介護保険サービスの利用には要介護認定の申請が必須|手順を徹底解説

介護の豆知識

ご高齢のご家族のために、介護保険サービスの利用をご検討されている方も多いでしょう。
民間のサービスと異なり、介護保険のサービスを受けるには、事前に所定の手続きが必要です。

「介護保険を利用した経験がなく、必要な手続きがわからない」
「サービスを受けられるまでにどれくらいの期間がかかるか知りたい」

そんな方に向けて、この記事では介護保険サービスの利用を開始するまでの一連の手続きをご紹介します。

スムーズに介護保険サービスを利用できるように、申請手続きをチェックしましょう。

介護保険サービスを受けるには要介護認定が必要

介護保険サービスを利用するには、事前に要介護認定を受ける必要があります。

要介護認定とは、高齢者の方の疾病や生活状況等を総合的に判断し、どれくらいの介護サービスが必要かを判断するものです。

要介護認定は、非該当、要支援1・2、要介護1~5の8段階に分けられます。
介護保険サービスを利用する場合、まずはサービスを受けられる方の要介護認定が必要です。

介護保険サービスを受けるまでの流れ

それでは、実際に要介護認定を受けて、介護サービスの利用を開始するまでの流れをご紹介します。

要介護認定の申請から確定まで約1か月、介護サービスの利用開始までにさらに半月から1か月程度必要と考えると良いでしょう。
実際の流れを、6つのステップでご紹介します。

①要介護認定の申請をする

まずは、要介護認定の申請が必要です。
介護保険サービスを受ける方が居住されている市区町村の窓口で、介護保険申請を行いましょう。

申請に必要な書類は自治体によって異なりますが、以下2点は必ず準備が必要です。

  1. 介護保険要介護・要支援認定申請書
  2. 介護保険被保険者証

上記2点を持参のうえ、窓口を訪問して申請しましょう。

②主治医意見書を作成してもらう

次に、主治医の意見書作成です。

要介護認定の参考として、主治医に疾病の状態や必要な医療措置などについて意見書を作成してもらいます。

主治医への作成依頼は、市区町村が行います

そのため、要介護認定の申請の際にかかりつけ病院の主治医を伝える必要があります。

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③認定調査を受ける

次に、介護認定調査を受けます。

介護認定調査とは、市区町村の専門の認定調査員による訪問調査です。

要介護認定の申請をした方の自宅等を訪問し、対象者の心身の状況や在宅生活の現状を聞き取ります。
体の動きや食事・排せつ等の状況、認知機能や精神障害の有無などを調べます。

医師から処方された薬を適切に服薬できているか、社会的な交流があるかなど、幅広く質問されるため、同席する家族の方は事前に質問項目を把握しておくと良いでしょう。

④要介護認定を受ける

要介護認定の申請、主治医の意見書提出、介護認定調査が終わると、要介護度の評価が行われます。

要介護度の評価は、コンピューターによる一次判定と、介護認定審査会による二次判定を経て、最終的に決定されます。

決定内容は、認定結果通知と、被保険者証の郵送をもって知らされます。
要介護認定の申請から認定まで、原則30日以内の日数がかかるので、注意しましょう。

⑤ケアプランを作成する

要介護認定が完了したら、いよいよサービス利用に向けて準備を進めていきます。

介護保険サービスを利用するには、事前に「介護・介護予防サービス計画書」を作成する必要があります。
通称「ケアプラン」と呼ばれる書類です。

ケアプランは、要介護度や必要なサービス内容に応じて、どの施設のどのようなサービスを、どれくらいの頻度や時間で利用するかを記した計画書です。

ケアプランはご自身で作成することもできますが、内容が専門的で、地域の介護サービス資源の把握も必要であるため、介護支援専門員(ケアマネージャー)に依頼するとよいでしょう。

ケアマネージャーに依頼するには、まずお住まいの市区町村の介護保険課、または地域包括支援センターに相談すると便利です。
ご希望にあった居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが所属する施設)を紹介してくれます。

⑥サービスの利用を開始する

ケアプランが完成したら、計画に沿ってサービスの利用を開始します。
訪問介護や通所介護(デイサービス)などのサービスが、介護保険を使って利用できるようになります。

実際にサービスを受ける間には、提供元であるそれぞれの施設との契約が必要です。

困りごとがあれば、引き続きケアマネージャーが対応してくれますので、遠慮なく相談するようにしましょう。

要介護認定を受けて必要な介護サービスを利用しよう

要介護認定を受ければ、必要な介護サービスを適切に受けられるようになります。
実際にサービスを開始するまでには、認定調査などで時間を要するため、早めの申請を心がけましょう。

介護保険申請 Q&A

最後に、介護保険の申請に関する疑問に一問一答形式でお答えします。

Q1.本人が入院中でも、介護保険サービスを受けるための申請はできますか?

A.入院中でも、要介護認定の申請は可能です。

申請からサービス利用の開始までに最低1か月程度かかりますので、退院1~2か月前を目安に申請するとよいでしょう。

ただし、入院中は介護保険サービスを利用できないので、注意してください。

Q2.認定された要介護度が現状と一致していないと感じます。再申請はできますか?

A.要介護認定の結果が適切でないと感じる場合は、「不服申し立て」が可能です。

認定された要介護度が適切であったかの審査を行い、不服申し立てが妥当であると判断された場合は、もう一度認定をし直します。

改めて審査結果が届くまでには一定の期間がかかるため、注意しましょう。

投稿者プロフィール

古賀清香
古賀清香
神奈川県在住。Webライター。新卒で福祉企業に入社。ショートステイ、デイサービスで勤務したのち、デイ管理者や新規施設の立ち上げを担当。介護福祉士。2児のわんぱく男子を育てるフリーランスワーママ。

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