介護中に幼い孫が生活に加わると、要介護者への変化や効果につながるのでしょうか?
介護と子育てが重なり、大変ではないかと不安に思うかもしれません。
この記事では、筆者家族が2度経験した、3世代家族の3年間について、また、介護が必要な父に孫育てを依頼した経緯や効果、介護者である母への効果や同居による孫の変化についてまとめています。
孫が関わることへの効果を知ると、子育てと介護の両立への不安が軽減し、受け入れのハードルを下げられるでしょう。
介護中に孫との生活を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
夫の単身赴任と出産が重なり、3世代同居を開始
夫の単身赴任と筆者の出産が重なり、2回にわたり3世代の同居生活を経験しました。
- 1回目は、父の介護2年目。孫が0歳から1歳まで。
- 2回目は、父の介護4年目。1人目の孫が2歳から4歳と2人目が0歳から2歳まで。
当時の父の介護状況は以下のとおりでした。
- 表情が乏しく、反応が悪い
- 少し歩くと座りこんでしまうくらい、体力が落ちている
- 飲食中にむせやすい
- 声がかすれているため、聞きとりにくい
- 自発的に外に出ない
1回目のとき、孫は0歳の赤ちゃんでした。
泣いたり、笑ったり、ハイハイをしたりと変化が著しく、父は興味深く見守っていました。
筆者は初めての子育てで、父にまでかかわる余裕はありませんでした。
2回目の同居は1人目の孫が活発な時期でした。出産後は身軽に動けなかったので、父に頼ることが増えました。
そもそも、介護中に孫育てもするのは難しいのではないか?
このコラムを読んでいる方も、そのように思っているかもしれません。
60歳以上の男女が生きがいを感じること
内閣府により、平成25年度に全国の60歳以上の男女約2,000人に「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」が行われました。その結果、60歳以上の男女が生きがい(喜びや楽しみ)を感じるときは、「孫など家族との団らんの時」(48.8%)が最も多くなりました。男女別に比較すると、女性は「孫など家族との団らんの時」(55.4%)が第1位となり、男性は第二位(40.7%)となりました。
以上から、高齢者は孫とのかかわりに生きがいを感じることが分かります。
介護中に孫育てを開始!被介護者に依頼した3つのこと
父にお願いしたことは以下の3つでした。
- 読み聞かせ
- 散歩
- 室内遊び
順に説明します。
読み聞かせ
私は子どもに絵本の世界に触れてほしいと、図書館からの貸し出しを習慣にしていました。父は孫に求められると、読んでくれるようになりました。
最初、父は絵本特有のひらがなに苦戦。
それでも、孫にせがまれて回数を重ねると、流ちょうに読めるようになりました。
また、下の孫の泣き声でかき消されることもあり、声量が自ずと大きくなりました。すると…
左半身麻痺に伴い滑舌が悪くなり、声が小さくなっていたのが少しずつ改善。
これには家族一同、驚きました。
散歩
1人目の孫は外に出るのが大好き。
そのため、季節を問わず夕方の散歩にでかけることを習慣にしました。
一方、父は病気になってから、外に出るのを嫌がるようになりました。
恐らく、不自由になった姿を近所の人に見られたくなかったのでしょう。
夕方の散歩では赤ちゃんも連れ出すので、私1人では不安です。
そこで、上の子に付き添ってほしいと、父に頼みました。父も承諾して、夕方の散歩が始まります。
最初のころ、父はゆっくりとしか歩けず、私と子どもたちだけで目的の公園まで先に着き、私たちが遊んでいると、ようやく父が到着しベンチで休憩しているという状態でした。
それが回数を重ねるごとに、歩くスピードが速くなり、長い距離を歩けるように。
公園では孫と地面に線を引いてゆっくりした足取りで電車ごっこをしたり、しゃぼん玉をしたりと童心に帰って没頭。
公園や道中に咲く花や虫、夕焼け、空に浮かぶ月や星を孫と一緒に眺めます。
それを見た孫から質問攻めにあいながら、父は答えを探していました。
家では味わえない夏の暑さや冬の寒さにより、五感も刺激されていました。
室内遊び
コロナ禍が重なると、家で遊ぶ時間が増えました。
当時、遊んでいたのは以下のとおりです。
- おままごと
- お人形遊び
- パズル
- お絵描き
- はさみの練習
ずっと付き合っていたわけではありませんが、気が向いたり、筆者が赤ちゃんをお世話するときは、父に託していました。
孫との遊びを付き合うことで、自然に脳トレになっていたのです。
パズルに苦戦する父を見て、孫が手助けする場面も垣間見られました。
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孫育てによる要介護者の効果
父が得た孫育ての効果は、以下のとおりです。
- 読み聞かせにより、声が大きくなり、むせることが減った
- 1人で家の周りを散歩するなど、歩行が以前よりスムーズになり行動範囲が広がった
- 手先を刺激され、左指の可動がよくなった
- 遊びを創作するなど、意欲的な姿が見られた
前向きな行動が増えて、孫が関わらずとも自発的に動くことが増えました。改善していく自分に自信を持ち始めたようでした。
孫育てによる介護者の効果
孫との同居は、介護者である母にも変化を与えました。
- イライラしても、孫のお世話で切り替わる
- 孫との外出の機会が増えて、リフレッシュできる
- 孫の成長を近くで見守れて、幸福感が増す
- 筆者が運転できるため、普段は行かないお店に買い物ができる
- 話す頻度が増えて、笑顔が増える
父との小競り合いがあっても、孫が話しかけると気持ちが切り替わるようでした。
同居による孫の変化
祖父母と同居することになり、孫にも変化が起こりました。
- 祖父母が特別な存在になる
- ママが不在でも過ごせる
- 不自由な祖父への思いやりが育つ
- 語彙や行動の引き出しが増える
孫自身もおじいちゃんに「だんさがあるよ!」と声をかけて気遣ったり、歩調を合わせたりと、自然に優しさが育まれたのです。
ママが赤ちゃんのお世話していても、寂しさを祖父母が満たしてくれたので、赤ちゃん返りせずに過ごせました。
別居した今でも頻繁に電話したり、長期休みに泊まりに行くなど交流が続いています。
孫と生活するときの注意点
同居の際に、孫育ての注意点を共有しました。
父母が子育てしていたころと取り巻く状況が変わっていますし、子育てで大切にしたいことは人によって異なります。
親子のトラブルを防ぐため、以下について伝えました。
- 生活習慣(特にお昼寝時間)
- 普段の食生活やおやつの有無
- アレルギーの有無
- かかりつけ医の場所
父母も筆者の意見を尊重して、子育てに協力してくれました。
何か行動するときは、筆者から了解を得て実行に移してくれたので、安心して預けられました。
孫育てを生きがいに!介護との両立
今回は介護中に孫と生活した体験談を解説しました。実際に同居した場合、以下の手順で整理するとよいでしょう。
- 要介護者への協力範囲を考える
- 子育ての注意点を共有する
家族といえども、生活リズムは異なります。お互いによく話し合って、できることと、できないことを明確にするとよいでしょう。お互いを尊重しあい、助け合える関係をつくると、楽に過ごせますよ。
その他に、誰かに不安や気持ちを聞いてほしい場合、当サイトの公式LINEや「つぶやきたい」を活用してください。
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投稿者プロフィール
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父が脳卒中により、介護生活がスタート。
メインの介護者である母をサポートしながら、2人の子育てに奮闘しています!孫育てをリハビリ代わりにして、今日も家族で力を合わせて過ごしてます。
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