義理の親の介護は義務でしょうか?

介護の悩み

義理の親の介護は義務でしょうか?義理の親の介護を義務付ける法律はあるのでしょうか?結婚している限り相手方の親の面倒まで自分が見ないといけないのかと考えると不安になることもあるでしょう。結論的には直接血のつながりが無い義理の親の介護を義務付ける法律はありません。
民法877条『扶養義務者』の第一項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」と記載されており、第二項にも「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」と記載があるのみです。

扶養義務に介護の義務まで含まれるのか

民法に定められている「扶養義務」ですが、そもそもこの扶養義務はあくまで金銭的な意味合いであって、面倒を見るという意味までは含んでいません。そして自分たちの生活を成り立たせる事ができないような状態の中では、この扶養義務も追及されることは無いようです。

それでも介護は必要になる

義理の親を介護する義務はないものの、配偶者の方にとっては自分の親。法律的な義務までは無くとも放っておくことはできないでしょう。ですので、嫌でも介護をせざるを得ない状況になることは考えられます。

配偶者が亡くなった場合にも義理の親の介護義務はあるの?

例えば配偶者が亡くなっている場合はどうでしょうか。
民法728条2項によると、配偶者が亡くなっていても、「姻族関係終了届」を提出しない限り、義理の親との姻族関係は終了しません。
しかし、直系血族ではないので、原則として扶養義務は負わないとされています。

ただし、最初に述べたように、民法877条第二項には「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」と記載がありますので、例えば義理の親自身や兄弟姉妹が生活に困っているなどの場合には、扶養義務が生じるということはあるのです。

介護の負担はお互い避けたいかも

誰も好きで歳をとって介護をしてもらいたいわけではありません。よほど義理の親と仲が良いのであればお互い介護もそこまで苦にはならないかもしれませんが、そうでなければ、やはり介護する側として自分たちの生活に支障をきたす介護は避けたいと思うのも当然ですし、逆に介護される側にとっても迷惑をかけたくないという思いもあるでしょう。

また、費用についても基本的には義理の親自身が負担するものです。配偶者と相談しながら、上手に介護サービスを活用することも大切です。

まとめ

ひとたび配偶者の方と人生を共にすることを決めたのであれば、その方を育ててきた親は必ず存在します。介護することを義務的に感じる必要はありませんが、相手の親の事もお互い考えられる余裕は持ちたいものです。

高齢者が増え、介護施設・介護サービスも増えてきている現在であれば、親や義理の親の介護を必ず自分達だけで行う必要はありません。自分の親であれ義理の親であれ、まだ親に介護が必要になるまでの時間があるのであれば、早めに介護についても夫婦や親と話し合い、みんなで一緒に気持ちやお金の準備をしておくようにしておきましょう。

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投稿者プロフィール

Mav
Mav
広島県在住。Webライター。海外で13年間生活し帰国。日本ではIT関係の仕事でコンサルティング等で企業のサポートを行なっている。

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