親が認知症になったら!仕事を両立するために知っておきたいこと

認知症

親が認知症になったら?急に来る事態に仕事との両立のために知っておきたい事とは一体なんでしょう。

ひさびさに、母と暮らす

我が家は私が大学生の頃に両親が離婚をしており、その後は就職したことで実家を離れて生活をしていました。仕事は商社の営業マンとして働いていましたが、いわゆるブラック企業で、勤務から15年が過ぎた頃、サービス残業の連続により私自身がうつ病を発症し、退職しました。このとき15年ぶりに実家に戻り、母と2人暮らしをするようになったのです。

その後、地元の問屋で営業職に就くことができ、給料が前職から半減はしましたが、母に毎朝弁当を作ってもらい、なんとか生活できていました。

母の異変

母は年齢の割には健康で、ご近所さんからも若いと言われることが多かったと聞いています。
実家に戻って2年ほどたったころ、母が70歳の誕生日を迎える前に異変を感じることがありました。それは、同じ話を何度も繰り返すようになったこと、3時間前に話したことも忘れている、急にお金に対する不安が強くなったことなど、親子で同居しているからこそ異変に気付くことができました。

すぐに総合病院で検査を受けたのですが、結果は認知症と判断されてしまい、予想はしていましたが母はもちろん、私自身もとてもショックを受けました。

介護サービスの利用と周囲の助け

認知症の母と同居し、仕事を続けるということにとても不安を感じました。
まだまだ自分のことは自分である程度できていましたが、物忘れの症状はひどかったので、火の始末や戸締りなどで自分が留守の間に何かあったらどうしよう、もしも外出先で母が帰り道を忘れてしまうなどがあったらどうしようと、本当に頭を悩ませました。
とはいえ、母との生活のため、自分が働かなくてはならず、まずは自分が不在にする日中に母を安心してみてもらえる介護サービスを検討しました。

すぐに地域包括支援センターに相談し、要介護申請を行いました。結果、日常のことはまだできる段階ということで、要介護3と診断され、限度額に応じたサービスについて担当ケアマネさんと話し合うことができました。

何も知らなかった私でしたが、日中は仕事をしなくてはならないこと、母の物忘れに対する家での不安などをしっかり相談し、日中はデイサービスに行けることになりました。

朝から夕方まではデイサービスにお世話になり、仕事が終わって家に戻るまでの数時間は一人になりますが、今のところ大きなトラブルもなく過ごせています。

もちろん、認知症の進行がどのように現れるのかがとても不安なので、気になるところには母が気づきやすいよう大きく張り紙で注意書きをしたり、センサー付きのモニターをリビングにつけておき、仕事の合間に確認できるようにしています。また、何かあったときにすぐに家に戻れない場合もあることを考え、近所で親しくしてくださっている方と連絡先を交換し、何かあった際には連絡し、対応してもらうことにもしています。

職場は介護に関して理解はありますが、時短勤務となると収入面で不安なこともあり、今のところはフルタイムで働いています。将来的に介護度が上がってしまった場合には、時短勤務や施設入所なども検討する必要があるかもしれません。

認知症と付き合う

金銭的にも厳しい状態で、他に頼れる家族もいないなか、介護サービスや周囲の協力を得て、今のところ仕事との両立ができています。

仕事が終わって帰り、家事をしたり母の繰り返しの話を聞いたりすることは疲れることもありますが、自分を認識してくれていること、母と穏やかに過ごせている今の時間を大切にしようと思っています。

母も、少しずつ忘れることが多くなっていることに戸惑ってはいますが、脳トレをしたり、日々の出来事をメモしていたりといろいろな工夫をしながら生活しています。

いつ症状が進行するかはわかりませんが、できるだけ穏やかな日々を過ごせるよう、いろいろな人に協力してもらい、母が元気なうちに結婚して孫を見せることも目標に、前向きに生きています。

これまで大変な人生ではありましたが、母との時間を過ごせる今が一番楽しいとも感じています。

こちらもおすすめ

認知症の人への接し方の基本

この本では、「困った行動」を場面ごとに紹介し、その背景にある様々な原因をひも解きながら、一人ひとりの感情を理解して、その人に本当に合った接し方を見つけるための方法を具体的に解説しています。
はじめて認知症介護をする方はもちろんのこと、「本やインターネットに書いてある通りにやってみたけれど上手くいかなかった」という人にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

マンガでわかる!認知症の人が見ている世界2

認知症の人が見ている世界と、周囲の家族や介護者が見ている世界との違いをマンガで克明に描き、困った言動への具体的な対応策を紹介しています。
本書を読んで認知症の人が見ている世界を理解することにより、認知症の人への適切な寄り添い方を知り、毎日の介護の負担を軽減する一助としてください。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP