親の介護と自分の生活の両立。介護者にとってはとても大きな課題です。
「親の介護を始めたけれど、想像以上に大変」
「介護と自分の生活の両立ができない」
親の介護をしている方で、こんなお悩みはありませんか?
親の介護を頑張れば頑張るほど、自分の生活が成り立たなくなってしまう。そうなると、介護もしんどくなってしまい、気持ちも沈みがちになってしまいますよね。
この記事では、親の介護と自分の生活を両立させるために大切なことを3つご紹介しています。
親の介護と自分の生活を両立させることが大変だと感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
親の介護と自分の生活を守るために|親の現状について見直そう
親の介護中は、日々の介護や自分の生活で忙しいですよね。目の前には常にやらなければいけないことがあり、ゆっくりと休む時間を取ることが難しいと思います。
親の介護と自分の生活を両立させるために大切なこと1つ目は「親の現状について見直す」ことです。
親の現状を見直すことによって、介護の関わり方や介護保険のサービスの見直しにもつながります。
見直すことにより、必要な介護や必要ではない介護が分かりますよ。
親が日常生活で「自分でできること」と「自分でできないこと」を再確認しよう
親の身体の状態や日常生活の中で行っている動作は日々変化しています。
日常生活の中で親が「自分でできること」「時間をかければ自分でできること」「自分ではできないこと」を定期的にチェックすることは大切です。
中でも「自分ではできないこと」の把握は重要です。
日常生活の中で「自分ではできないこと」がある場合どうしても介助量が多くなってしまいますよね。介助量が多くなると、介助をしているあなたの労力や時間が消費されてしまいます。
環境面を調節したり、動作を細かく確認をしたりすることで本当は必要なかった介助や今よりも安全に早く行える動作もあるかもしれません。
日常生活の中で親のできる動作が増えると、介助量軽減につながりますし親の日常生活の質も良くなりますよね。
親の日常生活でどこまで介助するのか見極めよう
介助をするとき、本当は自分でできる動作なのに介助した方が早くできるからといって手伝ってしまってはいませんか?
自分でできることを介助してしまうと、本人のためにならないどころか、介助をしているあなたのためにもなりません。
必要以上に介助をしていることを「過介助」といいます。過介助の状態が続くと本来本人が持っている身体機能や能力が衰えてしまい、介助量が増える原因になってしまいます。
ほかにも、良かれと思って手伝っていたことが、本人にとっては負担となってしまうケースがあります。高齢になると素早い動作が苦手となり、本人の動きやすい動きと、介助で行う動きは違うので注意が必要です。
介助をするときは、どこまで介助が必要なのか見極める必要があります。
介護保険のサービスについて見直そう
家事援助などの自宅で受けられるサービスや本人が出かけて行って行うサービス、施設などに宿泊しながら受けられるサービスなど介護保険のサービスはさまざまです。
親の体調や身体能力はだんだんと変化をしてきます。今までのサービスでは足りなくなってしまうことや必要なくなるサービスも出てきますので、定期的に確認をしましょう。
介護保険サービスはたくさんありますので、分からないことや心配なことはケアマネジャーや相談窓口などで相談すると安心です。
2022.10.24
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自分の生活について見直そう
親の介護をしているとき、あなたは自分の生活について見直すことはありますか?
親の介護と自分の生活を両立させるために大切なこと2つ目は「自分の生活について見直すこと」です。現在の生活を見直すときのポイントは以下の3つになります。
- 現在の自分の生活について可視化する
- 親の介護内容について再確認する
- 親の介護で頼れる人を探す
詳しく説明していきますね。
現在の自分の生活について可視化しよう
「時間がない」と感じている方にはタイムログをつけることをおすすめします。
タイムログとは、自分の行動やかかった時間を記録することです。毎日の行動を記録することで、どのような動作にどれだけ時間がかかっているのかを把握することができます。また、可視化することで親の介護と自分の生活のバランスを見直すきっかけや時間の無駄をなくすことにもつながりますよ。
タイムログの付け方は紙に自分の行動や時間を記録するだけなので簡単です。アプリやツールもあるので、スマホがあれば外出時でも簡単に記録することができます。
「自分の生活が親の介護で精一杯」「余裕がない」と感じている方こそ、自分の生活を見直すきっかけとしてタイムログをつけてみてはいかがでしょうか?
親の介護内容について再確認しよう
タイムログをつけるときに、親の介護内容について一緒に記録をしておくと便利です。
あとから見返したときに、親の介護の内容について見直すきっかけにもなります。もしかしたら、あなたが行っている介助を介護保険のサービスや民間のサービスで対応できるかもしれません。
そのような時に、親の介護内容について記録をしておくと、第三者に親の状態を伝えるときにスムーズです。
親の介護で頼れる人を探そう
介護をしていると、あれもこれもと頑張ってしまいますよね。親の介護であれば「親孝行のため」と思って何でも一人で抱え込んでしまうことも少なくありません。
介護を一人で抱え込んでしまった結果、あなたが倒れてしまっては大変です。
介護をするときは、介護保険や民間のサービスを頼むことが多いと思います。ですがサービスだけではなく、兄弟や親戚、近所の人など親の介護で頼れる人をたくさん見つけましょう。
介護でたくさんの方に関わってもらうと、親の刺激にもなりますし、あなた自身も気持ちが楽になることがあります。
介護で大切なことは、一人で介護を抱え込まないことです。
親の介護で疲れてしまった時の対処法
親の介護を頑張りすぎて疲れてしまったことはありませんか?
