介護の愚痴を言える場所はありますか?
介護が続くと、ストレスで心が爆発しそうになったり、孤独を感じたりします。
愚痴を言いたいけれど、以下のことで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
- 愚痴を吐き出したいけど、言う相手がいない
- 家族のことを話すのが恥ずかしい
つらい気持ちを我慢して、話すことをあきらめている人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、介護生活7年目の筆者や家族が愚痴を吐き出した相手や愚痴の解消法を紹介します。
愚痴と上手に付き合うことによって、心が軽くなり、介護のつらさを回避しやすくなります。介護のストレスを感じている方は、ぜひ参考にしてください。
介護の愚痴がたまる原因
介護中は、イライラしたり、我慢したりする場面に出くわします。
なぜなら、介護者のペースに合わせることが増えるからです。
厚生労働省による平成22年国民生活基礎調査の概況では、「性別にみた同居の主な介護者の悩みやストレスの原因の割合」について示されています。悩みやストレスの原因をみると、男女ともに「家族の病気や介護」が68.7%、74.5%と高くなっている。
厚生労働省による平成22年国民生活基礎調査
多くの人が介護に対して、悩みやストレスを抱えていることが分かります。
このコラムを読んでいるあなたも、介護のストレスにさらされ、愚痴との付き合い方に悩んでいるのかもしれません。
介護のストレスが止まらない!日常のモヤモヤ
介護は時間がかかります。
たとえば、筆者の父はトイレに手間どります。なぜなら、移動も排せつも時間がかかるからです。
そのため、デイケアの迎えまでに支度が終わらないこともあります。
父のトイレが終わると、母は急いで父の身支度を整えて、待たせているスタッフに謝ります。
父はゆっくり動くので、思い通りに進まないことがほとんどです。
現実を受け入れているつもりでも、予定どおりに進まないとイライラがつのります。
父を見送った後、母は「もっと早い時間に声をかければよかったのではないか?」と自問自答を繰り返します。
モヤモヤとした気持ちが心に広がり、父が不在の間、朝の出来事を何度も振り返っています。
気がつくと父が帰ってくる時間。
母は朝の出来事を消化できず、父を迎えます。心にはイライラと悲しみが渦巻いたまま。
それでも、介護を続けていかねばなりません。
医者が教える非まじめ介護のすすめ
大塚宣夫 (著)
社会のため、親のため。世間の、あるいは自分の中の「~すべき」といった、「介護の常識」に縛られていませんか?
「介護はかくあらねばならぬ」という常識を一度、捨てましょう。看る側と看られる側、互いの思いを理解し、前向きに“老い”を受け入れたうえで、肩の力を抜いて介護と向き合いませんか。
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よみうりランド慶友病院・大塚宣夫先生の上手に気楽に介護を乗り切る50のヒント!
介護の愚痴を吐き出す4つの方法
介護の愚痴を吐き出す方法は以下の4つです。
- 家族に話す
- ケアマネージャーや医師に話す
- ネットを利用する
- ショートステイを利用する
順番に説明します。
1 家族に話す
まずは、愚痴を家族に話してみましょう。
筆者は父と同居していたとき、病院への付き添いを担当していました。
待ち時間が長くなると、トイレへの付き添いが増えます。自力で用を足せますが、身だしなみを整えるのが苦手な父。半分お尻が出ているのにもかかわらず、気にせず待合室に戻ろうとします。
その姿を見ると、悲しみとイライラが心を占めます。
診察室に入り、医師からの問いかけに黙っている父。
説明は自分ですると、行きの車で話していたのに忘れたのでしょうか。
結局、私が答えて終了。
待合室にて「自分で答えるって言ったよね?」と父への語気を強めてしまいます。
心はますます曇るばかり。
帰宅後、母に愚痴を吐き出します。
ひとしきり話を聞いた母は「病院へ付き添ってくれてありがとう。助かったよ。」と伝えてくれました。
言葉をもらうと、心が晴れるから不思議です。
マイナスの感情を受け止めてくれて、頑張りをねぎらわれると嬉しいですね。
母が不満そうにしていたら、筆者も声をかけます。
「朝の送迎、待たせてたみたいだけど大丈夫?」
「そうなの!あのね……」
と話しだします。
私はただ話を聞いて共感してくれると、心がスッキリします。母も同じなので、自分がしてほしい傾聴に努めながら、「そうだよね」「わかるよ」と声をかけます。
心のしこりを言葉にすると、耳から客観的な話として入ってくるのです。
すると、自分が嫌だったこと、悲しかったことが分かり、自分で心を整理できるのだと思います。
一番身近である家族に愚痴を言うのは、ハードルが低いでしょう。
家族の歴史や背景を知っているので、経過を省略した話ができます。
主な介護者は1人であることが多く、介護の詳細を家族でも知らないときもあります。
孤立を防ぐため、思いきって相談すると気持ちがスッキリしますよ。
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2 ケアマネージャーや医師に話す
次に、ケアマネージャーや医師に愚痴を吐いてみましょう。家族に愚痴を言いづらい場合は、外部の人に話すと気持ちが楽になりますよ。
父は左半身を麻痺したので、歩行器を頼って歩いています。
足はつま先立ちで、膝を伸ばせません。
腕の力に頼って歩くので、腰が抜けていて、素人目でも危ないのが分かります。
家族が注意を促しますが、聞く耳を持ちません。
そこで、ケアマネージャーや医師に愚痴を言います。
「言葉を聞いてほしい」
「安全に歩いてほしい」
年月をともにしているので、親身になって話を聞いてくれます。家族の頑張りや気持ちをくんで、解決策を一緒に考えてくれるのです。
外部の人に愚痴を言うメリットは、言葉を選び辛辣になりすぎないこと。
時間を区切って話すので、気兼ねしなくてすむのがポイントです。
その後、ケアマネージャーや医師が父に自然な歩き方をレクチャーしてくれました。父も専門家の意見に納得するようで、改善の意思を表します。
3 ネットを利用する
次に、ネットを利用してみましょう。
母は介護経験者の記事を読みます。
自分と似た状況を見て、自身の心を癒やしているのです。
介護中は視界が狭くなるときがありますので、外の世界に目を向けてさまざまな介護者の話に元気をもらうのも1つの方法です。
また、自分の思いを吐き出すのもポイントです。
当サイトでは、「家族介護者の掲示板」がありますので、「誰かに聞いてほしいこと」「気持ちを共有したいこと」を自由につぶやいてみてください。
4 ショートステイを利用する
最後に、愚痴を吐き出しても、心が晴れないときは、ショートステイを利用します。
ショートステイは施設に短い間宿泊し、介護や生活の支援を受けられるサービスです。
事前に予約し、父から物理的に離れて、リラックスします。
愚痴がたまるときは、自分も疲れていて余裕がなくなっているのかもしれません。
うまく介護サービスを利用して、楽に介護と付き合えるとよいですね。
限界になる前に!苦しい気持ちを我慢しない
介護中は、下記のようにイライラする場面が訪れます。
- 改善してもらえない
- 感情的になる
- 自分を後回しにしてしまう
1人でストレスを抱えてしまうと、どんどん苦しくなります。限界が近づいたころには、ご自身が病気になってしまうこともあるかもしれません。
あなたの心の風通しをよくするためにも、愚痴を吐き出して、上手にストレスと付き合いましょう。
人に頼り、つらい気持ちを伝えて、あなたの人生も大切に過ごしてくださいね。
2023.01.12
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父が脳卒中により、介護生活がスタート。
メインの介護者である母をサポートしながら、2人の子育てに奮闘しています!孫育てをリハビリ代わりにして、今日も家族で力を合わせて過ごしてます。
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