親が認知症になったら仕事は両立できる?介護と仕事の両立方法

認知症

親が認知症になったら仕事は続けられるのだろうか?
今はまだなんとかなっていてもそのうち辞めて介護に専念しなくてはいけないのではないか?

介護にも、自身の生活にもお金は必要ですが、介助が徐々に必要になる認知症介護は、仕事との両立が難しくなる場合もあります。

しかし、自分の人生も大切です。多くの人が介護と仕事を両立しています。その方法について知っておきましょう。

認知症の進行度と介助の割合

認知症の進行度と介助の割合は、個人の状態や症状の重さによって異なります。
認知症は進行性の疾患で、薬により進行を抑えることはできますが、時間とともに症状が悪化していくとされています。

  1. 軽度または初期の認知症
    日常生活において軽度な記憶障害や認識障害がみられることが特徴です。本人は自立した生活が可能で、まだ多くの日常活動を自己管理できる場合があるため、家族もほぼ通常通り仕事を続けることができるでしょう。ただし、通院の際の付き添いや、家庭内での多少のサポートは必要になります。
  2. 中等度または中間期の認知症
    記憶障害や判断力の低下が進行し、日常生活の自己管理が難しくなってきます。日常生活の動作に対してサポートが必要となる場合が増え、食事や入浴などの基本的なケアが必要になります。仕事の両立をできるよう介護サービスを積極的に利用しましょう。介護スタッフが介助してくれている間は助かりますが、家族の負担も大きくなってきます。気が休まる時間がない、自分のことをする時間がない、睡眠不足になるなど、自身の負担感が増してくる時期となるでしょう
  3. 重度または後期の認知症
    認識や記憶の障害が非常に進行し、本人はほとんどの日常活動を自己管理できなくなります。介護者のサポートが必須となり、身の回りの世話や全身介助が必要になることが一般的です。徘徊や排せつについての問題が大きくなることもあり、、24時間介護が必要となる場合も。重度または後期の認知症となった場合、在宅で看るのはとても負担になってきます。施設への入所なども場合によっては相談してみましょう。

親が認知症になったときの仕事の両立方法

ここまで見てきたように、介助が必要な割合は認知症の進行度によって異なり、進行スピードも人によってさまざまです。親が認知症と診断されたからといってすべての人がすぐに仕事を休まなければならないということではありません。

しかし、診断された時点の状況によっては一時的に休職したり時短勤務をして介護の環境を整える必要があるかもしれません。
また、突然訪れる介護の現実にショックを受ける人も多いはずです。自分自身の心の状態を安定させることもとても大切です。

まず、ひとりでなんでも抱え込んでしまわないよう、介護のプロに相談することが大切です。
現段階で必要な介護サービスや、自分自身の仕事の状況などを相談しながら、利用できるサービスについて検討していきましょう。

こうした環境を整えていくには、ある程度の時間が必要です。介護が始まる段階で一気に整えておくことで、その後の介護と仕事の両立に大きな差が出てきます。

介護休業などの制度を活用し、介護のプロに相談しながら自身の在宅介護と仕事の両立の仕組みを作っていきましょう。

介護サービスを積極的に利用

「介護のプロ」とは、地域包括支援センター、ケアマネジャー、介護ヘルパーなどです。

介護サービスを利用する際はまず地域包括支援センターに相談に行くことから始まります。
もしくは、病院から居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)を紹介されることもあるでしょう。

こうした介護のプロは、要介護者本人の状態や介護度、また、家族の状況を見ながらケアプランの作成(どのような介護サービスを利用するか)や介助を行ってくれます。

家族が家にいる間は家族の負担も大きくなってしまいますが、仕事で家を離れる場合は代わりに必要な介助を行ってくれたり、デイサービスなどを利用することもできます。

親が認知症になってしまったからといって、仕事を辞めなくてはならないということはありません。こうした介護サービスを積極的に利用していきましょう。

認知症介護は経験者の声が何よりも大切

親が認知症になったとき、大きなポイントとなるのは自身の心の安定です。

少しずつ認知機能が低下していく、できることが少なくなっていく親を見ることが辛いうえに、介助の負担がのしかかります。

多くの認知症介護者が、ストレスを感じたり、場合によっては自身が「介護うつ」の状態になってしまいます。

そんなとき、同じ認知症介護を経験した人の言葉やサポートはとても大きな力となります。
話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなったり、仕事との両立方法についてもアドバイスをもらえるかもしれません。

認知症介護をしている方が集まる「家族の会」は各地域で開催されています。
地域包括支援センターが主催しているものも多くありますのでぜひお近くの地域包括支援センターに聞いてみてくださいね。

こちらから家族会などの紹介もしていますのでぜひ参考にしてみてください。

こちらもおすすめ

認知症の人への接し方の基本

この本では、「困った行動」を場面ごとに紹介し、その背景にある様々な原因をひも解きながら、一人ひとりの感情を理解して、その人に本当に合った接し方を見つけるための方法を具体的に解説しています。
はじめて認知症介護をする方はもちろんのこと、「本やインターネットに書いてある通りにやってみたけれど上手くいかなかった」という人にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

マンガでわかる!認知症の人が見ている世界2

認知症の人が見ている世界と、周囲の家族や介護者が見ている世界との違いをマンガで克明に描き、困った言動への具体的な対応策を紹介しています。
本書を読んで認知症の人が見ている世界を理解することにより、認知症の人への適切な寄り添い方を知り、毎日の介護の負担を軽減する一助としてください。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP