親がデイサービスに通うのを嫌がる理由と解決法

介護の悩み

要介護の親がデイサービスに通うのを嫌がる事があります。
とは言えどうしてもデイサービスに行ってもらわなければ、自分の生活や用事もできなくなる場合がありますし、本人の心身のリフレッシュにもなるので行ってほしいということもありますよね。
ここではデイサービスに通うのを嫌がる理由と解決法を考えていきます。

デイサービスに通うのを嫌がる人の気持ち

まずはデイサービスに通うのを嫌がる親の気持ちを考えてみましょう。子供でも幼稚園や小学校に通うのを嫌がることがあります。
また、ご自身でも同様に「行くのが嫌だ」といった気持ちになったこともあるかと思います。まずは一度ご自身の事を振り返ってみましょう。

  • 学校に行きたくないな。
  • 仕事に行きたくないな。
  • 飲み会に行きたくないな。
  • お客様のところに行きたくないな。

誰もがこのような経験があると思います。

デイサービスに通うのを嫌がる理由

次に、実際に行くのが嫌だったところには、なぜ行きたくなかったのか考えてみてください。

  • 勉強が面白くない。楽しいと感じられることが無い。
  • 学校でいじめられる。
  • 嫌いまたは苦手な人(上司・先輩)がいる。
  • 体調がよくない。
  • もっとやりたいことがある。
  • 仕事がうまくいっていない。

等でしょうか?
どんな時でも原因がはっきりしてさえいれば、後になって考えると「どうすれば行きたくなるか」、少なくとも「行くのが嫌ではなくなるか」が見えてくるのではないでしょうか?
一度自分の昔を振り返って紙に細かく書き出してみると、より一層その時の問題解決の糸口が見えてくるかもしれません。

デイサービスに通うのを嫌がる理由を聞く

これまでデイサービスに行ったことがなく、新たに行くのが嫌な場合と、これまで通っていたデイサービスにある日突然行くのを嫌がるようになった場合では、明らかに理由が異なります。
しかしながら、どちらの場合も、しっかりと行きたくない理由を聞いてあげることが非常に重要となります。

多くの場合は、

  • 慣れない場所に行くのが嫌。
  • 自分にはまだ必要ないと思っている。
  • 知らない人たちに会うのが嫌。
  • 家から出るのが嫌。
  • デイサービスで行うプログラムが面白くない。
  • デイサービスのスタッフさんや利用者との相性が合わない。

等、環境の変化や人間関係が主になるのではないでしょうか。
環境の変化が原因の場合、しばらくはご家族の方と一緒に通う必要があるかもしれません。人間関係やデイサービスに理由がある場合、別のデイサービスを検討する必要があるかもしれません。

どうしても嫌がる理由を聞き出せない場合は、逆にその人がどのようなことに興味を惹かれるのか、好きなことは何なのかをこれまでの生活から思い出してみましょう。
会話をしたり、過去の事を思い出したり、できればそれらを書き出してみたりすることで、その人に合ったデイサービスを具体的に探すことができるようになります。デイサービスには、それぞれの趣味をしながら過ごせるところ、体を動かしてリハビリをしっかりやってくれるところ、大きなお風呂でくつろげるところ、個室があってのんびり過ごせるところ、自然に触れられるところ等、必ず何らかの特徴を持っています。その人に合ったデイサービスを見つけることができれば通いたくなってもらえるのではないでしょうか。

通っているデイサービスの特徴を知ろう

前述のとおり、慣れない、面白くないなどいろいろな理由が考えられますが、よく聞かれる理由のひとつに「子ども扱いされる」ということもあります。

デイサービスによっては、ボール遊びやゲームなど、一見子供が遊ぶようなプログラムが多いこともあります。
また、スタッフが「~しようね」「~はダメだよ」など、子供に話すような口調で話すようなところもあります。
もちろん、手先や運動能力のトレーニングのためであったり、親しみを込めてということがほとんどの場合ですが、こうした子ども扱いされる口調やプログラムが嫌だと思う人も多いようです。

高齢となり、いろいろと身体的・認知的にできないことが増えるとはいえ、いろいろな人生を生きてきた年長者ですので、敬意をもって接してほしいと思うのは当然でしょう。

しかし、デイサービスによってはスタッフが敬語を徹底していたり、プログラムにも様々な工夫を凝らしたところが多くあります。

将棋が好きな方には、将棋ができるデイサービスを探すなど、いろいろなデイサービスの特徴を知るということもひとつです。

まとめ

デイサービスに通うのを嫌がる親には、自分にも休息の時間が必要なこと、用事があることも伝えます。また、もし家に一人で置いていって何かあると悲しいからといった感情も交えながら話すと理解してもらえる可能性も高まるでしょう。誰でも納得のいく理由が無ければ行動に移すことはできません。特に歳をとると新しいことというのは拒絶しがちです。

お互いの事を思いやる形で建設的なコミュニケーションの中から自らデイサービスに通ってくれるようになるかもしれません。また、今後嫌がる可能性がある原因を早めに知っておくために、デイサービスから戻ってきたらその感想もしっかりと聞いてあげるようにするといいですね。

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投稿者プロフィール

Mav
Mav
広島県在住。Webライター。海外で13年間生活し帰国。日本ではIT関係の仕事でコンサルティング等で企業のサポートを行なっている。

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