血圧ノートは、日々の健康管理には非常に役立つアイテムです。
血圧を正確に記録することで、自分の健康を見える化し、コントロールすることができます。毎日、ノートに記録することで、病気を未然に防ぐこともできます。
今回は、そんな血圧ノートの効果的な活用方法や、血圧の正しい測り方などをご紹介します。
今日からでもすぐできる「血圧ノート」を是非、健康管理にお役立てください。
血圧は毎日測るほうがいい?血圧管理の重要性
血圧は、健康管理において非常に重要な項目の一つです。高血圧は、心臓病や脳卒中などの生活習慣病の原因となることがあり、高血圧を予防することが病気の予防にもつながります。
その時だけ測定して終わりでは、体調の変化にも気づけないこともあります。しかし、血圧を毎日測定することで、自分の体調の変化に気づくこともできます。
例えば、疲れがたまっているときやストレスがたまっているときは、血圧が高くなることがあります。また、食事や運動などの生活習慣の変化によっても、血圧は変化します。
ポイントは、正しい方法で測定すること。さらに、測定結果を記録しておくことで、体調の変化を一目で把握することができます。
「毎日測定はめんどくさい」
「忘れてしまいそう」
そう思うかもしれません。しかし、体調の変化に気づくことができれば、早めに対処することもできます。健康維持のために、生活習慣から病気を未然に防ぎましょう
正しく測定するためのポイント
血圧を正しく測定するためには、いくつかのポイントがあります。
血圧は日々変動するため、時間帯や状況によって結果も異なります。
正しい測定を行う際には、同じ時間帯や状況で測定するように心がけることが大切です。
同じ状況・同じ時間
血圧は繊細です。環境や少しの動作で上下します。
できるだけ同じ状況、同じ時間に測定しましょう。
測定前は10分程度リラックス
トイレは事前に済ませ、静かに座ってリラックスすることが大切です。
立ったり座ったりするだけで血圧は変動してしまいます。
血圧計を正しく装着する
血圧計を正しく装着し、腕の位置や姿勢にも注意が必要です。上記の写真のように、計測部分(締め付ける帯状の部分)は、心臓と同じ高さ(胸元)にした状態にしましょう
また、測定器を使用する前には、電源が入っているかどうかを確認し、測定器の使い方をよく理解しておくことも大切です。
家庭での測定方法
測定前には、10分程度の休息を取ることが理想です。
立ち上がりや移動などをした直後には一時的に血圧が上昇するため、リラックスした状態を心がけます。
測定のタイミングと注意点
ここからは、ご家庭での正しい測定方法を一日の流れで見ていきましょう。
細かい注意がありますが、難しいものではありません。
正確な血圧の測定のためにも、朝と晩の一日2回測ってみましょう。
① 朝の測定のタイミング
起床後1~2時間以内、朝食前、服薬の前で、トイレは済ませておく
② 椅子に座ってリラックス
できれば背もたれのある椅子に座り、足は床につける。1~2分間安静に
③ 腕の高さ
肘を伸ばし、腕は心臓と同じ高さにする。袖はきちんと捲し上げる。
④ カフ(測定部分の帯)
衣類は挟まっていないか?皮膚に隙間なく巻く
⑤ 夜の測定のタイミング
就寝の直前に。朝の②と同じくリラックスした状態で。飲食直後や入浴直後は避けましょう
父は、よくトイレから戻ってすぐに測定してしまい、高い血圧に不安になって、5回も6回も測定してしまいます。
数分で数値は安定しますので、焦らず、リラックスした状態で測りましょう。
診察室での測定(診察室血圧)は最高血圧が140mmHgを超え、最低血圧が90mmHgを超える場合、
ご家庭での測定(家庭血圧)は135mmHgを超え、最低血圧が85mmHgを目安にしましょう
