離れて暮らす親の介護は事前の準備が大切だった

介護の豆知識

離れて暮らす親の介護に関して後悔していることをお伝えします。

これは匿名であることを条件に自身の介護に関する体験を語ってもらうコラムです。

地方から期待にあふれ上京した

私は地方出身者で、大学の進学と同時に東京にやって来ました。都会の生活に憧れがあったので、卒業後も都心の大手企業に就職することを決め、東京に永住することにしたのです。

その後私は28歳で結婚し子宝にも恵まれ、幸せに過ごしていました。親も当時は元気でしたし、親の介護について考えたこともありませんでした。

地方に住む親が脳梗塞に

しかし、45歳になった時に、実家の母が75歳で脳梗塞で倒れました。幸い、母は一命を取り留めましたが、父も80歳で、家事全般を全て母親任せにしていたので、大変な状況になりました。

離れて暮らす私にとって、実家の様子は気がかりでしたが、すぐに駆け付けられる距離でもなく、もっと事前に準備をしておけばよかったとつくづく痛感しました。

父は日々のことでいっぱいいっぱいで、情報を得るということもできなかったため、急ではありましたが、会社に介護休暇を申請し、諸々の手続きのため帰省しました。病院から紹介されていたケアマネジャーさんにすぐに相談することができ、介護認定の申請までを1回目の介護休暇で、次の休暇で介護サービスの利用を決定するところまでなんとか進めることができました。

まず脳梗塞を患った母の介護は、ヘルパーさんが毎日母の様子を見に来てくれるようになりました。食事は宅配サービスを利用し、なんとか落ち着いていましたが、父が寝てしまうと夜中、母がトイレに立てない事などが問題になってきて、在宅での介護は限界があるようにも感じていました。
また、父自身も高齢で、母が倒れたことをきっかけに、認知症を疑われる様子が見られるとの情報をケアマネジャーさんから聞いており、夫婦をこのままの実家に置いておくのは危険なのではないかと考えるようにもなっていきました。

認知症の父と脳梗塞の母

認知症と脳梗塞で体が自由にならない老夫婦ですから、いつキッチンから火を出してしまい、そのまま亡くなってしまうかもわかりません。さらに近隣に火事でご迷惑をかけてもいけないと思うようになり、心配が尽きることがないのです。自分の生活ばかりに気がとらわれて、もっと高齢になっていく両親が快適に生活できるように、リフォームやリノベーションを事前に施してあげるべきだったと反省しています。

今後どうしたらいいのか

ケアマネジャーさんとは頻回に電話で相談をしているのですが、状態をなかなか目で確認することが出来ないので、何が高齢夫婦にとってベストな介護なのか、どういったサポートをしてあげたらいいのかをはっきりさせることが出来ないのがもどかしくて仕方ありません。
最近はケアマネージャーさんから、実家に戻って介護が出来ないようであれば、介護施設に二人を入所させてしまってはどうかとのアドバイスもいただいています。
資金的な面も考えると、自分たちが支援する必要も出てくるかもしれません。東京で生活は意外にお金がかかりますし、子供の学費も捻出しなければなりません。金銭的にも課題が出てきています。

後悔しないために

私のようにもっときちんと事前に準備すべきだったと後悔しないように、父の定年退職を機にもっと将来のライフプランを話し合ておくべきだったと思います。ぜひ若い皆さんも、これから年老いていく父や母に対し後悔の念を抱かぬようにしてあげてほしいと思うのです。

こちらもおすすめ

医者が教える非まじめ介護のすすめ
大塚宣夫 (著)

社会のため、親のため。世間の、あるいは自分の中の「~すべき」といった、「介護の常識」に縛られていませんか?
「介護はかくあらねばならぬ」という常識を一度、捨てましょう。看る側と看られる側、互いの思いを理解し、前向きに“老い”を受け入れたうえで、肩の力を抜いて介護と向き合いませんか。
阿川佐和子さん推薦!!「この本を読んだらきっと心が軽くなるでしょう!」
よみうりランド慶友病院・大塚宣夫先生の上手に気楽に介護を乗り切る50のヒント!


「家族介護」のきほん
アラジン(著)

「介護する人」に寄り添う、在宅介護の実用書!
20年以上にわたり、介護をしている家族の相談やサポートを続けているNPO法人の「アラジン」の蓄積された経験や豊富な相談事例をもとに、介護者の暮らしや人生に寄り添った、リアルな介護の乗り切り方を伝授します。

投稿者プロフィール

匿名ライター
匿名ライター
介護の経験を持つ方に体験談を教えて頂くシリーズ。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP