親の介護で悩む20代 退職しないために知っておきたい5つのこと

介護の悩み

介護はまだまだ先だと思っていたのに、20代で親の介護をすることに…。

少数派に感じるかもしれませんが、20代で親の介護を担っている人も、実は意外と多くいます。

新卒で就職したばかり。
仕事にやっと慣れてきた。
友人や恋人と充実した毎日を送っていた矢先に…。

このコラムでは、親の介護の実情と20代で知っておきたい介護の豆知識をご紹介します。

「知ること」が不安を軽くするコツでもあります。ぜひ介護について知って、心を軽く今の生活を充実させていきましょう。

親の介護で退職?介護は仕事と両立できないの?

「親の介護がはじまったら、つきっきりでお世話をしなければならないのでは…….」
「介護しながら仕事はつづけられるのだろうか……」

20代で突然親の介護がスタートすると、仕事や自分の生活に対する不安もやってきます。

「介護離職」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
実際に、親の介護がはじまって仕事を続けられなくなってしまった方もいます。

しかし、在宅介護が一般的になった昨今、さまざまな介護サービスを利用することで介護離職をせずに生活をしていくことは可能です。

介護を続けていくためにも、自身の生活を続けていくにもお金は必ず必要になります。一度、介護が理由で仕事を辞めてしまった場合、再就職がとても大変になりますし、仕事をしていない機関の経済的な不安が大きくのしかかります

仕事を辞めて親の介護に専念するよりも、できる限り介護サービスに頼り、仕事は続けていくことをおすすめします。お金がなくなると介護サービスも使えなくなります。介護だけでなく生活の不安も大きくなります。

また、親の介護だけに集中していると、精神的な負担も大きくなります。日中は仕事に出られるほうが心のバランスが保たれるという面もありますので、介護と仕事をどう両立するか、その方法を考えることが大切です。

参考:公益社団法人 認知症の人と家族の会

介護で退職をしないために知っておきたい5つのこと

親の介護が原因で退職をしないためには社会の力を最大限借りましょう。
また、介護のお金などについても知っておくと早めに将来の準備をしていくことができます。
ここでは20代で知っておきたい5つのことをご紹介しますので、会社の制度や社会の支援制度など、以下でチェックしてみてください。

1. 会社には介護休業制度がある

会社には介護休業制度があります。

介護休業制度とは、介護をする方が仕事と介護の両立をするために一定の期間休業できる制度です

休業可能期間要介護者1人につき93日間まで (3回まで分割可能)
給付金額休業前の給与の67%

介護休業制度は、国で認められていることであり、各会社に設置することが義務となっています。

会社に申請すれば取得が可能であることがほとんどですが、中には人手不足などを理由になかなか取得をさせてくれない会社もあるようですが、今勤めている会社にはどのような制度があるのか、取得している先輩はいるのかなどをぜひチェックしてみてください。

2. 介護保険制度で1~3割負担のみで介護サービスを利用できる

親が介護が必要になったときには「介護保険制度」によって介護サービスを安く利用できます

例えば、デイサービスは介護保険の対象となる介護サービスです。
デイサービスに行くと日中に施設に通って食事やお風呂、機能訓練などの支援を受けられます。
自宅までの送り迎えもお任せできるので、介護する側の負担も軽くすることができるのです。
また、本来は1日5,000円以上かかってしまいますが、介護保険制度を利用すれば500円程度で済みます。

その他、よく知られている訪問介護サービス(ヘルパー)や、施設に入居してサービスを受けられるものもあります。

こうしたサービスを利用することで仕事との両立をしている人はたくさんいるのです。

3. 介護のお金は親の貯金や年金でまかなうのが基本

介護費用は一般的に親の貯金や年金で賄うのが基本です。
しかし、親の経済状態などからそれが難しいということもあるでしょう。

自分が働いてその給料から親の介護費や生活費をも捻出するというのは本当に大変なことです。
介護サービスを利用する際には、介護保険制度で7~9割は費用が免除されますが、親が生活保護である場合は生活保護費で賄ったり、そのほかにも様々な支援制度があります。

経済的にも同居をしたほうがいいのか、しないほうがいいのか考える必要があります。例えば親に収入がない場合、生活保護を受けたいと思っても、同居する家族に収入がある場合は受けられないということもあります。そうした面でもお金のことは慎重に検討しましょう。

しかし、親とお金の話をするのは難しい場合もあります。親子では難しい場合、ケアマネージャーなど第三者に入ってもらうことでスムーズにいくことがあります。
すべてをひとりで抱え込まず、人に頼ることが大切です。

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4. 子が介護をしなければならないという法律はない

介護は子がするものだ。
昔はそのような価値観が一般的でしたが、今でも根強く残っています。
しかし、実際には子が親の介護をしなければならないという法律はありません。

法律で定められた親に対する子の義務は経済的な扶養義務です。

ですが、義務と聞くと自分の生活を犠牲にしてまで支援しないといけない感じがしますね。
よりわかりやすく訳すと「扶養する人の収入や生活に余力がある範囲で、生活に困窮する家族を扶養する義務がある」となります。

自分の生活に余裕がない中で無理して親を支援する義務はないのです。

もし、子が親を経済的に支援できない場合は、生活保護などの支援を利用することも検討されます。

自分ではどうしたらよいかわからない・・・。

そのようなときには、役所の福祉窓口や地域包括支援センターなどに相談に行くと、利用できる制度などを提案してもらえます。

一人で介護を担わなくてよいのです。

各地域にはさまざまな介護支援があることをぜひ覚えておきましょう。

5. 介護を支援してくれるサービスはたくさんある

親の介護がはじまると、家事や外出などもままならなくなってしまうことがあります。

また、遠方に住んでいるとなかなか日ごろの介助ができません。

そういった時には、介護保険制度で利用できる介護サービスはもちろん、民間企業が提供している開示代行サービスや外出支援、見守り支援サービスを利用するするのも一つの方法です。

多少お金はかかりますが、仕事を辞めて収入が途絶えてしまうよりは働くことに集中して支援サービスを利用する方がよい場合もあります

「育ててくれた親を人に任せるのは罪悪感がある」そう思ってしまう方もいることでしょう。

一方で、親は「子には幸せになってほしい」「迷惑をかけたくない」と思っていることも多いものです。

このような親子の思いを守るためにも、支援を受けること、人に助けを求めることも大切です。

心配しすぎず今を楽しもう

将来、親の介護をすることになったら仕事や自分の生活はどうなるのだろう・・・。
20代から親の介護について不安に感じている方は多くいらっしゃいます。

将来、介護で離職にならないのが理想ですが、状況によっては続けられない場合もあるかもしれません。

しかし、そのような状況を避けるためにできることはたくさんあります。

・介護の情報を収集しておく
・介護する人の支援制度について調べておく
・将来の予備金を貯めておく
・仕事で武器になる資格を取っておく など

将来を見据えて今できることに取り組んでいると、それはきっと自分の経験や力にもなるはずです。

心配しすぎず今できる準備をしながら、今ある生活や仕事を充実させていきましょう!

投稿者プロフィール

マナ中村

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