参照:特定非営利活動法人日本高血圧学会 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」
血圧ノートの効果的な使い方
本来、血圧ノートは健康維持や、病気の予防のために行う人がほとんどだと思います。せっかく記録している血圧ノートはつけて終わりではありません。
より効果的に使うために、血圧の健康管理のポイント3つをおさえましょう。
・血圧の変化を治療に生かす
・家族で習慣を作る
・予防や対策に役立てる
変化を把握し治療に役立てる
高血圧は、放置すると心臓病や脳卒中などの合併症を引き起こす恐れがあります。しかし、自覚症状がないため、気付かずに放置している人が多いのも現状です。
そこで、自宅で簡単に測定できる血圧計を使って、自分の血圧の変化を把握することがとても大切です。
筆者の父は、脳卒中で倒れる直前まで高血圧でした。ですが、血圧は毎日測定していませんでした。
「血圧なんか高めなんだよなぁ」
気分がすぐれず、測ってみたら200を超えていました。その翌日、リビングで突然倒れたのです。
血圧は朝と夜の測定を繰り返し、データを記録して、自分の傾向を把握しておきましょう。測定した血圧のデータを持って、医師や薬剤師に相談することで、ある日突然倒れることも回避できます。
「ある日突然、倒れて介護生活になってしまった」
そうなる前に、定期的な血圧測定と生活習慣の改善を心がけましょう。
家族で血圧管理のためにする習慣
家族で習慣を作ることで、健康管理もしやすくなります。
例えば、毎朝起きたら一緒に血圧を測定する、食事の前後に測定する、週に一度家族で散歩するなど、簡単なルーティンを作ることが大切です。
我が家では父が脳卒中で倒れてから、家族が血圧に配慮することが増えました。
「なんだかだるい」「めまいがする」
と言えば、「血圧どのくらいなの?」と聞くと、すぐに測る様になりました。
一人では、継続が難しいことも、誰かと共に動くことで、無理なく続けることができますよね。このように、家族で協力しながら、出来ることから習慣化してみましょう。是非、こちらもお読みください。
血圧以外の項目もつけてみる
血圧ノートを効果的に使うためには、血圧以外の項目も記録することが大切です。血圧が上昇する原因やタイミングが把握できるからです。
例えば、毎日の体重や食事内容、運動量や睡眠時間など、生活習慣に関する情報をノートに書き留めることで、自分自身の健康状態を客観的に見返すことができます。
「夕食の後、比較的高めになる」
「水分ほとんどとっていない、睡眠時間がいつもの半分」
その日だけ血圧が高いと、不安になりがちですが、日々記録しておくことでその原因も突き止めやすくなります。
ただし、完璧を目指しすぎても長続きはしません。毎日、たくさんつけようとしても、記録自体がめんどくさくなってしまい、短期間でやめてしまいます。
病気の予防には、気になる項目があれば、最低限のものだけでも十分です。例えば、
【脳梗塞の予防の場合】
ドロドロ血液を避けるために血圧と食事、水分摂取だけは最低限記録する。
【糖尿病の予防の場合】
血圧と食事、体重だけは欠かさず記録する。
このように、血圧ノートは活用次第で健康管理に役立つ貴重なツールとなります。
血圧以外の項目も記録することで、より効果的に自分自身の健康状態を把握し、健康を維持しましょう。
こちらもおすすめ
健康管理手帳 りずむのおと
数字だけでなく血圧の推移がグラフ化して使えます。血圧以外にも健康管理に必要な項目が多数あり、右ページに基準値の一覧もあります。数値を見比べながら使えるので、身体の不調が発見しやすくなっています。おすすめです!
