脳梗塞で寝たきりに 余命や死亡率はどれくらい?

病気・ケガ

脳梗塞での寝たきりになったとき、余命はどれくらいなのでしょうか?日本人の死因第3位となっている脳卒中ですが、突然の変化にどう向き合えばよいのでしょうか?

再発もしやすいといわれていますが、脳梗塞の5年生存率は、決して低くはありません。この記事では、脳梗塞の余命と死亡率などを解説します。さらにご本人へのケアに関する実践的なアドバイスも説明します。

脳梗塞の5年生存率

栃木県の研究機関によると、脳卒中全体(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の5年生存率は62.3 %ですが、脳梗塞の場合は62.8%となっています。

脳出血、くも膜下出血が共に50%台に対して、脳梗塞は62 %を超えていました。

脳卒中の中でも、5年生存率が一番高いのが脳梗塞ということです。(※1)

※1 今井明、鈴木ひろみなど他 
脳卒中患者の生命予後と死因の5年間にわたる観察研究: 栃木県の調査結果とアメリカの報告との比較2010年32巻

平均余命はどれくらい?

では、脳梗塞になった後の平均的な余命はどれくらいなのでしょうか?

非常に興味深い統計があります。

日本人の男女の平均寿命と比べると、脳梗塞を発症した50歳の場合は、男女ともに寿命が短くなる傾向があるというものです。

男性の平均余命

50 歳の日本人男性の平均余命が28.9 年、60 歳だと20.6 年ですが、脳梗塞を発症した50歳は20.9 年となります。
寿命に換算すると、

50歳男性の平均寿命が78.9歳、
脳梗塞を発症した場合は70.9歳
という計算です。

脳梗塞を発症した場合は、50歳の男性でも、60歳の寿命と近いものになってしまうということです。※2

女性の平均余命

ちなみに、女性の場合は 50 歳の平均余命が 35年、60歳は25.9年ですが、脳梗塞を発症した場合は30.8 年です。こちらも寿命に換算すると、

50歳女性の平均寿命が85歳、
脳梗塞を発症した場合は80,8歳
ということになります。※2

脳梗塞の死亡率は?

厚生労働省:令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況

令和3年度の脳卒中で死亡した人は104,588人でした。

病状別の死亡数を見ると脳梗塞が半数以上を占めており、脳の血管疾患の死亡要因では、脳梗塞が圧倒的に多いことが分かります。

1か月以内の死亡率は?


一回目の発症 から28 日以内の死亡率は、

脳梗塞が6.3%、
脳出血 15.7%、
くも膜下出血 26.7%

となり、発症後約1か月の脳梗塞の死亡率は脳卒中の中でもとても低いと言えます。※2

脳梗塞の発症や再発率

一回目に軽度もしくは、命を取り留めたとしても、心配なのが再発率の高さです

60代以降になると、再発を含む発症率が高くなっています

50 歳代では 46%、
60 歳代は 61%、
70 歳代では 71 %、
80 歳代となると 75 %(※2)

このことから、脳梗塞は最初の発症からの死亡率は低いものの、高齢になるほど再発もしやすくなり、死亡率も高くなると言えます。

【POINT】
脳梗塞は最初の発症後1ヶ月後と、5年間の死亡率は低いものの
高齢になるほど再発もしやすくなり、死亡率も高くなる

脳梗塞の再発の予防


では、どうしたら予防できるのでしょうか?

脳梗塞の「梗塞」は流れが滞(とどこおり)詰まるという意味です。

脳の血管が血栓などで詰まり、酸素や血液が脳細胞に行き届かなくなるために起こる病気です。

その為、壊死した脳の場所によって後遺症などが残ります。

血管の健康が関係しているので、高血圧や糖尿病などの動脈硬化の要因とされる生活習慣病にも気を付けなければなりません。

予防には、毎日の積み重ねが重要となります。

・タバコを止める
・飲酒は控えめに
・食習慣を見直す
・糖尿病
・適度の運動
・血圧の管理

など、日々の生活に潜む危険要因には注意が必要です。

実際、筆者の父も一回目の発症から約10年後に脳卒中で倒れました。高血圧と糖尿病でした。

【 脳梗塞は朝の目覚めたときに要注意 】
脳梗塞は朝方に発症するケースが多く、目覚めの時には注意が必要です。
睡眠中は血圧が下がり血流を悪くし、血液中の水分が不足しドロドロ血液となります。
そこへ、目が覚めて一気に血圧が上昇するので、朝方に発症するのです。

※2 3.秋田研究:脳卒中の予後(第 49 回日本老年医学会学術集会記録 若手企画シンポジウム I:地域高齢者の今:高齢者を対象とした疫学研究より)

まとめ

脳卒中の中でも、死亡率の高い脳梗塞。一回目の発症で助かる確率も高く、5年間の生存率も高いと言えます。

ただ、高齢になるほど再発リスクも高まります。

予防には生活習慣を見直し、健康な血液と身体を作らなければなりません。少しでも長生きするためには、毎日の積み重ねが予防となります。

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投稿者プロフィール

音野 響
音野 響
元銀行員。40代副業ライター。
得意分野は介護と金融
時々犬(愛犬家・証券外務員2種保有)

脳卒中による半身麻痺、
大腸がんなど病気のオンパレードで
認知症状も増えてきた父親の介護を
10年以上やっています。

モットーは「毎日明るく」マンガと小説好き。
介護ストレスと上手に付き合っています。

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