在宅介護の食事とは? 介護食の作り方のポイントと便利グッズ

介護の豆知識

在宅介護の食事は、意外と介護者の負担となっています。ですが、介護食の作り方は、ポイントをおさえれば難しくはありません。

応用できる食材や、一品をアレンジしたり、さらに便利グッズをつかえば、時間短縮にもなります。

今回は、介護食を作る際のポイントや、介護者の負担を軽くする便利グッズも紹介します。

介護食は「食べる能力」に合わせたものを

高齢になると筋力も弱くなり、誤嚥やかむ力もなくなってきます。

相手の「かむ力」によって、柔らかさを調整してみましょう。

かむ力も、とろみも4段階あります。柔らかくする調理器具も紹介していきます。

かむ力

引用元:日本介護食品協議会

かむ力は大きく分けると4段階あります。

ポイントは「どこで噛むのか?」で、その段階か決まります。

歯でかめるか、歯ぐきでかむのか、舌でつぶすのか、かめないのか。


容易にかめる(歯でかめる)
・歯ぐきでつぶせる(歯ぐきでかめる)
・舌でつぶせる
・かまなくてよい(歯や舌でもつぶせない)

かむ力の能力によって、食事の固さを調整します。
誤嚥を防ぐためにも、固さの見極めはとても大切です。


心配ならとにかく刻む


固形物でも、食べてくれない時には「口腔のトラブル」も可能性の一つです。
とある高齢者の息子様から、こんな相談がありました。

「母が、今までお弁当を完食していたのに、突然残すようになった。」

よくお話を聞くと、入れ歯があわず、食べ物が挟まって痛かったようでした。

入れ歯の調整も行いましたが、食べてもらいやすいよう固い漬物は避けて、全ての品を柔らかく、かつ細かく刻んでみました。

小指の爪くらいの大きさです。

その日から、まったく残さずに食べてくれたそうです。

「刻む」ことは、口腔トラブルだけでなく、飲み込むチカラが不安な時にも有効です。

不安要素があるときは、迷わず細かく刻んでみましょう。誤嚥防止に繋がります。

  【POINT】 心配な時はとにかく刻むようにしましょう

飲み込む力

引用元:日本介護食品協議会

段階2 ソース状
段階3 ケチャップ状
 段階4 マヨネーズ状

日本介護食品協議会が定めているとろみには、4段階あります。

とろみも、誤嚥防止には気を付けるポイントです。

とろみをつけるには、片栗粉や市販のゲル化剤を使います。

写真を参考にしながら、飲み込む力の度合いによって、使い分けてみましょう。

・1 ドレッシング状
・2 とんかつソース状
・3 ケチャップ状
・4 マヨネーズ状

負担を軽くするために

介護者の食事作りには、苦労がつきものです。ですが、手を抜くわけにもいきませんよね。

そんな時には、負担軽減を積極的に行ってください。

終わりの見えない介護、続けていく秘訣は「楽をすること」だと思っています。

これから紹介する介護食作りの便利グッズも有効に使ってください。

便利グッズ 1 市販のゲル化剤でとろみをつける

片栗粉でもとろみは出ますが、ゲル化剤なら、冷たいものにも即投下できます。

水分補給が必要な場面に、液体に抵抗がある高齢者の方には、お茶に少しとろみをつけることもできます。

お家に一つあると大変便利ですね。

つるりんこQuickly
お茶などの液体にとろみをつけるとろみ調整用食品です。時間がたってもとろみは変わりません。温冷両方に使えるため、手間をとりません。無味無臭で、料理の味もそのまま。

便利グッズ 2 介護食向けの調理器具

食事の固さを柔らかくするために、大活躍するのが圧力鍋です。今は火を使わない電力の圧力鍋もあります。

かたい野菜なども柔らかく、しかも短時間で煮込めるので、時短の介護食作りには頼もしい味方になります。

和食を好む高齢者の方に、煮物は鉄板料理ですよね。

食材や出汁、調味料を入れて、あとは煮込むだけ。簡単レシピには欠かせない調理器具の一つ。

筆者も圧力鍋には本当に助かっています。

介護食調理器やわらかさん

一般的な圧力鍋は、火を使い、高圧のかかっている蓋の開け閉めには気をつかいますが、こちらは電力の圧力鍋です。つまみで調理時間が調整できます。レシピ本付き。とにかく時間がない、簡単にしたいときには圧力鍋の出番です。

