そのボールペンの責任者は誰ですか?【46歳、そろそろ実家を片付けてみる】

46歳、そろそろ実家を片付けてみる。

「責任者の方をお願いします」
「ただいま不在にしております。でご了承ください」

まるでいつかのドラマ中のセリフのようですが、
このやりとり、片付けの現場でもみられます。
今回は責任者不在で起こりがちな片付け問題について考えてみます。

所有者が分からないと放置されやすい

今年のお正月、県内にある実家に戻りました。
「もう一歩も動きたくありません」と宣言し、両親に甘えてゆっくりさせてもらいながら、
落ち着いたころに片付け会議を持ちかけました。

気になるところは?と聞くと相変わらず私の部屋のクローゼットなのですが、
普段は見えない場所なので優先順位は低め。
それよりも、よく目にする場所が気になるようで、
本棚にある本、ピアノの楽譜、納戸にある漫画セットを何とかしてほしいとのこと。
そして、「あれは誰の?」と聞かれました。
私か妹のモノなのですが、誰のモノかわからないのでそのままに。
「所有者不在による放置問題」です!
考えてみると、誰のモノか分からないモノは、
勝手に処分したりできませんよね。

ある設計事務所のお片付けサポートで
共有の本棚を整理したいというご依頼がありました。

壁一面の本棚は、幅50センチ程度のマスに分かれています。
雑誌やカタログが多く、なんとなくジャンル分けされています。
それぞれ最新号が次々と出るのでマスはすぐにいっぱいになり、
とりあえず別のマスに収めることも多いようでした。
気が付くとジャンルがバラバラになり、ほしい資料がすぐに見つからない、
取り出しにくくなるという状態。

「本棚の管理者はいらっしゃいますか?」と聞くと、
気付いた人が気付いたときに整理しているとのこと。
まさに、「所有者不在による放置問題」です!

そこで提案したのは、本棚に担当者を設けることです。
大きな本棚のすべてを一人で管理するのは大変なので、
マスごと(ジャンルごと)に担当者を決めていただきました。
場所や数を限定して責任を持つ範囲を小さくすることで、管理しやすくなります。
マスのモノは自分のモノなので、整理の仕方や処分のタイミングを自分で判断できます。

みんなのモノは誰のモノでもない!?

おうちでの朝を想像してください。
普段は引き出しに入れているボールペンが、ダイニングテーブルの上にあったとします。
家族各々出かけて、また戻ってきて、それでもボールペンはテーブルの上のまま。
「もう!誰も片づけないんだから!」とプリプリしながら収めたことはありませんか。

家族全員がテーブルの上にあるのを見ているはずなのに、
誰も元に戻さないのはなぜでしょう。
「絶対に片づけないぞ!」と固い意志でそうしているわけではなく、
あまり気にしていないだけだと思います。
その背景には、ボールペンは家族共有のモノだけど、
自分だけのモノではないから。自分ごとにならないってことです。
モノの所有者があいまいなので、管理責任もぼんやりとします。
結果、誰も手をつけずにそのままになりがちです。
所有者不明が、片付かない、散らかりやすい原因になっていることがよくあります。

家の中で放置してあるモノ、ウロウロしているモノがあったら、
「責任者、出てきなさい!」と心の中で呼びかけてみてください。
思い浮かばないときは、責任者を任命してみてくださいね。

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