高齢の親の病院付き添い|家族以外が行く場合の付き添いサービスは?

介護の豆知識

高齢になればなるほど、親が病気やケガで病院に行く際の付き添いが必要になる回数が増えてきます。毎回付き添いが必要になってくると、家族には送迎や待ち時間など負担が増加。そんなときに利用したいのが、病院の付き添いサービスです。
この記事では、家族以外が病院に付き添う場合、どのような病院付き添いサービスがあるのかをチェックします。またそれぞれどこまで付き添ってもらえるかなど、詳しいサービス内容も確認していきましょう。

病院の付き添いはどこに頼める?

病院の付き添いを依頼する際は、どこに頼めば良いのでしょうか?まずは付き添いサービスを行っている機関やサービス業者を確認します。

介護ヘルパーの「通院介助」

一人での通院が難しい場合や、家族が付き添いに行けない場合、介護ヘルパーが通院介助を行います。通院介助は、訪問介護の業務の一環で、自宅から病院までの通院時に利用が可能です。ケアマネジャーが通院介助を必要と判断した場合のみ、介護保険が適用されます。介護保険が適用されれば自己負担が軽減するので、経済的なメリットがあります。

家事代行サービス

家事代行サービスの一環として、病院付き添いサービスを取り扱う業者もあります。家事代行業者によっては、いくつかのサービスを組み合わせて依頼することも可能なので、ほかにも依頼したいことがあれば要チェックです。例えば、自宅からではなく施設からの通院をお願いしたい場合や、通院後に買い物に同行してほしい場合も、相談すれば可能なケースがあります。介護ヘルパーによる通院介助に比べて、融通が利くのがメリットです。

また、通院前後の食事の用意や、自宅の掃除などの家事代行サービスを一緒に依頼するのも良いでしょう。

自治体のボランティア

自治体によっては病院の付き添いのボランティア活動を行っている場合もあります。ボランティアなので、経済的に通院介助の利用が難しい方におすすめです。しかし、自治体によって実施しているかどうかは異なるので要確認です。通院や病院の付き添いに関して困ったことがあれば、自治体のホームページを確認したり、相談したりしてみてはいかがでしょう。

付き添いサービスの内容

次に付き添いサービスの主な内容をチェックしておきましょう。前項で紹介した家事代行サービスや自治体のボランティアの場合は、サービス内容に差があるので、ここでは介護ヘルパーによる通院介助のケースを紹介します。

通院の手伝い

介護ヘルパーが本人や家族に代わって通院前の準備を行い、自宅から病院まで同行します。歩行での通院が困難な場合は、車での移送サービスをお願いできるケースも。その際の乗降介助は通院介助の一環ですが、移動時の経費(運賃)は介護保険の適用外です。

受付手続き

介護ヘルパーが代理で診察券や保険証を出して診察の受付手続きをします。大学病院や私立病院などの総合病院では、機械を使ったり受付窓口が多数あったりと受付自体が複雑なケースがあります。その場合にも介護ヘルパーが代理で、受付をしてくれるので家族としては安心です。

薬の受け取り

薬の処方がある場合には、薬の受け取りも介護ヘルパーが代理で行います。

病院の付き添いを頼む際の注意点

最後に家族以外の人に病院の付き添いを依頼する際の注意点を確認しましょう。

通院介助は介護保険が適用されないこともある

通院介助は、介護される本人の状態によって介護保険の適用が判断されます。まずは、基本的に「要介護度1~5」に該当することが原則です。次に、家族が遠方に住んでいる場合などの理由で家族の通院同行が難しいことも条件となります。さらに、要介護度が高くても一人で通院が可能と判断された場合も適用されない可能性があります。

また、以下の場合は介護保険の適用外サービスになる可能性があるので注意しましょう。

○通院前後に買い物などの寄り道
○自宅以外からの通院

通院のついでに銀行や日用品などの買い物に寄りたい、寄ってほしいと考える気持ちはわかりますが、介護保険適用外になってしまうので注意が必要です。

通院介助時は院内での介助は原則不可

介護ヘルパーが通院先の病院内で介助を行うのは原則不可能となっています。なぜかというと、院内では病院スタッフが介助を担当するのが前提だからです。そのため診察の待ち時間の付き添いや、トイレの介助などが保険適用の範囲外になることもあるので注意しましょう。「どうしても付き添いをお願いしたい」という場合は、介護保険制度外サービスを利用します。

ちなみに、例外で待ち時間中でも介助者が必要と判断され通院介助の算定対象となるケースも。ケアプランを立てる際にしっかり確認すべき項目の一つです。

付き添い人の交通費は利用者が負担

介護ヘルパーによる通院介助でも家事代行サービスでも、付き添い人の交通費は負担しなければいけないパターンが多いので、事前に確認を行いましょう。

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まとめ

介護保険の適用で利用できる通院介助や、通院前後のサービスも利用できる家事代行など、病院付き添いを家族以外に依頼する方法はいくつかあります。定期的な病院付き添いが必要になる時期に備えて、事前に利用できる代行サービスを調べておくと安心です。


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