親が認知症で介護が必要に!施設に通って受けられる介護サービスは?

在宅介護のメリットは、住み慣れた自宅で過ごしながら、状況に応じて自由に介護保険のサービスを選べる点です。介護保険のサービスを利用することで、在宅介護の負担を軽くすることができます。

在宅介護をサポートするという意味で、施設に通って受けるサービスも総じて「在宅介護サービス」と呼ばれます

この記事では、自宅から施設に通って受けられるサービスについてお話しします。

施設に通って受けられる介護サービスを利用するには

まず、介護保険サービスを受けるための準備を簡単にご説明しておきます。

介護サービスを受けるには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。

要介護認定の申請は、住んでいる市町村の窓口で行います。その後、調査・審査が行われ、原則として申請から30日以内に結果が通知されます。

認定された場合は、要支援1〜2、要介護1〜5の状態のどれかに区分され、地域包括支援センター、または利用したい居宅支援事業者のケアマネージャーがケアプランを作成することになります。

非該当となることもありますので、その時は、窓口で相談してみましょう。

施設に通って受ける介護サービスとは?

それでは、施設に通って受けることのできる介護サービスをみていきましょう。

利用者が日帰りや決まった短期間宿泊して、介護を受けるサービスです。 

通所介護(デイサービス)

デイサービスセンターなどに日帰りで通い、食事や入浴などの介護サービスやレクリエーション、催事や外出などを通して、日常生活機能の向上のための訓練を受けるサービスです。

デイサービスは、訪問介護と共に在宅介護サービスの中心的なサービスです。

定期的に通所介護を利用することで、利用者の気分転換が図られ、生活に良いリズムを生み出すメリットがあり、生活の活性化が図れるようになります。         

介護をしている家族の休息のためにも利用されます。

対象:要介護1〜5

※要支援1・2の人の「通所介護」は2017年4月から、市区町村が取り組む「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」で行われています。

通所リハビリテーション(デイケア)

介護老人保健施設などに行って、日帰りでリハビリテーションを受けるサービスです。

デイサービスに比べて医学的ケアと機能回復訓練が強化されています。

サービスを行う施設には、医師、理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士、看護職員が配置されています。

利用者の状態に応じて行う個別訓練と、集団で行う訓練があります。

対象:医師が利用を認めた要介護1〜5

地域密着型サービス

利用者が地域住民に限定される、市町村が行う介護サービスです。

地域密着型サービスとは、医療・介護・予防・生活支援サービスが地域の日常生活の場で一体的に提供できる体制の一つです。

介護度が高くなっても住み慣れた地域や家で介護が続けられるように、緊急時や医療依存度が高い場合にも対応できるサービスがあります。

認知症の人の介護には、馴染みの関係が非常に重要な手立てとなることから、「地域密着型サービス」は、各市町村で充実を図っているところです。

ここでの、地域密着型サービスは、認知症対応型通所介護(予防)、小規模多機能居宅介護(予防)及び看護小規模多機能居宅介護(複合型サービス)です。

他にも、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や夜間対応型訪問介護、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、ほかに地域密着型特定入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護などがあります。地域密着型は、少人数で小規模単位であることが多いです。

対象:原則としてその市区町村に住む住民のみ

認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)

利用対象を認知症の人に限定したデイサービスで、認知症の特性に配慮したケアが行われます。

認知症対応型デイサービスには、通常のデイサービスを利用する人と比較して介護度が重度な人が多いというデータがありますが、少人数で個別なケアが提供されるため重度の認知症状のある人も利用ができ、その人に合ったケアが受けられるサービスです。

このサービスを利用するには、要介護1〜5及び要支援1・2であり、かつ「医師による認知症の診断」などが必要になります。

対象:要介護1〜5

宿泊して受ける介護サービス

在宅要介護者が一時的に施設に入所し、入居者と同様の介護を受けるサービスです。

短期入所生活介護(ショートステイ)

特別養護老人ホームやショートステイ専用の高齢者施設などに短期間入所し、食事、入浴、排せつの介護や生活機能の維持や向上のための支援を受けるサービスです

入所する期間は数日から1週間程度ですが、場合によっては30日間まで利用できます。

要介護者の状態が悪化して自宅での生活が困難になったときや、家族の病気や冠婚葬祭等の理由で一時的に介護できなくなった場合に利用できます。在宅介護から施設介護への移行期間として利用する場合もあります。       

また、介護者の休息(レスパイト)のために利用することもできます。

例えば、友人と旅行に行くとか、ちょっと遠くに買い物に出かけるなど、利用の理由は問われません。台風の避難として利用する、ということもあります

対象:要介護1〜5

短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

介護老人保健施設や、療養病床を持つ病院や診療所など、介護療養型医療施設に短期間入所し、治療や看護、介護、機能訓練を受けるサービスです。 

対象:医療の必要性の高い要介護1〜5

自宅・通い・宿泊を組み合わせたサービス(地域密着型)

