思い出せなかった思い出を整理しました。完結編

こちらのコラムでも私が先延ばしし続けてきた、実家の私の部屋の天袋の片づけ。
何をしまったのかは忘れていて、つまり、忘れていいほどのモノしか入っていないはず。
両親に「捨てていいよ」と言いたかったのですが、
万が一、とんでもなく恥ずかしいモノがあって、両親に見られたら…。
面倒だけどやらなければならない!と決意を固めて、ついに片付けてきました。

自分の思い出は自分で処分する


父が天袋から降ろしてくれたのは、私の名前が書かれた段ボール箱。
開けてみると、小学生の修学旅行で自分のために買った萩焼きが出てきました。
「酒」と書いてある、なかなか渋い絵柄の土鈴。
これを選んだ当時の私のことが味わい深いので、持ち帰ることにしました。

その下をどんどんさぐると、文集や日記帳、友達と交換した小さな手紙やノート。
ハート形などにかわいく折りたたんである手紙を広げたり、
ノートをめくったりしていると、
かわいさよりも恥ずかしさに襲われました。

子どものころの私は、私が思っていたよりも気が強く、
少し悪ぶる感じがかっこいいと思っていた様子も見えてきました。
思い出は都合よく編集されているんだなと実感しました。
甘酸っぱい思い出の詳細な記載もあり…。
悩んでいる様子はかわいくも見えますが、照れてしまう内容です。
自分で片付けることができてよかったと、ほっとしました。

何が入っているか分からないくらいだから、今は必要のないモノです。
でも実家に置いてきたモノは、思い出がセットになっています。
処分を家族に任せてもいいですが、
少しだけでも思い出に浸って処分をすることをお勧めします。

モノを見ながら、段ボールに詰めたときの気持ちも思い出しました。
大人になったらこれを見ながら思い出そう。
そう思った私の思い出を、私が思い出すことができてよかったです。

思い出のモノにも種類がある


私が描いた油絵が何枚かありました。
「額も古くなったし、捨ててもいい?」と母に言われて即答できませんでした。
絵画教室に通っていたときの作品です。私が見ても上手だと言えないし、飾ることもできません。
でも、まだ捨ててほしくない、と思いました。
「捨ててもいい?」は言われると寂しいものです。
もうちょっと実家に置いてもらうことにしました。


もう一つ、勝手に置いてきたモノがあります。
それは私の工作作品。リコーダーをふいている私を紙粘土で再現しています。
実家に、子供のころの自分を残しておきたい、そんな気持ちで飾っておきました。

当時、処分できなかっただけのモノ、例えばプレゼントが入っていた包装紙、
好きだった雑貨類は躊躇なく処分できました。
家族にも恥ずかしい個人的な思い出のモノは持ち帰って、
一人で思い出に浸った後に処分することができました。
一方で、私の痕跡として私のモノを実家に残してきました。
いずれは、私自身が処分する時がくるはずです。
このように、思い出のモノは時期をずらしながら、
少しずつ片付けていけるのかもしれません。

実家の片付けは家族行事


なかなか進まない片付けでしたが、実家の片付けは私が子供に戻ることができた楽しい時間となりました。
父の大事なものが分かったり、母の選択基準を初めて知って驚いたり、
楽しい家族行事となったように思います。
両親が家の片づけを始めていることに、さみしさも感じながら。
あとは両親が片付けを進めていくそうです。

私が今住んでいる家にも、思い出がたまってきました。
思い出と付き合いながら、暮らしやすい片付けを探していきたいと思います。

読者の皆さま、甘えっぱなしの娘の実家の片づけに、
お付き合いくださりありがとうございました。
皆さまのお片付けも、ご家族と向き合える時間となりますように。

 
登場人物
梶津さん
フリーの編集者の傍ら、整理収納アドバイザー資格を取得。家族を巻き込みながらシニアの生活にもやさしい実家の片付けを目指す。
定年退職後、同じ職場でアルバイト。カープとビール、横になれる畳一枚あれば幸せ。とにかく子煩悩、さらに孫煩悩。
近所のスーパーでパート勤務。若いころは陶器の置物や食器を集めるのが趣味。片付けが苦手。好きなものは、アップルパイ、サスペンスドラマ、孫。
サラリーマン。何よりもカープ最優先。毎年、宮崎にキャンプイン。使ったものを置きっぱなしにする。急にスイッチが入って断捨離する。
息子
高校2年生。明るく人当たりがいい。マイペースな妹が大好き。整理上手、普段から机の上にモノがない状態をキープ。
中学2年生。ファッション、メイクに興味しんしん。整理が苦手。ほしいものがたくさんある。

profile


梶津 利江(かじつ りえ)
 
フリー編集者&整理収納アドバイザー。
自宅で編集の仕事をするようになって、どんどん増える資料やどんどん増える紙モノに頭を悩ませていました。すぐに仕事を再開できるように途中のままにしておきたいし、でもスッキリと見せたいという気持ちの折り合いをつけるヒントを求めて、整理収納アドバイザー1級を取得。
学ぶ中で、編集と片付けは「全体から大事なものを見つけて分かりやすくする」という共通点があることを発見。大事なものを大切にする「編集&片付け」をモットーとしています。
夫の両親となんとか2世帯同居中、夫と子供2人、愛犬と暮らしています。
 

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