便利グッズ 3 時短レシピ本

毎日作るお料理は、どうしても面倒になりがちですよね。介護食作りの場合、材料を細かくしてそのまま煮込んだり、刻んだりと、ひと手間かけることも少なくありません。

そんな時に、筆者の役に立ったのが「時短レシピ本」でした。一日3食を毎回、切ったり煮込むのはさすがに面倒でした。

一般的なレシピ本ならたくさんあります。私も持っていますが、なかなか時短とまではいきませんでした。

「電子レンジをつかった時短レシピないかなぁ」
「一品で、数品作れると楽なんだよなぁ」

そんなお悩みの方に、こちらの2冊をおすすめします!

シニアの作り置きらくらくごはん

1品で3品作れる、シニア向けレシピ。食材の無駄を減らし、簡単おいしいレシピは女子栄養大学栄養クリニック監修。健康面にも配慮したものばかりです。簡単なアレンジだけで作れる82品をご紹介しています。一度に数日分作り置きする方にはおすすめです。

電子レンジでつくるシニアのらくらく1人分ごはん

炒め物から揚げ物までレンジだけで作れる簡単レシピ集。3ステップで作れるだけでなく、大きな文字と大きな写真でとても見やすくなっています。忙しくて時間をかけられない方には電子レンジレシピは本当に助かります。高齢者の一人暮らしだけでなく、忙しい介護者のかたにも簡単に作れます。

舌でつぶせる介護食 役立つ食材

介護食の固さの中に「舌でつぶせる」ものがありますが、レシピで悩む方も多いと思います。

あくまで一例ですが、筆者が良く使う食材に「お豆腐」「鮭缶・鮭フレーク」があります。

高齢者が食べてくれない原因は様々な要因が考えられます。食文化の違いや、口腔ケアの問題、特に入れ歯だと食べたくても食べられないケースも少なくありません。

豆腐を使ったアレンジレシピは、そのままだと固い料理も、随分と柔らかくなります。大豆を使っているため栄養面もいいですし、低価格です。

鮭缶・鮭フレークはそのままでも使えますが、つぶして混ぜてクラムチャウダー風にもできます。

下でつぶせる介護食おすすめ

お豆腐をつかった「舌でつぶせる介護食」のおすすめは、「ハンバーグ」と「お好み焼き」です。

意外に思われるかもしれませんが、お豆腐を多めに入れると、ふわっとして、舌でつぶせるくらいの柔らかさにもなります。

ハンバーグのタネは、冷凍しておけば、タレを変えたり、野菜と煮込んだり、ほかの料理にアレンジして使えます。

一品で数品できるアレンジは、介護者の味方です。ただし、こぶしの半分くらいの大きさで焼きましょう。

柔らかいので、大きいとひっくり返せません。

【POIN】かなり柔らかいので、こぶしの半分程の大きさで焼きましょう。

まとめ

介護食の作り方のポイントは「食べる能力」に合わせること。

噛む力、飲み込む力、そして刻むこと。

食材も、介護食に応用の効くものや作り方で、アレンジもできます。

それぞれの能力に合った段階のものを、作る。そして介護食を作る人の負担軽減の為にも便利グッズは積極的に使いましょう!

また、私たちキャプスには介護の有識者や、看護師の有資格者など「介護の専門家」が多数在籍しています。

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「我が家の介護食レシピ」なんて大歓迎です!

辛い思いをしているかもしれない、そんな貴方のために作りました。遠慮せずに是非、利用してみてくださいね。

つぶやきたい画面

投稿者プロフィール

音野 響
音野 響
元銀行員。40代副業ライター。
得意分野は介護と金融
時々犬(愛犬家・証券外務員2種保有)

脳卒中による半身麻痺、
大腸がんなど病気のオンパレードで
認知症状も増えてきた父親の介護を
10年以上やっています。

モットーは「毎日明るく」マンガと小説好き。
介護ストレスと上手に付き合っています。

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