40代独身で親の介護|仕事との両立や結婚を諦めないためのポイントとは

介護の悩み

40代独身で親の介護をする人が増えています

 近年は様々なライフスタイルの変化などから40代で独身という方も増えています。そんな40代で直面するのが親の介護。

仕事が順調であったり、結婚を考えようかなと思っているときに突然訪れる介護に戸惑い、仕事を辞めたり結婚を諦めてしまう人もいます。
しかし、長い自分の人生を考えたとき、介護が原因で離職や結婚を諦めてしまうことは避けたいものです。

この記事では40代で親の介護が必要となった人の心を軽くし、悩みを解決する方法をまとめています。お役に立てれば嬉しいです。

40代独身で親の介護がスタートしたらどんな変化が起こる?

悩む女性

40代は仕事も忙しい年代。
独身者であれば自分の趣味なども充実している時期かもしれません。
また、結婚を考えている人もいるのではないでしょうか。
そこに突如として親の介護が始まると、想像している以上に厳しいものです。

具体的にどんな変化が生じるのでしょうか。

自分のリズムで生活ができなくなる

介護が始まるまでは、仕事やプライベートなど、自分の生活リズムが決まっていて、特別誰かに乱されるということはなかったかもしれません。
しかし、介護には、始業も終業もありません。
もちろん、親の介護状態にもよりますが、場合によっては昼夜関わらず食事や排せつの介助が必要になることもあります。

「お腹が減った」「トイレに行きたい」「眠い」「音楽を聞きたい・ドライブしたい・買い物に行きたい」などと思ったとしても、優先順位は親の介護になっていきます。

自分のリズムで生活できなくなり、心身ともにストレスや疲労がたまっていくことかもしれません。

仕事に集中できなくなる

自宅で待っている親のことを考えると「火元は大丈夫か」「転倒していないか」と常に気にかかる
急な休みも多く、残業もできない
周りに迷惑をかけているんじゃないかと不安
遠くに住む親が病気で入院することが多くなって、親元に通う頻度が高くなった
いつ呼び出しがあるかと思うと気が気でない。
介護サービス業者などからしょっちゅう電話がくる

…と、仕事に集中できない状況が続きます。

自分のプライベートな時間がなくなる

介護をしている、あるいは、介護と仕事をしているという状況が始まると、プライベートの時間が取りにくくなってしまいます。

趣味の時間、人と会う時間などを介護に充てなくてはいけなくなることもあるでしょう。

40代独身で親の介護が始まると陥りやすい問題

このように、自分のリズムをもって生活していたときから一変、大きな変化が現れます。
その結果、さまざまな問題が生じてしまうことも。

仕事を辞めなければと思ってしまう

特に、介護が始まってすぐのころは、病院や関係者からの連絡が頻繁に起こったり、通院等の付き添いで仕事に穴をあけてしまう、早退や休みが頻発してしまうなど、これまで通りの仕事ができなくなってしまうこともあります。

周りに理解があったとしても、とても心苦しくなったり、心身の疲労がピークに達し、「仕事を辞めるべきだ」「辞めなければ介護が続けられない」と思う人も多くいます

結婚を諦めなければと思ってしまう

また、40代であれば結婚を考えていることもあるでしょうが、介護に追われ、人と会う時間もない、自分のプライベートな時間がないことで、付き合いや結婚を諦めてしまうケースもあります。

親の介護をしていると知ると敬遠される、と心配する人もいるかもしれませんね。

兄弟と仲が悪くなってしまう

また、よくある問題のひとつに、兄弟や親せきと仲が悪くなってしまうことも多いのです。
それまでは付き合いのあった兄弟たちが、親の介護がきっかけで寄り付かなくなる、結婚している兄弟は「子供もいるから介護は無理」と逃げていくということもあります。

独身者である自分ばかりに負担がかかるようになり、裁判に発展したケースもたくさんあります。

40代独身で介護をする時の注意点とポイント

SOS

40代独身で親の介護をするということは、たくさんの問題を抱える可能性があります。
しかし、そんな状況をできるだけ軽減するための、考え方を変えるヒントをお伝えします。

スタート時点で一気に体制を整える!

