高齢の母の一人暮らしを支えるために家族が出来ることとはなんでしょうか。これは匿名であることを条件に自身の介護体験を語ってもらうコラムです。
生まれ育った場所で最期まで暮らしたい気持ちを尊重
実家には離れて暮らす母が住んでいます。関東地方に引っ越すように何度も誘っているのですが、生まれ育った場所を離れたくないと首を縦に振ってくれません。
8年前の彼岸に父が亡くなってから一人暮らしを続けており、これから先も生まれ育った街で暮らしていきたい、ここで死にたいと言っています。たしかに高齢の母にこれから都会暮らしを強いるのはいろいろな面で負担な面もあり、しかたないなとは思っています。
もともと体は丈夫で風邪もひかないような母でしたが、最近では血圧が高いことや足が不自由になりつつあることが心配でなりません。近所の方や友人がよく家に訪ねて来てくれてはいるようです。地域の季節ごとの行事に参加したりなど、近所付き合いや同級生などの友人を大切にしてきたので老後の財産になっています。
離れて暮らす私にできること
離れて暮らす高齢の親に私ができることは、季節ごとに顔を見せることぐらいしかありません。
片道で3時間かかる距離で、新幹線や空港からも遠い田舎町なので頻繁に帰ることはできません。電話やメールなどでは頻繁に連絡をし、一番近くに住んでいる姪っ子に頼んでひと月に1回は様子を見に行ってもらっています。元々母は姪っ子に限らず親戚の子供の面倒も良く見ていたので、姪っ子とも良い関係であるのが何より安心です。
ただ、姪っ子や友人、近所の方に頼むのも申しわけなく、居住地の役場に連絡をして地域のソーシャルワーカーさんを紹介してもらい、一人暮らしの支援制度がないかなどを調べたところ、見守りサービスが地域にはあり、タクシーの運転手さんや郵便配達の方が定期的に顔を出してくれるシステムに申し込むことができました。
今はまだ利用するほどではありませんが、もしも介護が必要になったときには介護保険サービスもありますし、ソーシャルワーカーさんも定期的に様子を見に来てくれているようです。こうした福祉の手厚い地域に高齢の母が住んでいたのは良かったなと思っています。
その他、民間のサービスや、見守りグッズなども兄弟で検討はしています。
離れて暮らし、多少お金はかかっても、安心には変えられないなと思っています。
人の繋がりのありがたさ
とにかく出来ることのサポートや、介護や福祉のインフラが使えないか調べてみたりなど、そして金銭面での援助などを惜しまずに行っています。本当は一緒に暮らすのが一番ですが、仕事の関係や生活拠点が異なるので離れていても出来ることを考えて支えていきたいと思います。
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