介護をするとき「転ばないように」「体調を崩さないように」と、神経を使いますよね。
親の介護と自分の生活を両立させるために大切なこと3つ目は「介護をしていて疲れてしまった時の対処法」です。
対処法を知っていると、介護で疲れてしまっても乗り切ることができますよ。
介護について周りに相談しよう
介護について心配事や困りごとがある場合、担当のケアマネジャーさんや自治体の相談窓口などで相談しましょう。また、周りの人や同じ介護経験者の方などいろいろな人に相談してみることもおすすめです。自分とは違った視点や気づきにつながるでしょう。
介護の愚痴を話したいけど、周りの人に言いづらい…というようなときは電話相談窓口や愚痴聞きサービスなどを活用してみてはいかがでしょうか。電話やメッセージなど対応はさまざまです。あなたの状況に合った方法を探してみてくださいね。
話すことによって、心もスッキリしますよ。
こちらもおすすめ
同じような経験をしている人に、つぶやいてみるのはいかがですか?心が少し楽になるかもしれません。
ひとりの時間を作ろう
介護から少し離れて、一人の時間を作ることも疲れてしまった時には有効です。
介護保険サービスのひとつ、短期入所生活介護(ショートステイ)は利用するご本人の理由だけでなく、ご家族の理由で利用することも可能です。
ご家族の理由で、短期入所生活介護(ショートステイ)を利用するときは以下の理由での利用が可能です。
- ご家族がケガや病気で介護が一時的にできないとき
- 冠婚葬祭などで数日にわたり留守にするとき
- 普段介護を行っているご家族のリフレッシュ目的
介護から一時的に離れて、リフレッシュができたらまた介護についても前向きな気持ちになれますよね。
例えば、自分の仕事が休めない、家族の行事があってどうしても対応できないといったときに、自費のサービスを利用するというのもひとつです。介護保険サービスでは対応ができない内容(見守り、病院内への付き添いなど)も対応してもらえるので、自分の時間を作るためにはとても助かるサービスです。
「わたしの看護師さん」というサービスでは、有資格の看護師さんが通院の付き添いや見守り、日々の体調チェックなどを行ってくれます。こういったサービスもぜひ検討してみるといいかもしれません。
遠方に住む父を家族で介護している話
筆者の父親は数年前、脳梗塞になり介護が必要な状態になってしまいました。
当時も現在も、筆者は車で30分程の距離の場所に住んでいます。他の兄弟も筆者同様、家を出ており、実家では父と母の二人暮らしです。
自宅へ戻ってきたときの父は、高次脳機能障害と右の手足に麻痺が残ってしまいましたが、少し手伝えば自分のことは何とか行えていました。しかし、介護の経験がなかった母は何でも手伝ってしまい「過介助」の状態になり、よく疲れていました。筆者が「介護では手伝いすぎない方が良い」と伝えても「可哀そう」と言ってなかなか受け入れられないようでした。今振り返ると、介護と自分の生活のバランスが崩れていたのです。
母は当時から現在までずっと働いています。病院などの通院、役所への手続きなどは、他の兄弟と一緒にサポートできることは行っていました。また、介護の愚痴を聞くこともありました。介護と自分の生活のバランスに悩んでいることも言っており、以前からの趣味も中断していました。
「介護で自分の生活がなくなる」と思った母は、自分の生活と父の日常生活でできることを見直し、だんだんと趣味も再開するようになりました。父がショートステイを利用している間に趣味を楽しんだり好きなことをしたりして「リフレッシュできた」と笑っていました。
介護の愚痴を良く言っていた母ですが、自分の生活と介護を見直した結果、現在は笑顔で日々を過ごしています。介護で大変なときはありますが、以前のように一人で抱え込むこともなくなったようです。父に家庭内での役割(ペットにエサをあげる、宅配便を受け取るなど)をお願いしたり、介護保険でサービスを使ったり、家族内で父の介護(通院など)を分担したりして、介護と自分の生活を両立することができております。
親の介護をしながら自分の生活を送っていこう
親の介護を頑張るのは素敵なことですが、一人で抱え込んでしまうと自分の生活がなくなってしまいます。
親とあなたはそれぞれ違う人間です。親の人生があるように、あなたにはあなたの人生があります。
サービスを利用したり、家族や近所の方など周りの方の手を借りたりしても大丈夫です。
親の介護をしながら、自分の生活を送っていきましょう。
投稿者プロフィール
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複業中のママライター。
作業療法士として介護施設で働いています。
Twitterで介護に関する情報を発信したり、脳梗塞で倒れた父の介護をメインで行っている母の体験談を電子書籍にし出版しています。
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