在宅介護でのお風呂が大変!知っておきたい入浴を助ける介護保険サービス

親の介護
  • 在宅介護をしているけれどお風呂の介助が負担になってきた
  • 浴槽がまたげなくなってきた
  • お風呂で転倒してしまった

このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

お風呂といえば身体をスッキリ清潔に保つだけでなく、心身ともにリラックスできる効果があり、楽しみにされている方も多いでしょう。

しかし、在宅介護においてのお風呂介助は家族にとって大きな負担となることがあります。

入浴介助は体調に気を配る必要があり、転倒などのリスクも伴うため家族だけで行うには難しい介護です。

この記事では、在宅介護で知っておきたい入浴を助ける介護保険サービスをご紹介します。

自分でお風呂に入れる方におすすめ介護保険サービス

家庭用の浴室の洗い場にオレンジ色のシャワーチェアーが置いている写真

浴室は、在宅生活を送る高齢者の事故で最も多い場所と言われています。

自力でお風呂に入れる方には、できる限り高齢者が自立した生活を継続できるように浴室環境を整えましょう

入浴しやすい環境にリフォーム「住宅改修」

介護保険では、高齢者が生活しやすいように自宅をリフォームした場合、住宅改修費支給制度が利用できます。

介護保険の対象になる浴室のリフォームの一例は以下の通りです。

  • 手すりの設置
  • 段差の解消(敷居の撤去・スロープの設置・床のかさ上げなど)
  • 床の取り替え
  • 扉の取り替え(開き戸を引き戸等への変更・ドアノブの変更など)

住宅改修の対象となるのは、要支援・要介護の認定を受けている方です。1人につき20万円まで支給可能ですが、要介護が3段階以上あがった場合や転居した場合は、リセットされ再度支給されます。

住宅改修を希望する場合は事前申請が必要です。改修工事をする前に担当のケアマネジャーに相談して「住宅改修が必要な理由書」を作成してもらわなければいけません。住宅が自分の所有でない場合は、所有者の承諾を得る必要もあります。

支給の対象とならない工事もあるため、必ずケアマネージャーに相談し内容や価格をよく確認しながら契約しましょう。

入浴の助けになる「福祉用具購入」「福祉用具貸与」

入浴の助けになる福祉用具を利用するために「福祉用具購入」と「福祉用具貸与」の介護保険サービスがあり、要支援・要介護の認定を受けている方が利用できます。

介護保険では福祉用具をレンタルできるサービスがありますが、他人が使用したものを再利用しにくいものや、使用により劣化してしまうものには福祉用具購入費が支給されます。

福祉用具購入対象の福祉用具

  • シャワーチェア
  • シャワーキャリー
  • 浴槽台
  • バスボード
  • すのこ
  • 入浴介助用ベルト
  • 浴槽手すり
  • 簡易浴槽

福祉用具貸与対象の福祉用具

  • バスリフト

福祉用具の購入は年間10万円までです。購入費のうち、利用者の負担割合により1割〜3割の費用負担で購入できます。

福祉用具の利用は、介助する側とされる側の双方にとって楽に入浴できる環境を整えるのに役立ちます。

お風呂で一部介助が必要な方におすすめ介護保険サービス

女性が浴室の洗い場にオレンジ色のシャワーチェアをセットしている写真

1人でお風呂に入るのが不安になってきた方には、家族が手助けして入浴されている方もいるでしょう。

しかし、入浴介助は家族にとって負担が大きいため、介護保険サービスで入浴介助を依頼するのがおすすめです。

ヘルパーが入浴介助する「訪問介護」

自宅での浴槽を使って一部介助で入浴できる場合、訪問介護サービスが利用できます。ヘルパーが利用者宅へ訪問し、自宅の浴槽を使って入浴介助をおこないます。

ヘルパーも浴室に入って入浴介助をするため、浴室に2人入れるスペースが確保できなければいけません。

また、訪問したヘルパーが1名で対応するため一部介助で立ち座りができ、浴槽をまたげなければ利用は難しいでしょう。

訪問介護での入浴介助は比較的介護度が低い利用者に向いているサービスといえます。

自宅のお風呂入れない方におすすめ介護保険サービス

介護施設の大きな浴室の奥に寝たきりの方が入浴できる機械浴があります

自宅の浴室を使ってのお風呂が難しくなってきた方には、施設に通って入浴する「デイサービス」や、自宅に専用の浴槽を持ち込んで入浴サービスをする「訪問入浴介護」があります。

施設の入浴設備が使える「デイサービス」

自宅の浴室では入浴が難しくなってきた方には、デイサービスで入浴する方法がおすすめです。

デイサービスでは、日帰りで食事・入浴・排泄・レクリエーションなどの介護保険サービスが受けられます。

高齢者の方が入浴しやすい設備が整っており、介護スタッフから安全に入浴介助が受けられます。「リフト浴」「ストレッチャー浴」などの特別仕様の浴槽が備わっている施設もあるので、身体の状況に合った浴槽があるデイサービスを選ぶことが大切です。

デイサービスでは、お風呂の提供だけではなく食事やレクリエーションなどのサービスも受けられるため、介護者の負担軽減にも役立ちます。他の利用者との交流は引きこもり防止認知症予防身体機能の維持の効果も期待できます。在宅介護をしている高齢者やその家族にとっても、利用価値のある介護サービスです。

長時間の利用が難しい方には、午前だけ、午後だけといった半日で利用できる「半日型デイサービス」もあります。また、他者との交流が苦手な方には入浴の利用に特化した「入浴特化型デイサービス」も増えています。

その方のニーズに合ったデイサービスを選択しましょう。

浴槽を持ち込む「訪問入浴介護」

訪問入浴介護は、原則要介護1〜5の方が利用できる介護サービスです。要支援1・2の方は自宅に浴室がないなどの事情がある方が利用ができます。

訪問介護の入浴介助がヘルパー1名で行うのに対し、訪問入浴介護は看護スタッフ1名と介護スタッフ2名の計3名で行います。

看護スタッフのサポートが受けられるので、入浴前後の健康チェックや入浴中の体調の変化が不安な方にはおすすめです。

また、スタッフが計3名で訪問するので寝たきりなど要介護度が高い方も安心して入浴できます

自宅で入浴するのが難しい方で、デイサービスなどの施設で入浴するのに抵抗がある方も検討してみてください。

お風呂が難しくなっても在宅介護は可能!

浴槽の横でエプロンと手袋を着用した女性がガッツポーズをしている写真

この記事では、在宅介護で自宅でのお風呂が心配になってきた方の介護保険サービスをご紹介しました。在宅介護サービスには、その方の状態に応じてさまざまな入浴に関するサービスがあります。

まずは、担当のケアマネジャーに相談してみてください。

在宅介護を無理なく続けるために介護保険サービスを活用して快適に入浴をしましょう。

洗髪槽

寝たきりの状態ではお風呂に移動するのが困難な場合もありますが、こういった洗髪槽を利用すると、ベッドの上でも洗髪をすることができます。
お湯を抜くホースがついているので、ホースの先にバケツなどを用意しておき、洗い流しまでスムーズに行うことができます。
いろいろな種類があるのでぜひチェックしてみてください。
※こちらは介護保険適用外です。

投稿者プロフィール

tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。

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