在宅で行う介護で大変だと思うことは様々です。40代から50代の1100人にアンケートを実施したところ(※1)、1位「コミニケーション」、2位「排泄の介助」、3位「精神面」、4位「時間面」でした。
男女でも、大変だと思う介護に多少違いも見て取れます。今回は、在宅介護で皆さんがどんなことに大変だと思っているのか?また、相談先はどうしているのか?大多数を占めている1位から4位を見ていきましょう。
在宅介護で大変なことランキング TOP10!
在宅での介護での大変なこと
1位は「コミュニケーション」
2位「排泄の介助」
3位「精神面」
4位「時間面」
気になったのが男女で大変だと思うことに若干の差があること。女性の場合、半数以上の人が相手とのコミニケーションに苦労し、精神面でも大変な思いをしているのに対して、男性は排泄の介助、食事の介助に多数を占めていることです。
ここからは、それぞれの悩みを解決する方法もご紹介していきます。
1位 「コミュニケーション」
在宅介護で大変なこと1位は「コミュニケーション」でした。血がつながっていてもいなくても、他人をお世話することはとても大変なんですよね。
介護は実の親でも大変なのに、義理の両親ならその距離感の為に言いたいことも我慢しなければならず、認知症を発症していればストレスにも拍車がかかります。
「言いたいことが言えない」
「やっても怒る、満足してくれない」
「言うことを聞いてくれない」
実は介護される相手も怒る原因はあるんです。
高齢者でもない、健康な介護者側の価値観を押し付けてしまうので衝突が生まれてしまうんですよね。
私は「相手が何を求めているのか?」目線をうんと下げて、下げて相手の気持ちを肯定するように日々コミュニケーションを取り続けました。大切なのは
①「相手の目線で考えてみる」
②「受け流すこと」
この2点です。言うのは簡単ですが身につくまでの10年間は、簡単ではありませんでした。筆者はそれを理解してから随分と衝突することが減りました。あくまで体験談ですが、介護の際のポイントは
・相手のしたいことは否定しない、肯定して話す
・話しかけるスピードはゆっくり
・簡単な言葉に置き換える
・言葉をそのまま受け止めない【受け流す】
例えば、お弁当の配達一つ頼みたいときには
「忙しいから高齢者のお弁当サービスあるから頼んでよ!」これを
「高齢者向けのお弁当なら栄養バランスもいいし、私たちの帰りを待たないでご飯食べられるよ!」
こんな風に相手にとって利点がある言葉に変えて話しました。とはいえ、実際に自宅で実践は簡単ではありません。感覚をつかむためにもこの2冊をおすすめします。漫画なので、隙間時間にササッと読めます。
マンガでわかる!認知症の人が見ている世界2
認知症の人が、どんな目線でものを考えているのか?認知症の不可解な行動原理を、漫画で分かりやすく描かれています。
マンガ介護する人・される人のきもちがわかる本
介護現場での介護する人される人の本音を漫画と文章で描かれています。「こんなこと考えていたんだ」と思える一冊です。
2位 「排泄の介助」
全体では2位ですが、男性の1位がこの「排泄の介助」です。女性より苦手意識が高いのかもしれません。相手に合った介護用品をつかうことで負担も軽減されます。
ポイントは「尿の量」です。
少し漏れる程度なら、尿漏れ防止のパンツや、尿取りパットだけ付け替えるものや、漏れにくいおむつなどで対処できます。別名「トレーニングパンツ(トレパン)」「リハビリパンツ」と呼ばれています。
寝たきりの人には、長時間でも漏れない、履くタイプの高齢者用のおむつもありますし、介護用の消臭スプレーなども販売されています。それぞれの尿の量を目安に、相手に合ったもを選び、介護側の負担軽減できるものを利用してみましょう。
3位 「精神面」
第3位にランクインした「精神面」。男性は少数ですが、女性はこの精神面が半数を占めています。介護していると休まる時間は殆どなく、多くの女性が精神面で苦労しているということ。
逆にいえば、「精神面」の負担が軽くなれば、介護の負担が大きく軽減されるということ。自宅介護を10年していて思ったことは「無理やりでも自分の時間を作らないと、心が壊れる」ということです。その為には、介護サービスをつかって相手と離れる時間を作りましょう。
介護保険で利用できるサービスも多種多様あります。日中にレクチャーやお昼、入浴までしてくれるデイサービスや、病院の付き添い、入浴の介助もしてもらえます。
介護保険の利用を拒否されるなら、有償ですが看護婦さんがお手伝いしてくれるサービスや、夜間の見守りサービスなどもあります。
私の父か最初に倒れたのは、約20年以上前ですが、その時にはなかったありがたいサービスが、今はたくさんあります。介護する側の心を守るためにも、週に一回でもいい、月に一回でもいいので、是非介護サービスを利用してみてください。
介護の相談先 8割が「一人で抱えてしまう」現実
実際は、介護の悩みはどこに相談しているのでしょうか?介護に関わる男女503人に「介護の相談先に関する実態調査」では(※2)約8割の人が「介護の悩みは一人で抱えてしまう」と回答しています。
さらに、50%以上の人がインターネットやSNSで悩みを相談したことがあり、理由は「匿名で相談できるから(52.7%)」「介護に悩む人が集まっているから(68.2%)」「自分のタイミングが良い時にいつでも相談できるから(54.5%)」が多数を占めています。
介護の悩みは一人で抱えがちです。ですがインターネットなら、たくさんの同じ境遇の人が集まっていますし、匿名で相談しやすいということでしょう。辛いときは、吐き出してください。
また、私たちキャプスには介護の有識者や、看護師の有資格者など「介護の専門家」が多数在籍しています。
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4位 時間面
次に4位にランクインしたのは「時間面」です。介護は「相手の都合に合わせてするもの」ですから、どうしても自分のことを後回しにしなければなりません。1日は24時間なので、介護しながらほかのことをしようとすると、どうしても時間の工面が必要となります。
「病院の付き添いになったけど、買い物いつ行こう?」
「子供の用事があるけど時間がない!」
この時間の工面が、介護ストレスの要因といっても過言ではありません。私は何度も「一日24時間じゃたりない!」と思っていました。
1人ですべてをするのには限界があります。今は平気でも、いつか必ず限界はやってきます。家族や親族で協力できるなら、少しでも手伝い支えあえるなら理想的ですよね。
協力が無理なら、介護サービスの利用で負担はうんと軽減されます。例えば、時間のかかるお風呂の介助や、病院の付き添いなどはサービスを利用、その間に自分の用事を済ませることもできます。
一人で全部を抱え込むのは無理です。1日は24時間しかありません。頼れるもの、使えるものは使いながら介護をしていきましょう。
まとめ
自宅介護で大変なことは、コミュニケーションや、時間面、精神面などが上位にランクインされていました。コミュニケーションや、時間の工面が上手くいかずにストレスになっているということなのでしょう。
精神面の善し悪しで、介護が大変かどうかが違ってくるのかもしれません。少しでもその負担を減らすために、介護用品やサービスなどを使って、快適な介護を目指しましょう。
投稿者プロフィール
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元銀行員。40代副業ライター。
得意分野は介護と金融
時々犬(愛犬家・証券外務員2種保有)
脳卒中による半身麻痺、
大腸がんなど病気のオンパレードで
認知症状も増えてきた父親の介護を
10年以上やっています。
モットーは「毎日明るく」マンガと小説好き。
介護ストレスと上手に付き合っています。
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