30代独身で親の介護が始まる割合は?どこに相談したらいい?

介護の豆知識

30代や40代の独身者で親の介護が始まる割合をご存じですか?30代、40代で親の介護が必要になった場合、働き盛りで仕事に影響が出たり、結婚などとタイミングが被るなど悩みが尽きません。30代や40代で親の介護が始まる割合と、親の介護が必要になったときに相談できる場所について説明します。

30代や40代で親の介護が始まる割合

2017年の日本女子大学現代女性キャリア研究所による調査によると、2017年時点での介護者は全国の30代で327,900人(男性125,300人、女性202,600人)、40代で775,800人(男性247,300人、女性528,500人)となっており、人口に対しての比率では、30代は1.9%、40代では4.4%でした。
また、介護者の年齢分布では、30代、40代で介護が始まる人の数は介護者全体の2割程度となっています。

30代未満30代40代50代60代70代以上
全体3.25.913.929.630.317.1
男性3.76.212.326.732.618.4
女性2.95.714.831.229.016.4
出典: 平成24年「就業構造基本調査」第203表より筆者作成

孤立しがちな30代40代の介護者

このように、全体の割合からすると少ない若年層は、周りに介護経験者がいないことや、晩婚化の流れから、介護により孤立してしまいがちです。仕事・恋愛や結婚などで忙しい年代で介護が始まることで、ショックを受けたり、自身の将来に悲観してしまう人も多いのです。

また、「自分はまだまだ介護には関係ないだろう」という気持ちから、介護についての知識がない人も多いでしょう。

30代や40代で親の介護が始まったときに相談できる場所

自分から情報を取りにいかなくてはならない30代40代の介護者ですが、「介護は初動」といわれるほど、介護が始まったその時点で一気に情報を収集し、基礎固めをしておくことがとても大切になります。

手続きや付き添いなども多い介護と仕事の両立は、基礎ができていないと後々介護者自身に大きな負担となってくることがあります。早い段階でしっかりと情報収集し、相談できる場所を複数もっておきましょう。

介護についての具体的な支援やサービスについて

親の介護が始まったら、まずは地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。
地域包括支援センターは、介護のあらゆる相談ごとの一次窓口といえます。専門の職員が連携し、介護をはじめ、保健・福祉などさまざまな相談・支援を行っているので、介護認定の流れ、介護サービスの利用についての具体的な相談や、要介護者の状態について必要なことや介護をする人本人のお困りごとなど、「包括的に」相談することができます。

介護休暇・介護休業について

介護が始まると、一時的に仕事を休む必要があったり、病院の付き添いなどで遅刻・早退などが続いてしまうことがあります。こうしたときに助かる制度が介護休暇・介護休業制度です。この制度を利用するためには会社への申請が必要になります。介護休暇・介護休業については上司や総務などに相談してみましょう。

介護についての悩み相談

もしかすると最も大切になるのは「介護についての悩み相談ができる場所」かもしれません。
特に30代40代の介護者は、周囲に同じような介護をしている人がいないことで、悩みや愚痴を吐きだす場所がなかったり、自分ひとりでなんとかしなくてはと抱え込んでしまいがちです。

介護により自分を追い詰めてしまったり、心身の疲労から「介護うつ」になってしまう人も多いのです。
また、介護により退職を考えてしまったり、結婚をあきらめてしまうということも30代40代の介護者は多くなります。こうした自身のことで悩んだときには、「介護の先輩」や「同じ立場の人」と話すということが大きな安心につながり、解決策や糸口を導いてくれることもあります。

各地域で「家族介護者の会」といったような集いが開かれていることもありますし、こうしたオフラインでの集いは地域包括支援センターなどで紹介されていることもあります。しかし、オフラインということもあり、年齢層が少し高い傾向にあります。「介護の先輩」の意見やアドバイスをもらうにはとてもいいのですが、「同じ立場の人」とは出会いにくいかもしれません。

ツイッターやLINEのグループなどで介護の愚痴を吐きだしている方も多くいらっしゃいますし、最近は若年層の「家族介護の会」のような集まりも増えてきています。

当ページでもいくつかご紹介していますので見てみてくださいね。

また、介護の専門職の方にLINEで相談をすることもできます。キャプスでは介護の専門職者が多数在籍していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

30代40代で親の介護を担う人にとって、相談窓口がひとつの大きなポイントとなります。
「近くには同じような人がいないから」「どうして自分ばかり」と感じてしまいがちですが、30代だけでも30万人近くの介護者がいます。40代では70万人以上です。

愚痴を吐きだせる場所を作ること、介護の専門家にしっかり便り、使える制度はしっかりと使うこと、それが30代40代の介護者に大切です。

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投稿者プロフィール

やまむー
やまむー
1992年生まれ。主婦、家族介護の経験あり。暇さえあれば映画鑑賞。広島県在住。

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