小規模多機能居宅介護

小規模多機能居宅介護施設で、通い(デイサービス)を中心とした、訪問介護、短期間の宿泊(ショートステイ)の3つのサービスを利用できます。

同一事業所でこれらのサービスを提供できるため、利用者のその時々の状況に応じて、必要なサービスを柔軟に利用できます。

特に、一人暮らしの高齢者や初期認知症の方には、自宅あるいは決まった場所で、馴染みのあるスタッフの支援を受けられる大きなメリットがあります。

このサービスは要介護度別の月額定額制です。食費や宿泊費、おむつ代、日常生活費は自己負担になります。

また、ケアマネージャーも小規模多機能居宅介護事業所のケアマネージャーがケアプランを作成します。

このサービスを利用中は、他の在宅サービスや地域密着型サービスを同時に利用することはできません

ただし、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与・販売、住宅改修のサービスは併用することができます。

対象:要介護1〜5

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

「小規模多機能型居宅介護」に「訪問看護」を組み合わせた、看護のニーズが高い要介護度1以上の在宅療養者が利用できるサービスです。

事業所のケアマネージャーが、通い・訪問介護・泊り・訪問看護のサービスを一元的に管理するため、利用者のニーズに応じた柔軟なサービスが提供できます。

一つの事業所から介護と看護両方のサービスを受けられることによって、利用料は小規模多機能型居宅介護より高めに設定されています。

利用料は、小規模多機能型居宅介護と同様、要介護度別の月額定額制です。

食費や宿泊料等の自己負担や、ケアマネージャーの選定などの件は、小規模多機能居宅介護と同一です。

このサービスを利用中は、他の在宅サービスや地域密着型サービスを同時に利用することはできません

ただし、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与・販売、住宅改修のサービスは併用することができます。

対象:看護の必要性の高い要介護1〜5

その他 施設に通って受けるサービス

その他、施設に通って受けるサービスには、介護保険が適用されないものもいくつかあります。

大きく分けて、市区町村の介護予防事業や市区町村独自のサービス介護サービス事業所・NPO法人やボランティア団体・民間企業が提供する介護保険外サービスです。

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)

介護予防事業は、現在の状態を維持・改善し、日常生活を自立して送ることを目的としています。例えば、介護予防訪問介護は利用者自身ができること以外の限定的なサポートを行いますし、通所サービスは、機能訓練や栄養改善、口腔機能の向上などのサービスに重点をおきます。

介護予防通所介護、介護予防通所リハ、介護予防短期入所生活介護・療養介護、介護予防福祉用具貸与・購入、介護予防住宅改修、介護予防小規模多機能居宅介護、介護予防認知症対応型通所介護があります。介護予防は、包括支援センターが窓口となります。予防についてわからないことがあったら、お近くの包括へお尋ねください。

また、要支援相当となった人への生活援助やデイサービス、地域に住む要介護認定を受けていない高齢者向け(65歳以上)のサービスは、総合事業として集団通所プログラムへの参加や専門職(保健師・栄養士・歯科衛生士等)の訪問指導を受けながら経過の見守りなどが行われます。

この事業については、地域のニーズの違いから、各市町村で名称や内容が異なる場合があります。ホームページやパンフレット、地域包括支援センターなどで尋ねてみることをおすすめします。

介護保険外サービス

 介護保険外サービスは、全額自己負担となりますが、いろいろと利用できるサービスがあります。

たとえば、高齢者体操教室や外出支援サービス(車いすリフト付き自動車や巡回バスなどによる送迎)などです。 

介護保険が適用されないサービスでは、NPO法人やボランティア団体、民間企業が介護保険ではカバーできない生活支援(例えば、墓参りや帰省の付き添い、趣味教室など)などを行っています。

これらのサービスは、無償のものもあれば有償のものもあり、同じ名称のサービスでも事業所によって内容はさまざまです。

利用したい場合は、ケアマネージャーや地域包括支援センター、市町村窓口などで情報を集めるところから始めましょう。

状況に応じて適切な方法を選ぼう

「なるべく自宅で過ごしたい」と希望する多くの高齢者にとって、在宅介護サービスは心強い支援となります。

ケアプランを作成するときには、自宅でできること、できないことをケアマネージャーと話し合い、適切なサービスを利用することが大切です。

在宅介護サービスは、介護される側のことはもちろんですが、介護する家族の負担を軽減するためにも設計されていますので、上手に活用して、在宅介護の生活を快適にしましょう

ちなみに、往々にして介護というものは不測の事態が起きるものです。

在宅介護が長期になった、親の状態が大きく変化した、家族が介護に対応できなくなったなど、在宅での介護が難しくなった場合は、家族で頑張るだけではなく、プロが介護を担う施設へ、介護の場所を移動することも一つの方法ですね。     

投稿者プロフィール

Mrs.マープル
Mrs.マープル
介護福祉士・主任介護支援専門員・認知症ケア専門士・社会福祉士・衛生管理者・特別養護老人ホーム施設長・社会福祉法人本部長経験と、福祉業界で約25年勤務。現在は認知症グループホームでアドバイザー兼Webライター。

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