介護の負担が大きかったり、介護に専念したいからと、仕事を辞めたい、と思うこともあるかもしれません。
しかし、仕事を辞めてしまうと、経済的に厳しくなったり、再度就職したいと思ったときに不利になる可能性が高いのです。

いつまで続くかわからない介護と仕事を両立するためには「初動」が重要なポイントです。
スタート時点で介護休業や時短勤務などを利用して、介護サービスの手続きを行ったり、必要があれば住宅改修や介護用品をそろえたり、地域包括支援センター、ケアマネジャーなど、協力者をとにかくたくさん集め、一気に体制作りを行いましょう

スタート時点で体制を整えておくことで、その後の疲労感や精神的負担を大きく軽減できる可能性があります。
使える介護サービスや協力者、話を聞いてもらえる人や機関を早めに調べてリスト化しておくということも、後々とても役立ちます。

兄弟姉妹に腹が立ったら、一人っ子と思おう

あなたに兄弟がいたとしても、兄弟が支えになってくれるとは限りません
「兄はお嫁さんの言いなりで何もしてくれない」「弟は電話しても出ない」「弟や妹は知らん顔…」など、よく聞く不満です。

もし、あなたが主たる介護者の役回りになったなら、親と話し合って兄弟姉妹に分担してほしいことを伝えてもらいましょう。

それでも介護の負担が自分にばかり集中するなど、どうしても腹が立つときは、「兄弟姉妹はいないもの」と考え、親とあなたの合意ですすめましょう。そのほうがよっぽどストレスなく済みます。もちろん、後々のこともあるので、報告だけは忘れずに。

専門のパートナーを見つけよう

独身者は介護負担が大きいと考える人もいるかもしれませんが、先に述べたように、兄弟がいるからといって、配偶者がいるからといって支えになってくれるかどうかはわかりません。

多くの人が、兄弟がいること、配偶者がいることでのさらなる課題に苦しんでいるのも事実です。

介護を上手に担っていくポイントは、いいケアマネや包括、介護スタッフを諦めずに探すということです。
同じ悩みを抱えている人もたくさんいます。「家族介護の会」などに参加するのもいいでしょう。悩みを共有できるだけでなく、良いサービスや役立つ情報を得られるかもしれません。

一人で抱えて『いい人』をやらない

介護は兄弟がいない、兄弟がいても頼りにならないという場合でも、ひとりで担う必要はありません。

今は在宅介護をサポートするための介護保険サービス(訪問介護や通所介護など)が揃っており、介護のプロが一緒に介護を担ってくれます。

また、「独身の兄が同居しているが、仕事でほとんど家にいない」「妹が実家にいるが、うつ気味で…」「同居の弟は閉じこもり」など、親の介護で更なる心配事を抱えるケースも増えています。

介護に限らず障害や精神疾患、閉じこもりなどは行政が支援をしてくれます。

包括支援センターが総合窓口なので、介護と併せて包み隠さず相談しましょう。

家事のパワーアップを目指す

多少お金はかかりますが、少しでも負担を減らすために、掃除や洗濯、食器洗いなどを家電に任せてしまう、専門サービスに任せてしまうというのもひとつです。食事に関しても、介護食の宅配などもあります。
親の介護はサービス利用で何とかなっても自分の食事や掃除、洗濯など家事に振り回されて身体を壊した人も少なくありません

介護が始まると、必ず負担は大きくなります。自分自身が心身を壊してしまったら元も子もありません。
いかに自分の負担を軽減させることができるかが大きなポイントです。


親不孝介護 距離を取るからうまくいく

「長男だから、親を引き取るか実家に帰らないと」「家族全員で、親を支えてあげないと」「
親のリハビリ、本人のために頑張らせないと」「親が施設に入ったら、せめて、まめに顔を見せに行かないと」そんなものは必要なし!

「親と距離を取るから、介護はうまくいく」。
一見、親不孝と思われそうなスタンスが、介護する側の会社員や家族を、そしてなにより介護される親をラクにしていきます。


身近な人に介護が必要になったときの手続きのすべて
鈩 裕和 (監修)

親が倒れた! どうする?
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まとめ 介護って大変…だからこそ、自分第一

40代独身者にとって、介護は長くて暗いトンネルのように感じるかもしれません。
しかし、使えるものは使う、スタートダッシュで体制を整えることで、負担が大きく軽減する可能性もあります。

仕事を辞めたり、自分の人生を諦めたりする前に、頼れるものや人を見つけてみてください。

「親には、最期まで元気でいてほしい!」「人に頼りたくない!」と思うのは当たり前の人情です。

でも、介護は頑張り過ぎないということも大切です。親の介護のために自分の人生を諦めないでいいように、しっかりと介護の知識を得て、協力者を見つけましょう。

あなたは余力を残しつつ、後悔しないように自分の人生を一番大切に考えてみてください。

投稿者プロフィール

Mrs.マープル
Mrs.マープル
介護福祉士・主任介護支援専門員・認知症ケア専門士・社会福祉士・衛生管理者・特別養護老人ホーム施設長・社会福祉法人本部長経験と、福祉業界で約25年勤務。現在は認知症グループホームでアドバイザー兼Webライター。

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