家族の介護で退職するには?勤務先への伝え方の例

介護の悩み

家族の介護で退職しなければならなくなったとき、勤務先へどのように伝えればよいのでしょうか。どこまで話すべきだろうか、理解してもらえるだろうか、すぐに辞められるだろうか。そんな疑問について、介護の経験があるライターさんに匿名にすることを条件に詳細な経験談を教えていただきました。

介護のために退職を決意した

以前から覚悟していたものの、ついに家族の介護が必要になる時が来ました。
家族の介護というのは突然やってくるもので、仕事との両立も考えましたが、現実的には退職せざるをえないとの結論に至りました。

なるべく早く会社を辞めたい

一般的には数か月前に退職について会社に伝える必要があると言われていますが、色々と調べると、会社が同意してくれれば即日退職ができるのだということがわかりました。
しかし勤務していた会社には介護で退職している同僚もおらず、介護に理解があるとはいえない環境で、家族の介護といっても即日退職というのは難しかったかもしれません。

実際、即日退職する必要はなかったのですが、色々と準備は必要だったので、なるべく早く辞められる方法を考えました。

病名を伏せて「一身上の都合で」と、退職の希望だけを伝えた場合、詮索や引き留めに合う可能性も高いので、先に介護の認定を受けて、それを説得材料にして会社と話をすることに決めました。

勤務先への伝え方

私の場合、①家族に介護が必要となった②自分の他に兄弟がいるものの遠方に住んでいて仕事を辞めるのは難しい
という2点をきちんと伝えることにしました。

最初は、介護は甘えだ、家族の介護を理由に会社を辞めようとするのは卑怯だと言われるのではないかと、ネガティブなイメージをもっていました。
ところが、蓋を開けてみれば上司には思いのほかあっさり承諾され、介護なら仕方がないとのことでした。
後から元同僚に聞いた話ですが、上司も介護の問題に直面した経験があるようで、これが理解を得られた理由だと知りました。
もちろん、一時的な休職で復帰できる目処は立たないのか、家族以外の協力は得られないのかなど質問されましたが、どれも難しいと答えました。
また、お休みをいただいても会社に迷惑をかけてしまい、復帰の約束もできないことから、辞めさせて欲しいと伝えました。

介護を経験した相手だったからこそ、上手く伝わり、揉めずに退職できたと思いますが、人によっては理解するのが難しい場合もあるかもしれません。

仕事を続けたい気持ちや、長年勤めた勤務先に多少の未練はありましたが、私の場合、仕事を続けられる方法をいくら考えても思いつかなかったので、介護に専念するという覚悟を決めたのです。
ある意味で諦めにも似た境地でしたが、それが自分の言葉を通して上司に伝わったようで、上の方にもしっかりと伝えてもらえました。
同僚からも残念と言葉を掛けられましたが、繁忙期が終わった頃ということもあり、丁度良いタイミングであまり迷惑をかけずに辞めることができたと思っています。

まとめ

会社を退職しようと決意してから、どのように上司に伝えるべきか、どこまで伝えるべきか、引き留めに合うだろうか、すぐに辞めることができるだろうか、とたくさん悩み考えました。退職の意志を勤務先に伝える際には伝え方や伝える内容、タイミングももちろん大切ですが、包み隠さず事情を伝えたことと、たまたまタイミングも伝える相手も良かったことでスムーズに退職ができたのだと思います。

介護と仕事を両立している人もたくさんいます。状況によっては様々なサービスを活用しながら、両立の道もあったかもしれません。ただ、「もっとこうしてあげればよかった」と思わないために選んだ自分の選択も間違っていないと思います。

介護がきっかけで退職を考えている方の参考になれば幸いです。

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