介護ヘルパーの病院付き添いは、介護保険の適用なので料金は安い…と思っている方も多いでしょう。しかし、場合によっては保険が適用されないケースもあるのです。
この記事では、介護ヘルパーの病院付き添いサービスである「通院介助」について紹介すると共に、どのような場合に介護保険が適用されないのかを解説します。
介護ヘルパーの「通院介助」とは
「通院介助」とは、介護ヘルパーが病院まで付き添ってサポートをする介護保険上のサービスのことです。
具体的なサービスは、以下が挙げられます。
・着衣や持ち物の用意など、通院の準備
・病院への移動介助
・病院での受付手続き
・薬の受け取り
・施設や自宅へと帰宅
つまり「通院介助」とは、出発前の準備から病院までの移動、または帰宅するまでの介助のことです。もちろん、移動中の体調確認など、利用者が快適に通院するためのサポートもサービスの範囲内です。
「病院への付き添い」と聞くと、院内の検査や診察にも同行し、介助をしてくれる…と思う方もいるかもしれませんが、そうでないケースもあるので注意が必要です。
具体的に言うと、病院内でのトイレ介助および移動介助は、介護保険が適用されます。しかし、待合室で待機している時間は介護保険の適用外となるのです。
これらの線引きは、病院内での介助は「介護保険」ではなく「医療保険」の適用になるので、医院側のスタッフが行うべきである…という考え方に基づいています。
とはいえ、個人病院などスタッフが少ない医療機関など、介助を行う人がいない…というケースもあるでしょう。そのような場合は、ケアマネ―ジャーと医療機関および各市町村で調整したうえで、介護保険が適用される場合もあります。
また、入退院時の対応は、基本的に家族が行うものとして扱われるので、こちらも介護保険の対象外となるのです。
このように、ひとくちに「通院介助」と言っても、介護保険の適用となるサービスには制限があります。そのため、通院介助を依頼する前に「どの時間帯に、どの範囲まで依頼するのか」を具体的に想定しておく必要があるでしょう。
通院介助は介護保険適用となる
通院介助が介護保険の適用となるには、いくつかの条件があります。また、介護保険が適用となった場合の料金には、大きく2種類に分けられます。それぞれ詳しく解説しましょう。
介護保険が適用できる条件
通院介助が介護保険適用となるのは、要介護1~5に認定されている方です。つまり、要支援段階の人、支援や介護を必要としない方は対象外となるので気をつけましょう。
また、要介護1~5に認定されていても、
・ケアマネージャーによって「病院への付き添いが必要である」と判断されている
・自宅から病院までの往復の介助を目的している
など、細かな条件が定められているので注意が必要です。
介護保険が適用となった場合の料金は?
介護保険適用で通院介助を利用する場合、料金は「徒歩また公共の交通機関を利用した場合」と「介護タクシーを利用した場合」でそれぞれ異なります。
徒歩もしくは公共の交通期間を利用した場合は、訪問介護サービスの「身体介護」に該当します。
この場合の自己負担1割の人の料金は以下の通りです。
・20分未満…167円
・20分以上30分未満…250円
・30分以上1時間未満…396円
・1時間以上…579円+30分ごとに84円加算
例えば通院で往復3時間かかった場合の料金は915円で、ここに利用者および病院の付き添いをしたヘルパーの交通費が加算されます。
介護タクシーを利用した場合は、介護保険の「通院等乗降介助」に該当します。
自己負担が1割の場合、料金は1回あたり99円です。ここに介護タクシーの運賃、介護器具のレンタル料、介助費用が加算されます。
介助費用は、手を貸せば自力で乗り降りできるのか、車椅子が必要なのかなど、介護スタイルによって料金が異なります。また、介護器具のレンタル費用もそれぞれ異なるので、利用する前にサービス業者に料金体系を問い合わせておくと安心です。
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介護保険が適用されないケースとは
前述した通り、介護保険にはいくつかの制約があるので、場合によっては介護保険が適用されないこともあります。介護保険の適用外になると、通院介助サービスが自費負担となり、料金が高額になるので注意しましょう。
途中で寄り道した場合
せっかく外出したのだから、ついでに買い物などの用事を済ませたい…とスーパーや
銀行などに寄り道をしてしまうと、介護保険が適用されなくなり、ヘルパーの通院付き添いが自費になります。
ただし、病院での診察後に近隣の処方箋薬局まで介助してもらう…というケースは、ケアマネージャーが必要性を認めれば介護保険の適用となることが多いでしょう。
自宅以外の場所から通院した場合
自宅もしくは介護施設以外の場所から通院する際は、介護保険は適用されません。例えば、子供の家から通院した場合や、最寄りのバス停でヘルパーと待ち合わせをして病院へ向かった場合は、介護保険の適用範囲外となるので注意しましょう。
まとめ
ヘルパーの病院付き添いが介護保険の適用となるには、さまざまな条件があります。また、サービスの範囲にも制限があるので注意が必要です。介護保険の適用外となってもいいので、通院付き添いを頼みたい…という場合は、ボランティアや介護保険外のサービスを提供している事業所に問い合わせをするとよいかもしれません。
投稿者プロフィール
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5年にわたり祖母の介護を経験。その経験を元に、介護の世界へ。
現在はライターとして介護の記事を中心に執筆中。
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