血圧が高くなったときの応急処置は?症状や高血圧の対処法を解説

病気・ケガ

血圧が高くなった時の応急処置を知っていますか?実は、副交感神経を優位にさせるための対処法が有効ですが、自覚症状がある場合と、ない場合で対応は異なります。事前に高血圧の症状や応急処置を知っておけば、悪化する前に対処できます。

今回は、血圧が高くなったときの応急処置について、症状や対処法について体験談も踏まえて解説いたします。血圧が高い時には何をすればよいのか?的確な処置を知っていれば、冷静に対処できます。

高血圧の主な症状

女医と血圧を測る女性


普段、血圧が多少上下することにより自覚症状が現れるということはほぼありません。

しかし、かなり高い血圧の時は、高血圧が引き起こす身体の不調や合併症が主な原因で身体のどこかに急激な異変が起き、自覚症状として現れることがあります。

よく現れる自覚症状は以下のとおりですが、こうした症状が現れた場合は、速やかに病院での診察が必要です。

血圧が高くなった時の主な症状
【要注意】痙攣、頭痛、吐き気、嘔吐、意識障害、
その他に、肩や首が凝る、めまい、息切れ、動悸、耳鳴り、視力低下、手足のしびれ、顔面の腫れなど


筆者の父も普段から血圧が高めで定期的に血圧測定をしていました。
ある日、急に気分が悪くなり、嘔吐を繰り返しました。血圧を測ってみるとかなりの高い数値だったため、急いで病院へ連れて行くと、腸閉塞を起こしているとのこと。すぐに大きな病院へ移ることになりました。

このように、身体の不調が起きても、それが何が原因で起こっているのかは判断が難しいことがあります。

普段から高血圧が気になる方は、身体の不調を感じたらまずは血圧を測ってみましょう。自覚症状に加えて血圧が高い場合は高血圧が引き起こす病気が隠れている可能性もあります。

安静にしていても血圧が下がらない、激しい頭痛や嘔吐するなど、明らかに急を要する場合は、救急車を呼びましょう。

自覚症状がない時
自覚症状もなく、なんとなく血圧が高めのときは、一過性の場合もあります。
隠れ疾患の予備軍の可能性も考えられます。
では、自覚症状がなく血圧が高くなった時はどうしたらいいのでしょうか?

血圧が高くなった時の応急処置

救急車のミニチュアとハートマーク

血圧は変動するので、長時間高い状態が続かず、血圧が下がってくるのなら緊急性は低いでしょう。
一過性のものならば、血圧を下げるために「副交感神経」を優位にさせることが先決です。
あせらずに下記のことを試してみてください。

ゆっくり深呼吸

手を広げ深呼吸する女性

一番簡単な対処法として、「深呼吸」があります。出来るだけ、ゆっくり、深呼吸しましょう。

コツは、鼻から吸って、口から吐くことです。

肺は、空気がたくさん入り膨らむと、副交感神経が優位になって、血圧が下がり易くなります。横になる場所がない時などは、まずは深呼吸してみましょう。

① 5秒かけて、ゆっくり鼻から息を吸う
② 10秒かけて、ゆっくり口から吐く

横になる

ベットに横になる女性

血圧が高い時によく言われているのは「静かな場所で横になる」ことですが、その際も、明るすぎない、落ち着いた場所が望ましい条件です。

照明が明るすぎてしまうと、リラックスできる副交感神経より、交感神経が優位に立ってしまいます。自律神経のバランスを考えれば、リラックス出来るくらいの明かりが理想です。

少し、照明を落とした部屋で、横になって安静にしましょう。

薬の服用

青空とお薬袋と花

医師から血圧の薬を処方されているなら、主治医と相談のうえ常に薬を携帯し、必要な時はきちんと服用するようにしましょう。

これぐらいなら大丈夫だろうと思っていても、自覚症状がないままに血圧が上がり、脳内出血など重篤な症状が起こるケースもあります。薬を処方されている場合は医師の指示に従い、適切に服用しましょう。

