40代独身で親の介護をする人は、自分の恋愛や結婚をどう思っているのでしょうか?
40代は、親に介護が必要になることも多くなってくる年代でもあります。
最近は、ライフスタイルの変化などから晩婚化が進み、子どもが独身のときに親の介護が必要になることも増えています。
結婚を考えている人にとっては、親の介護をしながらでも恋愛や結婚ができるのかということは気になりますよね。そこでこの記事では、40代独身で親の介護をする人の、恋愛や結婚という視点から解決策を考えていきます。
介護と恋愛(結婚)は両立できるの?
「親の介護と仕事に手一杯で恋愛する暇がない」「親が心配で離れられない」「結婚相手に申し訳ない…」などの理由で、親の介護を抱えながらの恋愛や結婚を諦めている人も多いのではないでしょうか?
親の介護で結婚できないと思ってしまう理由
なぜ、親の介護があると結婚できないと思うのか、その理由は何でしょうか。
ここでは、2つの理由を紹介します。
- 晩婚化により結婚年齢と介護のスタート時期が近くなった
- 親の介護を婚活の条件に入れている
晩婚化により結婚年齢と介護のスタート時期が近くなった
女性の社会進出や経済的不安から年々晩婚化・未婚化が増えています。
内閣府の調査によると、約40年の間に平均初婚年齢が4~5歳上がっています。
結婚年齢と親の介護のスタートの時期が重なり、介護を理由に結婚を躊躇する人が増えているようです。
そもそも親を介護するのは自分しかいない、と思い込んでしまっている人も多いのです。
親の介護を結婚の条件にしている
最近では、出会いの場自体も減少し、マッチングアプリなどで婚活している人も増えています。
婚活の条件に、「親の介護」を挙げて結婚相手を探そうとするのは無理があります。
年齢も40代になると、人生経験もありキャリアもあり今後の展望も持っておられる人が多いでしょう。
最初から親を結婚の条件に入れてしまうと敬遠されやすく、候補者がかなり絞られてしまいます。
自分の事情をいつどのように相手に伝えるのかは重要なところですが、やはり相手の人となりや家庭環境を十分に理解したうえで、相談するということが一番良いようです。
ある悩み相談で、「友人から紹介された男性が、高学歴で財産家、人当たりも良い人で結婚までトントン話が進んでいったけど、最後に実家に連れられて行って、ご両親と挨拶を交わした時に、『結婚後は同居して私たちの面倒も死ぬまで見てね』とにっこりされて、ゾッとした‼」という内容がありました。
マッチングアプリや友人知人の紹介は、収入や学歴や身体状況や財産状況などいろいろの提示条件がありますが、中でも「これが一番重要(例えば、嘘をついたり隠し事をしない・相互に大事にし合える・何事も二人で話し合える、二人で助け合える・などなど…)。」というものをきちんと持って、相手に伝えることが大事です。
介護を理由に恋愛(結婚)を諦めない
では、親の介護のために恋愛や結婚を諦めないためには、どうしたら良いのでしょうか。
実は、介護には以下のような2つの大きな思い込みがあります。
この思い込みから解放されて、介護を理由に自由な恋愛や結婚を諦める必要がないことを、分かってほしいと思います。
1日の中で介護に費やす時間は思ったより少ない
総務省の平成28年社会生活基本調査の中で、「家族を介護している人が、1日の中でどのくらいの時間を介護にかけているのか」という設問がありました。
その結果は、男性が2時間32分、女性が2時間28分となっており、男性も女性もほぼ同じくらいの結果でした。
もちろん介護度にもよりますが、介護サービスなどを利用することで、自分自身が介護にあたる時間というのは短くすることもできます。
介護は「介護サービス」が利用できる
親を介護するのは、まず「家族」である自分を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、「もし自分が介護されるようになったら、どこでどのような介護を受けたいですか?」というアンケートをみてみると、以下のような結果となりました(対象者は、全国の55歳以上の男女)。
このアンケート結果にもあらわれているように、実は介護を受ける側は、介護は「家族」からではなく「介護サービス」を受けたいと思っている人が多いのです。
今は、多種多様な介護サービスが増えています。
介護保険を有効に利用すれば、親の介護だけの毎日ではなくなります。
介護保険のしくみと使い方がわかる本
牛越 博文(監修)
介護保険を最大限に活用するためにいま知っておきたいことをイラスト図解。
申請の仕方、ケアマネの探し方、ケアプランの作り方、介護保険で受けられるサービス、お金の話、介護保険で入れる施設など複雑な介護保険のしくみと使い方がわかります。
介護保険をはじめて利用する人、はじめて介護の仕事に携わる人、今使っているサービスを見直したい人におすすめの一冊です。
介護と恋愛(結婚)を両立させるためにやるべきこと
では、介護と恋愛・結婚を両立させるために、どのようにすればいいのでしょうか。
ポイントとして3つ、それぞれ具体的に解説します。
家族や恋人と話し合う
まず最初に、家族や恋人と話し合いをすることが挙げられます。
できれば、親が元気なうちに話し合っておきたいものですが、もし既に親が要介護状態であれば、意向が分かる親を中心に話し合いましょう。
住まいのことやお金のこと、同居の希望や介護の内容など話し合いましょう。
兄弟姉妹がいる人は、誰が何を担当するのか、どれくらいお金が出せるのかなど、それぞれの意向を具体的に確認し合いましょう。
すでに恋人がいる人はできる範囲で相談してみましょう。
婚活中、あるいはこれから恋愛したいと思っている人は、きちんと自分の意向も家族に伝えるようにします。
「私は恋愛(結婚)したいと思っている」ということを家族に知ってもらうことで選択肢がいろいろ変わってくる可能性があります。
住まう場所を検討する
親の介護がどうしても必要なのに、話しあった結果、家族の誰もが同居や転居ができない場合もあるかもしれません。
そういう場合は、親の住まう場所を考えるのも一つの方法です。
介護保険サービスで利用ができる住み替え策もあります。
介護サービスを利用する
介護サービスは、介護の負担を軽減でき、専門的なサービスを受けられる頼りになるものです。
まずは、地域包括支援センターで相談してみましょう。
地域包括支援センターでは、市町村が主体となり介護や医療などについて無料で相談できます。
地域包括支援センターは、すべての市町村に設置されているため、親の居住地の地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。
電話やメールなどでも受け付けてくれますし、HPに悩み事相談などのコーナーを準備している自治体もあります。
臆せず、アクションしてみましょう!
自治体や包括支援センターが動いてくれることで、解決できる悩みがたくさんあります。
まとめ 親の介護で恋愛や結婚は諦めなくても大丈夫
親の介護を抱えていても、恋愛や結婚を諦める必要はありません。
まずは親や家族と話し合い、誰か1人に負担がかからないように時間やお金を分担しましょう。
自分にとって大切な人にもあなたのホントの気持ちを打ち明けて話してみましょう。
どうしても近くで介護ができない場合も、介護保険を利用し、さまざまな介護サービスや民間サービスを利用すればご自身の負担も軽減されます。
自分が知っている知識や情報、サポートしてくれる人たちの助力を有効に使いましょう。
この記事を参考にして、自身の幸せを諦めず介護と結婚の両立を目指してください‼
投稿者プロフィール
- 介護福祉士・主任介護支援専門員・認知症ケア専門士・社会福祉士・衛生管理者・特別養護老人ホーム施設長・社会福祉法人本部長経験と、福祉業界で約25年勤務。現在は認知症グループホームでアドバイザー兼Webライター。
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