親が病気になり、介護が必要になったら…そんなことを想像したことはありますか?
いつまでも元気でいてほしいけれど、年齢を重ねると突然の介護に直面するかもしれません。
そこで、今回は父の介護が始まったとき、家族がどのような役割を担ったか、家族以外に誰を頼ったか解説します。
介護は長丁場です。1人で抱えこまず、周りの助けを借りながら過ごせるためにも、ぜひお読みください。
家族の役割分担
親が病気で介護が必要になったときに、1番選択肢と多いのが自宅介護です。
なお、この体験談は2022年12月現在のものです。
1. 介護される父
父は週5日のデイケアに通い、左半身の麻痺の改善に励んでいます。
7年前、突然の脳卒中に見舞われ、緊急搬送。「手術」と「半年間の入院」を経験しました。
屋内外を問わず歩行器を使って移動し、デイケア以外は家でテレビを見ることを息抜きとしています。
食べることがこの上なく好きで、特に和菓子が大好物。
2. 主に介護する母
主に介護しているのは母。
1日の大半は父のサポートをしています。
- 塩分を控えた食事づくり
- 薬の管理
- デイケアの見送り、出迎え
- お風呂の介助
- 物品の補充
- 粗相した際の片付け
- ケアマネージャーやデイケアスタッフとの調整
介護は365日フル稼働。
休みなく毎日が続きます。
父の予定の合間をぬって用事をすませるので、「自由に動けないことへのストレスやイライラ」を感じています。
たまに介護に疲れて、父に強く当たっていることも。
24時間続く介護は緊張の連続。
それが何年も続いているので、母は慢性的な疲労を抱えています。
3. サポートする筆者
私は39歳の次女。
出産と夫の海外赴任が重なり、実家で2人の子育てをしながら母のサポートをしていました。
父は病気になってから筋力が衰え、長距離を歩くことが難しくなり、近間の病院でさえも車での移動が必要です。
免許をもっていない母に代わり、病院へ付き添うのが私の役目。
病院では次のことをサポートしています。
- 受付
- 移動の見守り
- 医者への補足説明
- 会計および予約
- 薬の受け渡し
- 車の乗り降りの見守り
- 歩行器の準備、積み込み
父は病状を説明し、それ以外は私が担当していました。
院内が混んでいるときは、歩行器が他の患者さんの邪魔にならないよう気を配ったり、うたた寝している父が転ばないか見守ります。
病院は混んでいるため半日がかりとなり、帰るころには2人とも疲れ果てて、無言のままに帰ることもありました。
現在では老化による不調に伴い、連れていく場所が増えています。
- 内科
- 外科
- 歯科
- 皮膚科
日常のサポートから病院への付き添いまで、すべてを行うのは大変ですが、分担すると負担が軽減されます。
私がサポートのときは、母は介護から解放され、孫のお世話をして気持ちをリフレッシュしていました。
私も母をサポートできるのはこの上ない喜びです。
4. 補助する姉
姉と弟にも協力してもらうことがあります。
一緒に住む姉は仕事が忙しく、平日の病院への付き添いは主に私が担当していましたが、付き添いが重なると不公平感を感じることも…
協力できる日は仕事を調整してもらい、父と姉が病院に行っている間に母と2人でホッとしていました。
もちろん、協力してくれたお礼を、姉にしっかり伝えるのを忘れずに。
5. 遠方より補助する弟
弟は遠方に住んでいるため日常のサポートは難しいので、父にLINEのメッセージを送ってもらったり、たまに電話をかけてもらい話し相手になってもらいます。
LINEの返信は父の脳トレにもなったり、弟から聞く仕事の話は、仕事好きだった父の刺激になっています。
家族でサポートしあう
30代の子どもたちは仕事や子育てに忙しく、使える時間も限られています。
それぞれにできることを考え、時間をやりくりしたからこそ、家族のつながりが強くなりました。
「家族だからやって当たり前」では角が立ちます。
お互いに感謝を伝えて協力するのが、長丁場の介護を支えるコツではないでしょうか。
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家族以外に頼れる人
1. ケアマネージャー
父がリハビリ病棟から退院するとき、医者からケアマネージャーを探すように言われました。
「ケアマネージャーって何?」
耳慣れない言葉に疑問を持ちつつ、どのように探し決めればよいのか全く分からなかったので、看護師さんに相談。
親身に話を聞いてくれて、家から近いオススメの事業所をこっそり教えてくれました。
最後は家族で話し合い、教えられた事業所のケアマネージャーにお願いすることに。
担当になったケアマネージャーは、父や私たちに寄り添い尊重してくださる方でした。
介護について右も左も分からない私たちに、1から丁寧に説明してくれました。
そのおかげで、福祉用具の購入やレンタル、デイケアを決められて、父が安全に生活できる基盤をつくれました。
父はプライドが高いため、リハビリや日々の生活について家族から指摘されることを嫌がります。
しかし、専門家であるケアマネージャーからの言葉には聞く耳を持ちます。
介護が始まると家族の距離が密になり、ぎくしゃくすることもあるので、家族以外の専門的な意見を伝えてくれる人の存在は大切です。
2. 通所リハビリテーション(デイケア)のスタッフ
退院後に近所のデイケアをいくつか見学し、父の性格とリハビリ内容を考慮して、2カ所に週5日通うことにしました。
1カ月に1度、スタッフが訪問し、父と母にヒアリングを行います。
- 家でしていることは何か?
- これからどんな姿になりたいか?
父はデイケアだけで満足し、家で自主的にリハビリをすることはほとんどありません。
しかし、母はもっと自主的に動いて、できることを増やしてほしいと願っています。
スタッフはデイケアでの父の奮闘や向上した点を母に伝え、父には目標を設定した上で、家で行うリハビリを示してくれます。
家族同士だと感情的になるところを中和してくれ、父も母も尊重してくれるスタッフは、ありがたい存在です。
3. かかりつけ医
病気前は病院と無縁だった父。
退院後は家から1番近い内科を、かかりつけ医に決めました。
すぐそばに信頼できる医者がいるので、不調や不安なことは全て相談でき、場合によっては紹介状を書いてもらって別の病院に行くこともあります
病院に無縁だった母も同じ病院をかかりつけ医とし、体調の相談をしています。
きっかけは父の病気でしたが、病院とつながる安心感や頼もしさを実感できたことは、大きな変化だと思います。
娘としては母にいつまでも健康でいてほしいので嬉しい変化です。
相談できる場所をつくろう
親が病気になり、介護が必要になると、知らないことを1から調べて決めなくてはならず大変ですよね。
先の不安もありますが、家族で協力しつつ外部の人にサポートしてもらい、介護する側も、される側も機嫌よく過ごせる時間をもてるといいですね。
投稿者プロフィール
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父が脳卒中により、介護生活がスタート。
メインの介護者である母をサポートしながら、2人の子育てに奮闘しています!孫育てをリハビリ代わりにして、今日も家族で力を合わせて過ごしてます。
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