親の介護でお金が足りない…控除制度を使って負担を減らす方法を徹底解説!

介護とお金

親の介護でお金が足りないと感じたら、控除制度の活用がカギ。この記事では、医療費控除や介護費用の対象範囲、申請方法までをわかりやすく解説します。

親の介護が始まると、予想以上にお金がかかることに驚く人は少なくありません。 施設入所費、福祉用具の購入、訪問介護サービス、通院の付き添いなど、日々の支出が積み重なり、「年金だけでは足りない」「自分の貯金を切り崩している」という声も多く聞かれます。

そんなときこそ知っておきたいのが「控除制度」。 介護にかかった費用の一部を税金から差し引くことができる制度を活用すれば、負担を大きく減らすことができます。

介護費用は、目に見えるサービス料だけでなく、日常生活の中でじわじわと増えていく支出も多くあります。たとえば、介護用の食事や紙おむつ、消耗品の購入、通院時の交通費、付き添いのための休業による収入減など、細かい出費が積み重なることで、家計への影響は想像以上です。

また、介護が始まったばかりの頃は「まだそこまでお金はかからないだろう」と思いがちですが、要介護度が上がるにつれてサービスの利用頻度が増え、費用も比例して増加します。特に認知症や寝たきりの状態になると、24時間体制の支援が必要になり、在宅介護でも月10万円以上かかるケースもあります。

さらに、介護者自身の健康管理やメンタルケアにかかる費用も見落とせません。介護は長期化することが多いため、無理を続けると介護者が体調を崩し、医療費や休職による損失が発生することも。介護費用は「親のため」だけでなく、「介護する側の生活」も含めて考える必要があります。

以下は介護にかかる費用の一例です。

在宅介護の場合

  • 訪問介護・訪問看護
  • デイサービス・ショートステイ
  • 福祉用具レンタル・購入
  • 食費・おむつ代・通院交通費

施設介護の場合

  • 入居一時金
  • 月額利用料(家賃・食費・サービス費)
  • 医療費・雑費

介護費用の負担を軽減するために、税制上の控除制度を活用することができます。代表的なものは以下の通りです。

■医療費控除

医療費控除は、年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合に、超過分を所得から差し引ける制度です。

対象になる介護費用の例:

  • 訪問看護・訪問リハビリテーション
  • 介護老人保健施設・介護療養型医療施設の利用料
  • ショートステイ(短期入所療養介護)
  • 自宅での居宅療養管理指導
  • 通所リハビリテーションの利用料

※対象になるのは「医療的なケアを含む介護サービス」に限られます。 ※自費で支払った分のみが控除対象です。

■障害者控除

親が要介護認定を受けていて、一定の条件を満たす場合は、障害者控除の対象になることがあります。 控除額は、一般障害者で27万円、特別障害者で40万円が所得から差し引かれます。

対象になるケース:

  • 要介護認定で「要介護2以上」かつ、寝たきりや認知症などの状態がある
  • 医師の診断書や介護認定資料を提出することで認定される

控除制度を利用するには、確定申告が必要です。会社員でも、医療費控除や障害者控除を受ける場合は自分で申告する必要があります。

■医療費控除の申請手順

  1. 対象となる医療費・介護費用の領収書を1年分まとめる
  2. 医療費控除の明細書を作成(国税庁のサイトで作成可能)
  3. 確定申告書に記入し、税務署に提出(e-Taxも可)

※家族全員分の医療費を合算して申請できます。 ※親と別居していても、生活費や介護費用を負担していれば申請可能です。

■障害者控除の申請手順

  1. 親の要介護認定資料や医師の診断書を準備
  2. 市区町村の窓口で「障害者控除対象者認定書」の申請
  3. 確定申告時に控除欄に記入し、認定書を添付

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サービス名控除対象か備考
訪問看護医療費控除対象
デイサービス(通所介護)×医療的ケアがない場合は対象外
通所リハビリテーション医療費控除対象
介護老人保健施設医療費控除対象
福祉用具レンタル×原則対象外(医師の指示があれば例外)
ショートステイ(療養型)医療費控除対象

控除額は所得や支払額によって異なりますが、医療費控除の場合、10万円を超えた分が所得から差し引かれるため、税率10%の人なら1万円以上が還付される可能性があります。

障害者控除の場合も、所得税・住民税の軽減につながり、年間数万円の節税効果が期待できます。

Q:親と別居していても控除は受けられますか?

A:はい。生活費や介護費用を負担していれば、医療費控除や障害者控除の対象になります。

Q:介護保険で支払った分も控除対象ですか?

A:いいえ。控除対象になるのは「自己負担分」のみです。保険適用分は対象外です。

Q:領収書がない場合はどうすれば?

A:介護サービス事業者に再発行を依頼するか、支払い履歴を証明できる書類を準備しましょう。

「親の介護 控除」は、知っているかどうかで大きな差が出る制度です。 介護費用の負担が重く感じたら、まずは医療費控除や障害者控除の対象になるかを確認し、確定申告で申請しましょう。

一人で抱え込まず、制度を活用することで、経済的にも精神的にも余裕を持って介護に向き合えるようになります。 親の介護は長期戦。だからこそ、税制の力を借りて、無理のない介護環境を整えていきましょう。

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マナ中村

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