【記録欄】
記入例…1頁
検査データの基準値…1頁
血圧&体重グラフ…6頁(約半年分)
日々の記録(日付/天気/体調/心の調子/体温/血圧/脈拍/排尿/排便/水分摂取/食事・間食・服薬記録)…60頁(約半年分)
生活習慣と運動
毎日の血圧の管理には、生活の習慣が大きな影響を与えます。ポイントは3つ。今日から始められることばかりなので、積極的に取り入れましょう。
適度な運動
有酸素運動を行うことで、血圧が上がりにくい身体を作ります。有酸素運動は、心臓の機能が改善され、血液の循環を促進、血管の健康にも役立ちます。
効果的なのは、一定時間以上の運動です。始めて数秒でやめてしまっては、あまり効果は得られません。
筆者の家では、父のリハビリもかねて、毎朝犬と一緒に散歩しています。父と母、私と犬、毎朝4人で歩いています。
それ以来、父の目標の一つに「犬のリードを自分でもって散歩をしたい」と前向きになりました。
その為には「無理のない範囲」の運動(適度な運動)がポイントです。外の景色を見ながらする朝や昼間の散歩は、気分も明るくなり、抵抗なく続けることができます。
家の中でも、毎朝体操をする、ストレッチするなど気軽に楽しめるものを取り入れましょう。
バランスクッション
室内で気軽に運動するには最適なアイテムです。上に立ったり、椅子に置いた状態で座ったりすることでトレーニングができます。シェイプアップや上部の突起でマッサージ効果も得る事ができます。
食生活の改善方法
まず、塩分の摂取量を減らすことが大切です。私たち日本人は、その食文化から塩分の摂取量が多くなりがちです。しょっぱいものや辛い物、漬物なども、減塩に変えるなど、塩分量を普段から意識することが大切になります。
また、食事のバランスにも気を配りましょう。野菜や果物を多く摂取し、肉や油分の多い食品は控えるように心がけることです。濃い味を好む方は、比較的塩分摂取量は多めです。気を付けましょう。
減塩のお料理は、ちょっとした一工夫で家庭でもできます。こちらもすぐに行動に移せるものばかりです。
食事の栄養バランスを考えた食生活を心がけることで、血液の健康に役立てましょう!
減塩に有効な食行動の例:「減塩のコツ」
1. 漬け物は控える 自家製浅漬けにして、少量に 2. 麺類の汁は残す 全部残せば2~3g減塩できる 3. 新鮮な食材を用いる 食材の持ち味で薄味の調理 4. 具だくさんのみそ汁にする 同じ味付けでも減塩できる 5. むやみに調味料を使わない 味付けを確かめて使う 6. 低ナトリウムの調味料をつかう 酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する 7. 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる 8. 外食や加工食品を控える 目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト:e-ヘルスネット
TANITA 電子塩分計(しおみくん)
塩分濃度を3色6段階(うす味・ふつう味・から味)でわかりやすく表示。液体にサッとさして使えます。
自動温度補正機能により、30~90℃までの範囲がスイッチひとつで簡単・正確に測定できます。
※電池寿命は1日5回の使用で約6カ月、電池交換も可能です。
※測定の可能な液体の温度範囲は30℃~90℃までになります。この温度の範囲外の測定は正しく行うことができません。※粘性の高い液体や、固形物の測定はできません。
睡眠とストレスの影響
高血圧の予防には、塩分や運動はよく言われてますが、意外と影響があるのが「ストレス」と「睡眠」です。ストレスが長期間続くと、血圧が上昇することがあります。また、睡眠不足も、血圧に直結します。
母は、父のトイレやお薬の投薬で介助をしていますが、深夜に行う介護で、睡眠時間が2時間の時があります。翌朝は、決まって血圧が上昇し170を超えることもある程です。
甘く見てはいけない「睡眠時間」、ストレスだけでなく睡眠時間にも注意しましょう。
心をととのえるスヌーピー
疲れた心を癒すスヌーピーの言葉
発売1年で累計13万部のベストセラー。
名言が多く哲学的なピーナッツコミックは、実は禅の考え方に通じているものがたくさんあります。スヌーピーと一緒にコミックを読み進めるうち、前向きに生きるヒントが得られるはずです。疲れた心をそっと癒したいときにおすすめの一冊です。
まとめ
血圧は、ノートを記録することで、自分の血圧の変化を把握し、適切な対策を取ることができます。
・正しい測定方法
・測定のタイミングや注意点
・同じ状況や同じ時間帯に測る
・自身に必要な項目は血圧以外でも記録する
毎日記録し続けることで、血圧ノートは頼れるツールとなります。
血圧の変動にどのような要因が関わっているか?客観的に判断できます。
血圧ノートを活用して、健康な生活を送りましょう!
投稿者プロフィール
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元銀行員。40代副業ライター。
得意分野は介護と金融
時々犬(愛犬家・証券外務員2種保有)
脳卒中による半身麻痺、
大腸がんなど病気のオンパレードで
認知症状も増えてきた父親の介護を
10年以上やっています。
モットーは「毎日明るく」マンガと小説好き。
介護ストレスと上手に付き合っています。
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