離れて暮らす親が病気になったらどうする?働きながらできる支援の方法

介護の豆知識

離れて暮らす親が病気になったとき、働きながら親のサポートをすることはできるのでしょうか。介護の経験があるライターさんに匿名にすることを条件に詳細な経験談を教えていただきました。親が元気なうちに将来病気になってしまった場合のサポートの方法を考えておくことで不安が軽減します。

離れて暮らす親が病気になった

現在実家から離れた場所で一人暮らしをしており、高齢になった母の状態を近くで見ることができないことに普段から不安を感じていました。
時間が空いた時にはこまめに電話で連絡をとっていましたが、以前畑仕事をしていた母が怪我をして入院しなくてはいけなくなり、連絡を受け片道3時間以上をかけて母が入院した病院に向かった経験があります。
このときの怪我をきっかけに、高齢で一人暮らしの母に何かあったとき、どうしたらいいのかを考えるようになりました。自分の生活もありフルタイムの仕事を頻繁に休むことも難しいですし、実家近くに転職をするのも年齢的な部分で難しいと感じていたので、母が元気で一人暮らしができている今から、将来介護が必要になった場合のサポートの方法を考え直すことにしました。

働きながらできる支援の方法

最初に行ったのが、お盆や年末年始だけではなく、こまめに実家に帰省する回数を増やすようにして、母親とコミュニケーションを深めるようにしました。電話だけでは親の状態を完全に把握することは難しいため、こまめに帰省して健康状態を見ることで、普段の生活で困っていることや体の不調など色々細かく聞くことができました。
また、帰省した際には、1人でも安心して生活ができるように食事のサポートをしてもらえるサービスの紹介や、スマートフォンの操作を教え、テレビ電話でお互いに連絡がとれるように練習を行いました。

次に将来の介護を見据えて、母の現在の経済状態や保険の確認をしました。実際に病気になってしまってから、母の預貯金や年金額などを調べるということは難しくなりますし、認知症になってしまった場合は子供であってもお金を引き落とせなくなってしまうということは知っていました。保険についても何かあったときにスムーズに対応するためにも知っておく必要があると思いました。
母との関係は良く、いろいろと話をできる関係性ではありましたが、どのような保険に入っていて、預貯金がいくあるかなどはこれまで話をしたことがなかったのです。
お金の話をするのはためらいもありましたが、母の将来が心配なこと、離れて暮らすからこそ、元気なうちにきちんと介護費用の部分を把握しておきたいということを正直に伝えたところ、母も詳しく教えてくれました。

そして実家に帰った時には必ず生活で欠かせない電気やガス器具の安全性の確認と、老朽化している部分のチェックを行いました。実家の設備は全体的に老朽化している部分も多かったので、私が滞在している間に取り替え作業などを行うことで、親が1人でも安全に暮らせる環境を整えるサポートをしました。

また実際に母に介護が必要となった場合、自分が常に傍でサポートすることは難しいので、介護保険の申請方法や、地域包括支援センターの連絡先を調べておき、何かあればすぐに介護保険サービスが受けられるように動ける状態を作っておきました。

知識のないときには、離れた母の介護をどうしたらいいのか不安でいっぱいでしたが、いろいろな介護サービスの組み合わせを工夫することができると知り、働きながらでも母をサポートできると感じました。

もしも公的な介護サービスだけでは賄えない場合も、地域のボランティアや民間の見守りサービスなどがあり、多少お金がかかっても、自分の生活を大きく変えることなく母を任せられるということで、ひとまず安心しました。

離れて生活する母を見守るために導入したもの

今回、離れて生活する母の状況をこまめに確認するためにも、実家で導入したのが安否確認カメラです。離れて暮らしていても、仕事の合間にスマートフォンでいつでも母の状態をチェックすることができるので、健康に生活を送れているか見守ることができ、安心できるので助かっています。
同時に頻繁に買い物に行くのが大変という母のリクエストもあって、決まった曜日にお弁当を自宅へ届けてくれる高齢者向けの配食サービスに加入したので、栄養バランスの整った食事をしてもらえるのは遠方からサポートをしている身として非常に安心で、これからも活用したいと思っています。

まとめ

離れた場所で暮らす親が将来病気になってしまった場合のサポートの方法を考え直したことで不安が軽減しました。
現在の自分の生活を変えなくても親のサポートをする方法はたくさんあります。今回実施したこと以外にもこれからもサポート方法を試してみていざという時に困らないようにしておきたいと思います。

こちらもおすすめ

身近な人に介護が必要になったときの手続きのすべて
鈩 裕和 (監修)

親が倒れた! どうする?
どこに相談すればいいの?お金は?申請はどうしたらいいの?在宅介護をするには?
そんな介護の不安を一気に解消してくれる1冊です。
見やすく、読みやすい大判サイズ。

介護保険のしくみと使い方がわかる本
牛越 博文(監修)

介護保険を最大限に活用するためにいま知っておきたいことをイラスト図解。
申請の仕方、ケアマネの探し方、ケアプランの作り方、介護保険で受けられるサービス、お金の話、介護保険で入れる施設など複雑な介護保険のしくみと使い方がわかります。
介護保険をはじめて利用する人、はじめて介護の仕事に携わる人、今使っているサービスを見直したい人におすすめの一冊です。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP