在宅介護に必要なものとは?福祉用具の購入や住宅改修などの体験談

介護の豆知識

在宅介護は突然始まることが多く、何が必要なものか不明で不安に感じることもありますよね?

初めてのことばかりで準備に手間どったり、費用面を心配したり悩みは尽きません。

この記事では、在宅介護を見越した部屋のレイアウトの整備や介護の必要なものの取りそろえについて筆者の経験を交えて解説します。

介護に必要なものが何か分かることによって、不安が減り、先が見通せます。在宅介護を始めるための準備をしたい人は、ぜひ参考にしてください。

在宅介護の協力者を確認する

おじいちゃんを囲む家族

7年前に、父は脳卒中による半年間の入院を経て、自宅介護になりました。

家には、母と姉、筆者が住んでいたので、3人が協力して介護することに。

介護の知識や経験はまったくありません。そのため、入院中に看護師や作業療法士、決定したケアマネジャーと相談を重ねました。

部屋のレイアウトを整える

父が脳卒中による治療とリハビリを始めて、半年が経過したころでした。

退院に向けて、自宅に作業療法士が訪問し、退院後の生活を見越して以下を見てくれました。

  • 各部屋の場所
  • 導線
  • 手すりが必要な場所

まずは、日中を過ごす部屋を決めます。

当時の実家は和室が大半で、畳に座り過ごしていました。左半身の麻痺が残る父は床に座れません。

そのため、テーブルと椅子がある台所を基点にすることにしました。

次に、台所から寝室、トイレ、浴室への導線を確認します。

父が歩行器を使って歩いた場合、妨げになるものがないかチェック。

幅が狭いところ、マットで滑りやすいところなどは退院までに物を移動したり、不要品を処分したりしました。

最後に、手すりの必要な玄関やトイレ、脱衣所、浴室を見て回ります。

半年間の入院で、体力も筋力も衰えた父。段差の上り下りやトイレの立ち座りを楽に行うため、適切な手すりの場所や角度を教えてもらいます。

麻痺が残る体でも日常生活を送れて、介護する家族も安心して受け入れできるよう着々と準備を進めました。

介護に必要なものをそろえる

退院にあたって、ケアマネージャーと必要なものを相談し、以下の手順を踏みました。

  • 一日の流れを想定
  • 必要なものの洗い出し
  • 介護保険対象の福祉用具があるかチェック

福祉用具とは、介護や介助の必要な人が日常生活を送るためのサポートとなる物品です。

さらに、福祉用具には「レンタル」と「購入」の2種類があります。

原則はレンタルで利用しますが、入浴に使う用具は直接肌に触れるため購入します。

それぞれの自己負担額や利用限度額は、以下のとおりです。

自己負担額利用限度額
レンタル利用料金の1~3割要介護度別に定められた給付限度額の範囲内
購入購入費の1~3割1年間(4月1日~翌年3月31日まで)に10万円まで

以上を踏まえて、父に必要なレンタル品と購入品を列挙しました。

レンタル

福祉用具をレンタルできるのは、都道府県または市町村の指定を受けた「福祉用具貸与業者」からのみです。

また、レンタルできるのは介護認定を受けた人のみで、介護度によって借りられるものが変わります。

介護に伴い、レンタルした物は以下の2つです。

  • ベッド用手すり
  • 歩行器

順に説明します。

ベッド用手すり

ベッドから自力で起き上がれないため、手すりをレンタルしています。

手すりがあるおかげで、介助が不要です。

また、蛍光テープが貼られているので、夜間のトイレ時にも重宝しています。

歩行器

安定して歩けるように、歩行器を導入しています。

歩行器とは体全体を覆うフレームのことを指します。フレームを手で持ち、体を支えながら前に置き進むと、足への負担が軽減されるのです。

父は腕の力や背の高さがあることから歩行器を勧められ、現在も使用しています。歩行器があれば、父も自由に屋内外を移動できるのです。

購入

シャワーチェア

介護に伴い、購入した主な物は以下の2つです。

  • ベッド
  • 入浴に使う福祉用具

なお、父の介護用に購入したベッドは、介護保険対象外です。

順番に説明します。

ベッド

病気前は、床に布団を敷いて寝ていましたが、病気後はベッドで寝起きするようになりました。

なぜなら、床から立ち上がれないのと、起き上がるのに手すりが必要だからです。

手すりがあれば寝起きは自力で行えるため、量販店で適当な高さのベッドを新調しました。

入浴に使う福祉用具

介護が始まり、大きな変化の1つはお風呂の介助が必要になったことです。

介助する母も安全に行えるよう、以下の福祉用品を導入しました。

  • シャワーチェア
  • 浴室すべり止めマット

椅子は折りたたみが楽なので、使い終わると浴室に置いています。

ホームセンターに売っている安い椅子の導入も考えましたが、以下のことから福祉用具に決めました。

  • 安全性に優れている
  • 自治体に購入費の支給申請ができる

知識が豊富なケアマネージャーと相談したおかげで、父の状況と生活に合ったものを購入できました。

自宅改修

手すりのついたトイレ

自宅改修は、以下の3つを行いました。

  • 手すり
  • トイレの高さ
  • 部屋から庭へ下りる階段

順に説明します。

手すり

入院中に作業療法士が訪問し、設置を促してくれた場所に手すりを取り付けました。

場所は以下のとおりです。

  • 玄関
  • トイレ
  • 脱衣所
  • 浴室

L字型の手すりを設置したおかげで、そこを持ちながら移動したり、体を支えて段差を上り下りできています。誰の手も借りずに移動できるので、本人も自分のペースで動けているようです。

トイレの高さ

既存のトイレは高さが低く、麻痺が残った父が立ち座りするのは困難でした。

そのため、父に合わせたトイレの高さと大きさに改修。

自力でトイレに行けているため、家族も助かっています。

部屋から庭へ下りる階段

病気になる前の父は、庭の手入れが好きでした。

退院後も外の空気に触れて、自発的に動いてほしいと願いを込めて注文しました。

家から外に出るには段差が高すぎるため、階段を設置したのです。

庭に出たり、外へ散歩するときの出入りに使用しています。

紙製オムツ

退院当初はトイレで用を足せていましたが、加齢に伴い、トイレに間に合わないことが増えました。

日中はデイケアに通っているので、オムツが定着。

オムツを毎日使うと費用がかさみますよね。

ケアマネジャーに相談したところ、自治体で「購入費の支給」を受けられることが分かり利用しています。

困ったことがあれば、介護に精通しているケアマネジャーになんでも相談してみるものですね。

脳トレ用品

父は脳卒中に伴い、高度機能障害を併発しています。

度機能障害とは、病気やけがにより脳に損傷を負うことで、社会生活や日常生活に支障が生じることをいいます。

父は病気の後、曜日や時間の感覚を認識するのが苦手になりました。

そのため、脳に刺激を与えることを目的に、漢字や計算などの脳トレドリルを取り入れました。

はじめは、乗り気ではありませんでしたが、次第に習慣になると、時間や曜日の感覚、話のキャッチボールも改善されてきました。

当サイトでも、脳トレドリルやぬりえを購入できますので、ぜひご覧ください。

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認知症予防おりがみ

3歳の孫と同居していたときは、100均のパズルや折り紙、ぬりえを2人分購入。

やはり、誰かと一緒だと続けやすいですね。

100均には脳トレ用品やぬりえなど、さまざまな種類がありますので、値段を抑えて試したい人にオススメです。

介護制度を活用して、環境を整えよう

今回は在宅介護に必要なものは何か、どのようにそろえたのかについて体験談を交えて解説しました。実際に、在宅介護を始める場合、以下の手順で整理するとよいでしょう。

  • 在宅介護者の協力者を決める
  • 部屋のレイアウトを整える
  • 必要なものをそろえる

まずは、ケアマネジャーに新しい生活を構築するため相談しましょう。

介護分野に精通したケアマネジャーならば、家族の意向をくみとり、アドバイスしてくれます。

その他に、誰かに不安や気持ちを聞いてほしい場合、当サイトの「つぶやきたい」や公式LINEを活用してください。

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投稿者プロフィール

冨田 裕子(とみたひろこ)
冨田 裕子(とみたひろこ)
父が脳卒中により、介護生活がスタート。
メインの介護者である母をサポートしながら、2人の子育てに奮闘しています!孫育てをリハビリ代わりにして、今日も家族で力を合わせて過ごしてます。

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