うつ病の家族との接し方|禁句ワードを紹介

精神疾患

家族がうつ病になってしまい、接し方で困っている方もいるでしょう。うつ病の方に対しては、言ってはいけない禁句ワードがあります。

この記事ではうつ病の家族と上手に付き合っていくための接し方や禁句ワードなどを紹介していきます。家族がうつ病になると長期的なサポートにより家族も疲弊し、共倒れしてしまうことも少なくありません。そのような事態を避けるために、上手に付き合っていくためのポイントを学びましょう。

うつ病のサインとは?

まずは、うつ病になってしまった家族のサインに気づいてあげることが大切です。以下では、うつ病患者が発する、体・心・行動のサインをそれぞれ紹介していきましょう。

体のサイン

うつ病患者が発する体のサインに、食欲不振・胃痛・肩こり・腰痛・発汗・息苦しさなどが挙げられます。ストレスがこのような症状を発症させることもありますが、症状が2週間以上続いており日常生活に支障をきたすようであれば、うつ病のサインである可能性が高いでしょう。

心のサイン

うつ病患者が発する心のサインに、気分の沈み・不安感・イライラするなどが挙げられます。また「何をやってもうまくいかない」と否定的な考えに陥りやすく、普段なら乗り越えられる問題も難しいと感じ、悪循環が起きることもあるでしょう。

行動のサイン

うつ病患者が発する行動のサインに、職場への欠勤や遅刻回数の増加、口数の減少などが挙げられます。今まで規則正しく出社していた家族が欠勤や遅刻を繰り返すようになった場合、うつ病である可能性が高いといえます。さらに、口数が減って周りと会話をしなくなった場合も注意が必要です。

うつ病患者への接し方は

家族がうつ病を発症した場合、どのような接し方が求められるのでしょうか。以下では、うつ病患者への適切な接し方を紹介していきます。

なるべく普段通りを心がける

うつ病になった家族には、気を遣って先回りして身のまわりの世話など、なんでもやってあげたくなりますよね。しかし、その行動はかえってうつ病患者のストレスになりかねません。なるべく普段通りに接することを心がけ、本人が望んだ場合や本人にとって負担となることは手伝ってあげましょう。

そのままの状態を認めてあげる

家族がうつ病になってしまうと、これまでと違う様子に戸惑い不安を感じる方も多いでしょう。しかし、一番戸惑っているのはうつ病になってしまった本人です。うつ病患者のそのままの状態を理解し認め、サポートしてあげるのが最善の接し方といえるでしょう。

返答しやすい問いかけ、安心できる声掛けをする

うつ病患者は、脳で物事を考えるエネルギーが尽きて、思考力や認知力が低下する場合があります。そのため、返答しやすい問いかけや安心できる声掛けが必要です。例えば「今日の夕食は何が食べたい?」のような質問ではなく「今日の夕食はカレーかハンバーグどっちが良い?」などのように、考える手間を省けるような質問をしてあげましょう。さらに、うつ病患者は食欲が低下することもあるので、「残しても大丈夫だよ」と安心できる声掛けをしてあげることも大切です。

うつ病の人へのNGワード

うつ病の家族と上手く付き合っていくには、言ってはいけないNGワードを把握しておく必要があります。以下で紹介していきましょう。

「ほんとにうつなの?」

うつ病患者には、相手から拒絶されないかと不安がる様子がよく見られます。そのため「ほんとにうつなの?」といううつ病を軽視したような言葉をかけることによって、「自分のことを全然理解してくれない」という気持ちにさせてしまうでしょう。

「無理しないで」

「無理しないで」は一見優しい言葉のように聞こえますよね。しかし、うつ病患者はすでに無理をしており、社会に出ればさらに無理をしなくてはいけない場面が多くあります。そのような状況の中「無理しないで」と声を掛けられると、うつ病患者によっては疎外感を感じる場合があります。

「もっと大変な人もいるんだよ」

うつ病患者の中には自分の限界をとっくに超えて、苦しんでいる方も少なくありません。そのようなうつ病患者に対し「もっと大変な人もいるんだよ」「そんなのまだまし」というような言葉掛けをすると、自分を否定されたような気持ちになってしまうでしょう。

「早く元気になって」

うつ病は風邪のように数日で治るものではありません。そのため「早く元気になって」のような焦らせる言葉は、うつ病患者にプレッシャーを与えてしまう可能性があります。

家族が共倒れしないために

うつ病の家族が心身共に疲弊して限界に達し、共倒れしてしまっては元も子もありません。そのような事態にならないように気をつけるべきことを以下で紹介していきます。

医療機関や専門機関に頼る

家族が共倒れしないためには、早い段階から医療機関や専門機関に頼ることが大切です。例えば、メンタルクリニックや精神科、精神保健福祉センターなどの機関が挙げられます。うつ病患者にとっても回復への近道となるでしょう。

うつ病について正しく理解する

家族の中でうつ病を発症した方がいれば、病気や症状について正しく理解することが大切です。うつ病は時間をかけて治す病気であり、周囲以上に本人が焦りや不安を感じることなどを理解していないと、家族も焦って不安になり、共に疲弊してしまうことになるでしょう。

気分転換をする

家族の中にうつ病の方がいると、ついつい患者ばかりに気を取られ自分の健康や気持ちを後回しにしがちです。そのような状況になると、サポートしている家族も気づかぬうちに疲弊してしまう場合があります。患者本人を回復させるには、家族も気分転換をして心身共に健康であることが大切なのです。

家族には治せないと割り切る

家族の中に苦しんでいる方がいると、なんとかしてあげたいと思うあまり、本人の行動を促したりさまざまな声掛けをしたりしてしまいたくなります。しかし、本人と家族のタイミングが合わないと押し付けだと感じられて、治療はもちろん、お互いの関係性も上手くいかなくなる場合があるでしょう。そのため「家族はあくまでもサポートする側」と割り切り、治療は医療機関に任せるのがおすすめです。

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まとめ

うつ病は早いうちから症状に気づいてあげることで早期回復を実現できるでしょう。患者の家族は共倒れしないように自分の健康や気持ちにも気を遣いながら、病院や専門の機関などを頼って早期回復を目指しましょう。この記事を参考にして、患者本人に寄り添ったサポートをしてあげてくださいね。


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