思い出のモノの片付けは、納得できる時間と理由、なにより体力が必要です。【46歳、そろそろ実家を片付けてみる】

46歳、そろそろ実家を片付けてみる。

今回は私の実家、さらに父の実家の片付けのお話です。
ある日、父親から電話がありました。
「(私にとっての)おばあちゃんの着物があるんじゃけど、いるもんないか」
祖母が家を片づけていて、着物を処分することになったようでした。
仕付け糸がついた状態の新品のモノもあるとのこと。
父が私のもとに届けてくれました。

着物は約20枚。私は少し驚きました。
夫を早くに亡くした祖母は、女手一つで鮮魚店をしながら、
私の父を含めた3人の子供を育ててきました。
私にとっての祖母のイメージは、割烹着にゴムの黒い長靴。
着物を着ていた姿はほとんど記憶になかったからです。

ご褒美に買ったのかな、これを着てどこに出かけたかったのかなと祖母の人生を想像し、
処分ではなく、何か使い道がないだろうかと考えてみました。
しかし、着物の知識がほとんどない私にはサイズの違いくらいしか分からず、
私が着るとしても習慣がなく、上手に保管できる自信もなく。
鑑定を兼ねて、着物の買い取り専門店に持っていくことにしました。
もちろん、祖母や父に了解をもらって。
インターネットで「買取 着物 地域名」で検索すると、いくつか上がってきました。
店舗に出向かなくても自宅に鑑定士がきてくださったり、
荷物を送って査定してもらう方法もあります。



その場で鑑定結果が出ないとのことで、連絡がきたのは1週間後。
「1160円になります」
……なるほど。
買い取っていただけたのは新品の着物を含めた3枚、帯締め1つ。
洋服の買い取りで経験はしていましたが、
着物はもう少し高く買い取ってくださるのかなと期待していた私。
「やっぱりいいです!」と持ち帰りたくなりましたが、
おそらく誰も着ない、タンスに収めたままになる…と思い、買い取っていただくことに。




後日、母と一緒に受け取りに行きました。
本人確認ができる免許証を提示して手続きを済ませ、帰ろうとしたとき、
持ち込んだ着物を大量に手渡されました。
買い取れない着物は返却だったのです。
事前に公表されているので、きちんとチェックしてくださいね。
業者選びのポイントになります。
父母は買い取りに持ち込んだ際には祖母への申し訳なさがあったようでしたが、
一度はすべて処分した気持ちになっていたのと、
買い取ってもえらなかったという事実から、
「もう、処分するしかないね」と父と母。処分する踏ん切りがついたようでした。
受け取った1160円は、付いてきていた孫たち(私の息子、娘)とのアイスクリーム代に。
「おいしいね~」と晴れ晴れとした表情の母でした。

これから学んだことは、どんなに価値があっても、大切なモノであっても、
もう一度使っていただくには、新しい、旬、使える人が多いモノなど、
市場での需要が優先されることを痛感しました。
そして、なかなか手放せないモノは、
納得できるまで使いみちを検討して、処分する理由を見つけることが大事だということも。
着物をワンピースなどにリメイクして、生まれ変わらせるのも一つの方法ですね。
お店でサービスを提供していたり、手芸で楽しんでいる方もいらっしゃいます。

家族の片付けには、ほとんどのモノに思いが含まれています。
それらの片付けは、冷蔵庫や引き出しを片づけるのとは比較にならないほど、
家族の了解、モノとの対話が必要で、体力も必要になります。
実家の片付けは普段の片付け以上に、片づける人も片づけられる人も、
元気なときに取り組むことをお勧めします。

さて、後日。母から電話がありました。
「中学校のときの実力テストのファイルがあるけど、捨てていい?」
「さっさと捨てて!」と私。
「すごくきれいに綴じてあるんよ。大事なものかと思って」と母。
なぜそんなに丁寧に片づけたのか、まったく記憶にありません。
そんなモノを丁寧にしまっているくらいなら、
日記やら手紙やらもそこに残しているかも…。
実家へ急がなければと思った出来事でした。

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