一人っ子が親の介護を乗り切るコツをお伝えします。これは匿名であることを条件に自身の介護体験を語ってもらうコラムです。
20代の一人っ子で介護がスタート
20代の一人っ子が親の介護を乗り切るためのコツをご紹介します。
親の介護は、年齢問わず、とても大変ですが、学校や就職、社会人としてスタートしたばかりの20代であれば、気持ちのうえでもとても負担が大きくなってしまいます。
要介護者は親や祖父母が多いでしょう。介護状態にもよりますが、勉強や仕事、場合によっては家庭との両立をしなければならず、こんなはずじゃなかったのに…と思い悩んでしまうかもしれません。
そんな20代一人っ子が親の介護を乗り切るために一番大切なこと、それは
できる限り多くの情報を得ること・協力者を得ること・愚痴を言える相手を作ること
この3つです。
できる限り多くの情報を得る
自分がすべて担わなければならないと思うと一気にパニックになってしまうほど、時間的にも金銭的にも余裕がなくなってしまいます。
使える情報を得るのと得ないのでは、大きな差が生まれます。
近年、国としても在宅介護をできるだけ可能にするために、さまざまな介護サービスや支援を整えています。
家にヘルパーさんや看護師さんが来てくれる「訪問系サービス」、半日や1日を施設で過ごすことができる「通所系サービス」など、介護者の体の状態により利用が可能です。
もちろん、入所する施設サービスもありますが、一時的に介護する家族の負担を減らす「レスパイトケア」として、泊まりが可能な施設もあります。
一定の費用負担はありますが、在宅で介護を行っていくには非常に助かるサービスです。
場合によっては夜も使うことのできる24時間の介護サービスもあります。
費用負担についてもとても心配になりますが、基本的には親の年金や貯金で賄います。もし難しい場合は家族が担うことになりますが、介護保険サービスにはひと月の上限金額もあり、いろいろな支援制度もあります。
被介護者の状態、介護者の状況を鑑み、利用する介護サービスを検討していくことができるので、まずは地域包括支援センターやケアマネジャーさんにしっかりと相談することが大切です。
また会社によっては、介護休暇や介護休業が定められています。
介護休暇と言うのは、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族の介護や世話をするための休暇です。 家族一人につき通算93日か、休暇が取得出来る介護休業などもあり、介護休業を申請した場合は条件により「介護休業給付金」も受け取ることができます。
こういった情報を知らずに介護にあたると、心身が疲弊し、金銭的に追い詰められるということも起こり得ますので、とにかく情報をしっかりと集めておきましょう。
協力者を得る
次に、協力者を見つけることが大切です。
一人っ子で誰にも頼れない。そんなことはありません。
前述のとおり、地域包括支援センターやケアマネさん、訪問介護を利用すればヘルパーさん、訪問看護では看護師さんと、親族ではなくとも、皆さんが協力して介護にあたってくれます。
自分がひとりですべてを担わなければならないというわけではないのです。
こうした公的なサービスの従事者さんたちは、あなたの「協力者」になってくれます。
人間なので、合わないというケースもあるでしょう。その際は、担当を変えていただくということもできます。
ひとりで介護を担うケースはとても大変です。しかし、兄弟がいるからといって、良いことばかりではありません。親の介護をめぐって、仲の良かった兄弟が大きなトラブルに発展するというケースもかなり多くあるのです。
兄弟で負担感が違う、片方が全く何もしない、お金の負担もしないなど、介護自体も大変なのに、それに輪をかけてさらにストレスのかかる問題が起こるということも少なくないのです。
そう考えてみると、何もしてくれない兄弟よりは、こうした公的な協力者さんたちのほうがずっと頼りになるということもあります。
ひとりで抱え込まず、協力者を自ら探していくということが介護のコツです。
愚痴を言える相手を作る
最後に、とにかく愚痴を言える相手を作ることです。
20代であれば、まだ家族の介護に携わっていない人も多く、友人に話しても心の底から理解してもらえない、大変だねと言われてもなんだか人ごと。
そのうち、誰にも言いたくなくなって、ストレスを抱えてしまうことに・・・。
でも、実は介護をしている20代もたくさんいます。年齢問わず、同じ気持ちで介護にあたっている人は必ずいます。
SNSでもリアルでも、誰かとつながる場所を探してみてください。
同じ状況で、同じ気持ちを抱えている人に愚痴を言ったり、悩みを打ち明けることで、解決法をもらえたり、心がぐっと軽くなることもあります。
介護はひとりでは担えません。いろいろな情報と協力者を得て、できるだけ負担を軽くしてくださいね。
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