括支援センターで教えてもらいました。主治医意見書は要介護度を決めるのに大切なもののひとつです。私の親の場合、近所の診療所がかかりつけ医だったので、その先生に主治医意見書を定期的に書いてもらうようにしています。介護保険サービスを利用するために、親の主治医に介護が必要になるといった旨を連絡し、主治医意見書を書いてもらう必要があるということも地域包括支援センターで教えてもらいました。主治医意見書は要介護度を決めるのに大切なもののひとつです。私の親の場合、近所の診療所がかかりつけ医だったので、その先生に主治医意見書を定期的に書いてもらうようにしています。

寝たきりの状態であれば、食事や排せつなど、すべてのことに介助が必要になります。家族が複数名で対応してもとても負担です。そんなときこそ、訪問介護や訪問看護などの介護サービスがとても重要です。
要介護認定を受け、介護サービスの利用を開始しプロの力を借りる。これが、まず最初にすべきことです。

介護は先が見えません。自分たちだけでなんとかしようと思ってもうまくいかず、不満が溜まり、家族間の仲が悪くなってしまうこともあります。お金で解決できることがあるなら、頼ることも、介護する側される側にとって結果いいことも多くあります。

最後に

介護は一人で抱えるとストレスがとても溜まります。私も介護サービスを活用して、定期的にヘルパーさんの力を借りることで、息抜きの日を作っています。
介護には休みはありません。自分の生活や仕事と両立するために、介護サービスはとても助かっています。
親が寝たきりになった場合、介護をする側の負担を減らすために、まずすべきことは、協力できる家族としっかり話し合うこと、要介護認定の申請をおこなうようにすることです。使えるサービスや支援はたくさんあります。とにかく頼れるものには頼ること、それが介護を続けるためのポイントです。

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