在宅の配食サービスは介護保険の適用外です。しかし、補助金という形で支援している自治体がほとんどです。では、自治体の配食サービスと、民間の配食サービスでは料金はどれくらいなのか?気になるところです。
今回は自治体と民間の配食サービスについて、補助金制度やそれぞれのサービスを解説します。
自治体の配食サービスは介護保険適用外
基本的に、高齢者への配食サービスは保険適用外が殆どです。
なぜなら目的が「高齢者の見守り」だからなんです。
保険証を持つ、すべての人が利用できる介護保険サービスですが、配食に関しては、環境や家族の状況によって行政が支援をせざるを得ない人々のみに格安で配給しています。
その為、利用するには決められた条件があり、その条件をクリアしていないと申請が下りないところが殆どです。(ただし、各自治体によって詳細は異なる)
その条件とは「独居(高齢者の一人暮らし)」です。
自治体の配食サービスは介護保険の適用外ですが、一部各自治体が負担する補助金と、利用者が支払う金額で賄っています。
自治体の配食サービス 補助金制度
自治体の配食サービスは保険適用外ですが、補助金制度があります。民間企業のサービスに適用はされません。
自治体の配食サービスの申請をして許可が下りると、自治体が手配した業者から配食されます。その際の料金に対して補助金が適応されますが、金額については、各自治体によって異なります。
筆者がお手伝いしている自治体では、1食あたりの金額が決められており、半額を自治体が負担、半額を利用者様が負担しています。
おおよそですが、補助金額は一食あたり、200円から400円程度となっています。配食回数は、一日一食のところもあれば、朝・昼・夜の3回行う自治体など様々です。
補助金を利用した配食サービスなら、まず市役所などの役所や自治体へ確認しましょう。
自治体の配食サービスは「見守り」が目的
この自治体の食事配食サービスの真の目的は「見守り」です。高齢者となると、食事の準備も簡単ではありません。
足腰が弱く、火元に近づけたくないご家族もおられます。
独居の1人暮らしで、家族も離れて暮らしているせいで、何かあった時に連携が取れない場合、もしくはそれに準ずる環境にいる高齢者などがこのサービスを受けているケースが主です。
独居の90歳の男性のケース
とある90歳の男性が、食事配食サービスを利用されていました。3m歩くのに、杖を使い7分~8分かかってやっと玄関までお弁当を取りに来られる程の足腰です。
ご家族とは別居、施設入所も拒否されていて、ずっと一人暮らし。すでに食事の用意も自分で出来ないので、ケアマネ―ジャーを通して自治体の配食サービスを申し込まれたそうです。
ある日、いつものように玄関まで行くと姿が見当たらず「おかしいな?」と思い、お庭を覗いてみると、しり尻もちをついて長時間座っていました。ミニトマトを取りに行ったきり立ち上がれなくなったそうです。
足を捻挫してしまい、急いでケアマネさんに知らせ、ご家族に連絡を取ってもらいました。こういった時に心から「お弁当配達していてよかった!」と感じます。
もし、私が行かなければ、声も上げられず、朝晩氷点下の中外にいたらと思うとゾッとします。高齢者の配食(配給)サービスは、こういったもしもの時のためにある「見守り」サービスなんです。
民間の配食サービス 料金と内容
自治体のサービス以外には、民間企業の配食サービスがあります。「補助金を使って安くしたいのに」金額面で心配の方もいらっしゃるかもしれません。
民間の配食サービスは、今は種類も内容も豊富で、金額も低価格のものもあります。
値段の相場は、一食当たり200円台から1000円までありますが、500円前後が主流のようです。高齢なら、量も少なく、おかずだけなら金額も一回数百円に抑えられます。
共済組合や専門業、介護関連会社など様々な企業が行っています。その為
「ごはんは炊けるからおかずのみ、週に2回、3回」というカスタマイズも可能。
お値段も一般的な宅配と違い、一食あたりも比較的リーズナブルな設定です。
自治体の配食サービスは低価格ではありますが、民間のほうがより融通が利く上に、個人に適した配食サービスが受けられるのが利点ですよね。多数の業者が、「見守りサービス」も行っています。
配食の内容は高齢者に適したものを
栄養面でも、高齢者向けに考えられており、野菜を中心とした肉や魚だけでなく、介護食用に嚥下しやすいもの、高血圧には減塩など、疾患に配慮したものを提供いているサービスもあります。
とろみのあるもの、柔らかいもの、きざみのもの。高齢者の食事は栄養面だけでなく、その状態も心配ですよね。
常温で配達するところもあれば、冷凍解凍したものを3食(一日分)届けたり、多種多様に揃えられています。
在宅介護の負担軽減に利用しよう
民間のものは種類も豊富で、低価格もあります。栄養面や食べ物の好み、配給される頻度など、いくつかの配食サービスを組み合わせてもいいかもしれません。
例えば、週末に通い介護をされていても、平日は一日はヘルパーに手作りしてもらい、ほかの日は配食サービスを利用して回すことで、介護する側の負担も軽減されます。
ご自宅で作り置きするときや、ヘルパーさんに依頼するときは、メニューにも気を付けたいものです。今は電子レンジで簡単に時短料理もできます。
在宅介護の頼もしい味方です。筆者は電子レンジの時短料理に随分と助けられています。食する高齢者ご本人も、飽きないで食事を楽しんでもらえるのが一番なんです。
シニアの作り置きらくらくごはん
一品をアレンジして数品つくるアレンジレシピ。作り置きするなら、楽する料理はとても助かります。週末介護なら一週間分作り置きなどもできますよね。女子栄養大学栄養クリニック監修で栄養面も心配ありません。
まとめ
配食サービスには自治体と民間のものがあります。介護保険の適用外ですが、自治体の配食サービスには申し込みが必要となり、許可が下りれば、補助金制度が適用されます。
ただし、自治体が手配した配食業者からの食事だけが対象です。民間業者には適用されません。
むしろ、より細かく好みにあった食事なら、民間や共済の配食サービスのほうがおすすめです。高齢者に配慮した食事。見守りサービスもしてくれるなら、一回数百円と考えれば決して高くはないかもしれません。
また、介護の負担軽減には作り置きやヘルパーさんにお願いすることもできます。毎日おこなう料理は在宅介護には負担の一つですよね。
買い物や調理の時間のやりくりは、こういったサービスやレシピ本をどんどん活用していきましょう!
また、私たちキャプスには介護の有識者や、看護師の有資格者など「介護の専門家」が多数在籍しています。
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投稿者プロフィール
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元銀行員。40代副業ライター。
得意分野は介護と金融
時々犬(愛犬家・証券外務員2種保有)
脳卒中による半身麻痺、
大腸がんなど病気のオンパレードで
認知症状も増えてきた父親の介護を
10年以上やっています。
モットーは「毎日明るく」マンガと小説好き。
介護ストレスと上手に付き合っています。
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