若年性認知症になりやすい人の特徴や、初期症状について紹介します。
65歳未満で発症する「若年性認知症」が増えています。その多くは40~50代の働き盛りの世代が占めており、高齢者の認知症とは違ったさまざまな問題が本人や家族の生活に影響を及ぼします。
高齢者の認知症の2倍以上の速さで進行するといわれる若年性認知症には、早期発見・早期治療が何よりも重要です。
若年性認知症とは
認知症は一般的に高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症した場合「若年性認知症」と診断されます。発症年齢は平均で51歳といわれ、現役世代で家計を支えている人が多く、病気のために仕事が続けられず経済的に困窮する可能性があります。配偶者や子どもがいる場合は、その生活にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
例えば子どもが成人していない場合、親の病気は子どもに心理的な影響を与え、教育や就職、結婚など人生設計を変えてしまうことにもなりかねません。また、本人や配偶者の親の介護が重なると介護の負担も大きくなってしまいます。
発症していても若いがゆえに本人も周囲も認知症と思わない場合が多く、発見が遅れがちです。また若年性認知症と診断されても現実を受け止められず不安を感じ、精神的負担から抑うつ状態になることもあります。
このように体力的にも精神的にも、経済的にも大きな負担を強いられる若年性認知症は、社会的にも大きな問題になっています。
どんな人が若年性認知症になりやすい?
若年性認知症になりやすい人には「コミュニケーションが苦手な人」が多いといわれています。コミュニケーションは脳に刺激を与え活性化するため、認知症のリスクが下がるといわれていますが、コミュニケーションが苦手な人は他人との接触を避ける傾向があるため、脳に刺激を与える機会を失いやすく、若年性認知症に罹患しやすいと考えられます。
同じように短気で怒りっぽい、ネガティブになりがちで他者との交流にストレスを感じるなど、コミュニケーションが少なくなりがちな人は若年性認知症のリスクが高くなります。
運動不足、喫煙、過度な飲酒、偏食、睡眠不足など生活習慣も若年性認知症のリスクを高めます。これらは認知症になりやすい病気である脳卒中や糖尿病、高血圧を引き起こす原因にもなるといわれています。
見逃さないで、若年性認知症の初期症状
若年性認知症の初期症状には次のようなものが見られます。本人が自覚するのはむずかしいので、周囲の人が気づいてあげることが早期発見・早期診断につながります。
- 忘れっぽくなる
認知症は新しい記憶から薄れていきます。数日前のことが思い出せない、同じことを繰り返し聞く、人や物の名前が出てこない、今日の日付や曜日がわからないなどの症状がみられます。また、財布の置忘れや火の消し忘れなどのミスも増えてきます。
- 今までできていたことができなくなる
仕事や家事など慣れているはずの作業ができなくなります。簡単な計算ができなくなったり、よく知っている場所で道に迷ったりすることもあります。
- やる気がなくなる
趣味や日課に興味を示さなくなったり、周囲への関心がなくなったりします。また身だしなみがだらしなくなることもあります。
- 性格や行動に変化がでる
些細なことで怒りっぽくなったり、人が変わってしまったかのように、これまでには考えられない言動が目立つようになったりもします。
これらの症状は、うつ病と間違ったり、脳の病気から出ている症状ということもあります。いつもと何か違うなと感じたら早めに病院で診察を受けることが大切です。
まとめ
若年性認知症は若くに発症するため、本人も周囲も認知症とは疑わず発見が遅れがちになってしまいます。高齢者の認知症の2倍以上の速さで進行するともいわれており、早期発見・早期診断が重要となります。疑わしい症状があるときは、かかりつけ医や認知症に詳しい脳神経内科、心療内科、精神科などに受診をしましょう。若年性認知症の完治は難しいため、できるだけ早く発見し治療して、病気の進行を穏やかにすることが大切です。
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投稿者プロフィール
- 独身時代は生活雑貨の販売の仕事を経て、現在はフリーランスとして取材ライティングを主とするライター業をしています。
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