父も過去に、高血圧が原因で脳内出血で倒れたことがあります。一命をとりとめましたが、退院後は毎日血圧の管理を行い、外出時は薬を持ち歩いています。

血圧を記録し、異常値が出れば服薬を、続くようであればすぐに主治医に相談するということを心がけ、再発を防いでいます。

血圧が高くなったときに避けるべき事

ミニチュアの椅子とNGの小さなブロック

血圧が高くなった時は、まず、パニックに陥ってはいけません。

高血圧=病気と思い込んでしまい、すぐに病院へ行こうとしたり、誰かを呼ぶために動き回ろうとします。これは、一番やってはいけません。急な動きは血圧を上げてしまいます。

急激に体を動かしたり、急いで移動することも避けるべきです。自覚症状がない場合も、静かに落ち着いて深呼吸して、先にご紹介した対処法を試してください。

また、アルコールやタバコ、カフェインなどの刺激物を摂取することも控えるようにしましょう。

・パニックにならない
・すぐに動かない、動き回らない
・タバコ、カフェイン、アルコールなどの刺激物は控える

 余程のことがなければ、数分で落ち着いてくるはずです。数値が下がらない場合は、すぐに病院を受診しましょう。

ただし、数値が下がるまで、不安に駆られて長時間血圧を測り続けてしまうと、興奮してしまい逆効果です。測りすぎにも注意しましょう。

 

すぐに血圧を下げる方法はあるのか?

老夫婦のニミチュアとはてなマーク

すぐに血圧を下げる方法は、素人判断では危険を伴います。よく、〇〇の部分をもむ、足を上げるなど様々な方法が言われていますが、身体に負担がかかってしまう上、素人判断では、血圧が急上昇した時は好ましくありません。

すぐに下げる方法は、医師などの専門家からの投薬や、治療だけにしましょう。

血圧が上がった時、足を上げるのは有効?
これはよく聞きますが、足を上げるのは血圧が低い時の対処法です。血の巡りが弱い低血圧の状態を、足を高くすることで、心臓への血液の巡りを促すものです。

大量に水分を取るのは?
普段から、高血圧を予防するための水分摂取は、ナトリウム(塩分)を排出するため推奨されており、普段の高血圧予防には適しています。ですが、血圧が急上昇しているときの、大量の水分摂取は心臓のポンプ機能を活発化するため、血圧を上げてしまいます。

参照:MSDマニュアル 家庭版

高血圧の対処法

ミニチュアの男性と女性と吹き出しの予防と対策

高血圧を予防するには、高血圧にならない為の身体を作らなければいけません。

その為には、毎日の生活習慣を変えていきましょう。

・適度な運動
30分以上の有酸素運動が有効です。有酸素運動とは、心拍数を上げ、体を動かして酸素を取り入れる運動のことです。筋肉を使って血管を拡張させ、血圧を下げる効果があります。例えば、ウォーキングや散歩、ジョギング、サイクリング、水泳などが挙げられます。

・食事の管理(塩分を控える)
毎日の食生活を変えてみましょう。調味料は減塩にする、だしの旨味を利用して塩を少なめにするなど、ちょっとしたことでも減塩になります。例えば、塩胡椒や醤油、味噌などの使用量を減らして、代わりにハーブやスパイスを使った味付けの工夫ができます。

・睡眠時間
寝不足も、血圧を上げる要因の一つです。睡眠不足の状態は交感神経を活発化させてしまい、血圧が上がりやすくなってしまいます。身体が十分な休息をとることで、血圧を下げることができます。適切な睡眠時間を確保しましょう。

・ストレス解消
ストレスは長期間続くと、血圧を上げることがあります。好きなことや気分転転換をし、ストレスを解消することで、自律神経を整え血圧を下げましょう。

家庭血圧の記録を習慣に!

血圧の数値がかかれたノート

日々血圧の記録をノートに残しておくことで、いざというときに自分の健康状態を他者に伝えやすくなります。

測定は朝と晩の一日2回。出来れば、睡眠時間や、食事、体重などもつけたほうが「どんな時に上がりやすいのか」「睡眠不足が続いている」など、客観的に把握することで、ご自身の健康管理に役立ちます。

血圧を毎日記録する、食事や体重を記録するなどして、身体の変化を見える化すると、非常に管理もしやすくなります

特に血圧は、グラフにしたり、標準値を比較できるノートがあれば、その変化が一目瞭然。治療に役立てることもできます。ノートの活用方法については、下記の記事も是非ご覧ください。

ノート5冊は並ぶ

健康管理手帳 りずむのおと

毎日の血圧や体重をグラフに記入、反対面には血圧などの健康指数が一覧表になっているので、どの項目が不調なのか?ひと目でわかります。

1冊で約半年分の健康状態・食事や排便・体や心の調子を記録、簡単な日記帳としてもご利用いただけます。血圧やその他の体の変化に気づくことで、病気などの兆候にも早めに対処できます。

要注意!家庭血圧値の目安

家庭で測定した場合は、収縮期血圧が135mmHg以上、拡張期血圧が85mmHg以上を目安にしましょう。

一般的に、収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されますが、リラックスしているご家庭での測定値で、下記の数値が続くなら注意が必要です。

高血圧は、症状が現れにくいため、無症状のまま長期間放置されることがあります。ご家庭での数値と、血圧の急な上昇におこる症状には注意しておきましょう。

測定場所収縮期血圧(最高血圧)拡張期血圧(最低血圧)
診察室140mmHg以上90mmHg以上
自宅135mmHg以上85mmHg以上
参照:日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019

隠れた高血圧にも注意

血圧マークと老夫婦

血圧を測定する場所でも、数値の変動はあります。特に、病院などは多少の緊張状態もあり、血圧も上昇しがちです。

しかし、家庭での測定の際に続く数値の上昇には、隠れた高血圧の可能性もあり、「仮面高血圧」とも言われています。これには注意が必要です。

筆者の父がそうでした。脳内出血で倒れる数日前、自宅での血圧が高いままでした。ですが、普段通り生活していたため、すぐに病院には行かないまま、自宅で突然倒れたのです。「血圧が高い時に対処していればよかった」と後悔しました。

高血圧は、症状が現れにくいため、無症状のまま長期間放置されることがあります。しかし、高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの生命にかかわる病気を引き起こすリスクを高めるため、早期発見・治療が重要です。

病気の予防のためにも、血圧ノートの記録をおすすめいたします。

まとめ

青空と手の平の上の親子のハート

高血圧は、自覚症状が出ていれば、すぐに病院を受診しましょう。血圧が高い=病気と思いがちですが、身体の異変もしくは疾患からくる変化で、血圧が上昇している可能性もあります。

特に自覚症状もなく、血圧が高い時には、深呼吸や、明かりを落とした室内で横になりましょう。パニックにならず安静にすることで、過敏になった自律神経も落ち着いてきます。冷静に、安静にしましょう。

また、普段からの高血圧の予防のためには、生活習慣を整える必要があります。

・適度な運動
・塩分控えめの食事
・十分な睡眠
・ストレス解消


さらに、血圧ノートを記録することで、血圧の変化を見える化し体調を管理、治療に役立てることもできます。
毎日の生活の習慣のひとつとして、是非、血圧ノートを付けてみてください。

「血圧は、心配しすぎがちょうどいい」
 これは、倒れた父の介護を20年している母の言葉です。

投稿者プロフィール

音野 響
音野 響
元銀行員。40代副業ライター。
得意分野は介護と金融
時々犬(愛犬家・証券外務員2種保有)

脳卒中による半身麻痺、
大腸がんなど病気のオンパレードで
認知症状も増えてきた父親の介護を
10年以上やっています。

モットーは「毎日明るく」マンガと小説好き。
介護ストレスと上手に付き合っています。

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