親の介護は突然訪れる。つまずかないための心構え

介護の悩み

親の介護の心構えや介護につまずかないために大切なこととはどのようなことでしょうか。誰がどのように介護していけばよいのでしょうか。突然やってきた親の介護。初めての介護で不安に感じていることはみんな同じです。介護の経験があるライターさんに詳細な経験談を教えていただきました。

突然やってきた親の介護

私は今から3年ほど前から親の介護を行っています。親の介護は突然やってくると言われていますが、本当にそうだったと心から思っています。ついこの間までは元気だったはずなのに、大きな病気を患ったり怪我をしたりするなどして、突然1人で日常生活を送れなくなることも多いです。
私の場合は、義母が突然認知症を患ってしまったことが理由です。突然家を出て行ってしまい、1人では帰れなくなってしまったのです。これがきっかけとなり、親の介護が急に必要になりました。主人は4人兄弟であり、すぐに4人で集まって話し合いが行われました。

親の介護の心構え

親の介護の心構えとしては、やはり誰が介護するのかを兄弟や姉妹の間で話し合うことが何よりも重要だと感じました。要介護状態になった場合に、1番にもめるのは誰が主に介護を行うのかという問題といえます。

日常生活のサポートを行った上で、介護保険サービス等の利用手続きを行う、必要があれば経済的な負担も担わなければなりません。兄弟や姉妹の間で話し合いを行っても、誰が主な介護者になるのかによりトラブルが発生することも多いようです。事前に話し合いを重ねた上で、お互いに納得する形で解決策を見つけておくことが何よりも重要です。

私たちの場合には、私が主たる介護者になることとなりました。その理由としては、外で働いておらず、子供も小学校に上がってそれほど手がかからなくなったことが理由です。
また私の甥っ子にあたる22歳の姉の子供が、一緒にその家で生活をしてくれることになりました。そのため私にすべての負担がかかると言うわけではなく、日常生活における世話は甥っ子が見てくれると言う条件になったのです。そのかわり家賃や光熱費等は貰わないと言うことを前提に、みんなが納得した形で決めることができました。

実際の介護

実際に介護が始まってからも、主人の兄弟はみんな仕事の休みが不定休であることから、うまく平日や休日を使い、誰かが1人は必ず様子を見に行けるような状態となりました。主たる介護者を決めてしまうと、それを全て押し付けてしまい、場合によっては不仲の原因になる可能性があります。しかし全員が協力体制を構築することができたので、上手に介護ができていると感じます。

また、介護の分担をどのようにするのかを、親が元気なうちに決めておくことも大切です。親が万が一の状態になってから慌てて話し合いの場を持ったとしても、事態が突然のことであり、落ち着いて話をすることができません。親が自立して生活できる間に、じっくりと話し合うことが重要です。必要であれば親自身に自分の介護についての意向を示してもらうことで、子供側も納得しやすくなります。

大切なこと

兄弟や姉妹で親の介護についての分担を話し合って、様々な決定を行うのであれば、合意が基本となります。本人が納得していないのにもかかわらず、このように決まったからよろしくと一方的に投げかけたとしても、困惑しその取り決めを無視されてしまうことも考えられます。効力のある取り決めを行うためにも、介護に関する取り決めを行う場合には、全員が揃った場所で合意をすることが大切です。

また身内の間でのトラブルを防ぐためには、情報の共有が大切です。全員が違う場所で生活をしていると、必然的に近くにいる人の方が介護を多く担うことになるでしょう。親の近くにいる兄弟だけで物事を決めてしまうと、後でトラブルになる可能性もあります。このようなトラブルを起こさないためにも、私たちはグループLINEを作って、そこでその日の状況について情報を共有することにしています。病院に検査に行って費用がいくらだったと言うメッセージなどを送ることで、スムーズに情報を共有することができています。

最後に

私たちはみんなが納得いくまで話し合い、しっかり情報の共有もおこない、みんなで介護をしているため介護につまずいていません。
一人で介護することは大変です。協力できる人たちみんなで介護することで一人一人の負担も軽減します。全員が納得して介護をしていくことができるとつまずくことも減るのではないでしょうか。また介護が始まる前から介護について話し合っておけばいざというときに焦らなくて済むので介護が始まった方も始まっていない方も早めに話し合いをしておきましょう。

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