親の介護で疲れる|私が体験した介護ストレスのサインと解消法

介護の悩み

親の介護は疲れるものです。必死に親を介護していると気付かないうちに自分が体調を崩すことも。自分自身からのストレスのサインに気付けているでしょうか。

親の介護が原因で体験したストレスのサインについて介護の経験があるライターさんに匿名にすることを条件に詳細な経験談を教えていただきました。

母が認知症かも?

実家で親と一緒に暮らしていたこともあり、年々歳を取っていく両親のサポートを行うことも増えてくるようになりました。両親が共に元気なうちは、自分が仕事に行っている間もお互いで生活を支えながら暮らしていくことができていたので、こちらもそこまで気にすることなく社会生活を送ることができていたのですが、その後父親が病気を患い亡くなってしまったことをきっかけに、母親が自宅で1人で過ごす時間が増えるようになりました。

以前から物忘れが多いことが気になっていましたが、父親が亡くなってから特に気落ちしてしまったのか趣味に時間を費やすことや外出も減ってしまい、最近おかしいなと気付いたときには認知の症状がだいぶ進行してしまっていた状態でした。

認知症になった母

母親の認知症に気付くのが遅れてしまったのは物忘れがあっても日常生活にあまり影響がなく、加齢による物忘れが原因だと思っていたためです。その後、母親の言動からその日の出来事や会った人の記憶が抜けてしまっていることに気づき、すぐに医療機関にかかったところアルツハイマー型認知症だと診断されました。

私は普段、仕事をしていることもあり、ずっと母の傍にいることができないので、日中はデイサービスを利用して母親のサポートをお願いするようにしていましたが、仕事から帰宅した後や休日は付きっきりで在宅介護をしていました。

最初のうちは、たったひとりの家族だからと母の介護を一生懸命行っていましたが、介護をしていくうちに自分自身の体に色々な症状があらわれるようになったのです。

介護が始まってあらわれたストレスのサイン

まず感じるようになったのが以前よりも食事を楽しめなくなったこと。

若い頃から食べることがとても好きだったのですが、介護中心の生活で、母が食べやすい食事をとばかり考えるようになり、自分が好きな物を食べるという気持ちが湧かなくなっていました。
また毎日きちんと食事や睡眠をとっているつもりでも、朝起きると体の疲労感が全く取れず、日中仕事をしている間も常に疲れを感じるようになりました。

元々長時間のデスクワーク生活をしていたので、運動不足解消を考えて休日は適度に運動をする習慣をつけていましたが、介護が始まってからは体を動かす時間をほとんど持てずにいたのも原因だったと思います。

食欲不振や慢性的な疲労感、そして夜中に不安や焦りを感じることも増え、しっかり眠ることができなくなってしまうなど様々な症状が出るようになりました。これが、介護によるストレスのサインだったのです。

ストレスによる症状の解消法

ストレスのサインを自覚していても、当然、介護を辞めるわけにはいかなかったのですが、自分の不調を近くで見ていた同僚が相談に乗ってくれたことで、客観的に見て、自分は介護うつの可能性が高いということがわかりました。

精神的にも身体的にもだいぶ辛いと感じていた時期だったので、同僚のアドバイスを受け医療機関に相談してみたところ、医師からも介護うつの可能性が高く休息や適度なストレス発散をした方が良いとの診断を受けました。
医師からはっきりと診断されたことで、母のためにも一度、体をしっかり休める必要があると考え、母を一時的に介護施設に預け、仕事も休み、しっかり体調を整えることができました。

その後はケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、介護者である自分のサポートを踏まえた新しい介護プランを提案してもらったことで、以前よりもぐっと母親の介護をすることが楽になりました。

最後に

親の介護は大変です。必死に親を介護していると気付かないうちに自分が体調を崩すこともあります。自分のストレスのサインを見逃さず、趣味の時間を持ったり運動する時間を設けたりするなどストレス発散を心がけて過ごすようにしてください。

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