介護疲れで倒れる危険性も!おかしいなと思ったら試してほしいこと

介護の悩み

介護疲れで介護者が倒れることはよくあることです。
命がかかっていることもあり、一生懸命になりすぎて、自分の疲れに気づけないまま、気が付くと倒れてしまうこともあるのです。
この記事では、なんだか疲れているな、最近おかしいなと思ったら試してほしいことをまとめています。

介護疲れで倒れる危険性

介護には休みがなく、常に気を張っているということもあり、自分の生活のリズムが崩れてしまいがちです。
特に、夜の介護は大きな問題になります。
人間ですから、排泄があります。尿意や便意があるたびに起こされてしまったり、転倒するのではないかと不安になり眠れないということもよくあります。
認知症の家族を看ている場合は、徘徊や危険行動の不安もあるでしょう。
最初はなんとかできていても、睡眠不足や疲労から、いつの間にか介護者自身の心身を大きく崩してしまうことがあるのです。

特に、責任感が強い、家族への愛情が深い場合に、「自分がなんとかしなければ」という気持ちから無理をしてしまいがちです。
しかし、介護疲れで自身が倒れてしまったら、その後が大変です。

介護疲れで出やすい異変

介護が原因で体に不調が出やすい異変についてチェックしてみましょう。ご自身にあてはまるものがないか、確認してみてください。

☑ 最近あまり眠れていない
☑ 何もないのに夜、目が覚めてしまう
☑ 何もやる気が起きない
☑ 頭痛がしたり食欲がないことが増えた
☑ 笑うことが減った
☑ 常にイライラしている
☑ 突然泣きたくなる
☑ 1日中疲労感がある

このような状態はとても危険なサインです。
多くの場合、「介護疲れ」は精神的な面に現れます。心が元気である場合、例えば腰や足が痛いといったことは乗り越えることができても、心が元気でなくなると、いろいろな部分に不調が現れ、うつ病に発展してしまうこともあるのです。
「介護うつ」とい言葉があるほどに、介護とうつ病の関係は深く、多くの人が悩まされています。
そうならないために、このような症状が少しでも出てきたら、すぐに行動に移しましょう。

介護疲れ|おかしいなと思ったら試してほしいこと

最近なんだか自分がおかしいなと思ったら、試してみてください。

地域包括支援センターやケアマネさんに相談する

最初にできることは、公的サービスの担当者に相談をするということです。なんとなく疲れているけど、まだやれそうだ。やるしかない。ではなく、自分自身が負担に感じていることを洗い出し、伝えてみましょう。
今利用しているサービス以外で負担を軽減できるものはないか、介護者自身のケアのために一時的に施設に宿泊するサービスもあります。
介護サービスの利用方法を変えるだけで、負担が軽減することもありますし、まとまって自身が休憩することでリフレッシュして、気持ちを切り替えることもできます。
介護サービスは、在宅で介護を担う方の負担軽減のためのものでもあります。まずは専門家に相談してみることをおすすめします。

施設の入所を検討する

介護に疲れたと感じたら、施設の入所を検討する時期でもあるかもしれません。
「家族を施設に入れる」というのはとても抵抗感がある方もいるでしょう。しかし、介護者自身が心身を壊し、共倒れになってしまったら、それこそ大変です。
また、家族だからこそ、介護状態になり、辛く当たってしまう場合や、素直に頼れない、謝れない、感謝の言葉を伝えられないということもあります。
介護される側はされる側の、する側はする側の葛藤や思いがあり、うまく噛み合わないことがあるのです。
一緒に住んでいると、どうしても嫌な面が目に付くというのは介護でなくてもたくさんあります。優しくしたいのにできない、疲れからイライラしてしまうということは多くの人が経験しています。
その状態を続けるよりも、離れて暮らすことで、身体的にも精神的にも負担を減らし、本来の関係を取り戻せるかもしれません。
疲れた状態で、イライラした状態で介護にあたるよりも、プロに任せ、安心して、穏やかな気持ちで接することができるということは、施設入所の大きなメリットでもあると思います。
介護から逃げるのではなく、お互いのためにもこういう選択肢があるということを、話し合ってもいいかもしれません。

心の内を吐き出せる相手や場所を作る

精神的な疲れを感じるとき、心にたくさんの重いものが溜まっている状態があります。
介護は時間的な余裕も減り、人と関わることがなくなったり、友人と話をする時間も少なくなるでしょう。
また、介護に関わっていない人には話しにくい、理解してもらえないのに話したくないという気持ちも起こります。
介護をしていてツライ気持ち、情けない気持ち、イライラや怒りなど、いろいろな感情を自分の中に溜め込んでいくと、それが心身に大きな影響を及ぼします。

介護をしている人たちの数は650万人、人口の6.1%だそうです(総務省:令和3年社会生活基本調査より)。
多くの人が介護を担っていますが、なかなか日常生活でそういった人と出会うことがありません。
しかし、全国には「家族介護者の会」のような集まりがあったり、家族介護について学んだり話したりするオンラインの集まりもあります。
また、とにかく誰かに聞いてほしい、気持ちを共有できる場がほしいとき、TwitterなどのSNSや、LINEの相談室などもいろいろな団体が行っています。
そういう場で同じ状況にある人と話をしたり、聞いてもらったりするだけで、心の負担がぐっと減る場合もあります。ぜひ、活用してみてほしいなと思います。

まとめ

介護疲れで倒れないためには、自分の体の声を聴くことです。
何かおかしいと思ったらすぐに行動をとりましょう。もう少しもう少しと頑張っているうちに、疲れが悪化することがあります。
誰もが老い、多くの人が経験する介護です。負担を軽減することは、決して悪いことではありません。

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