精神病にはどんな種類がある?診断方法や高齢者のケースも

精神疾患

「若いころは明るい性格だったのに、最近ふさぎ込みがちになった」「物静かな性格だったが、急に怒鳴ったりイライラしたりすることが増えた」など、親が高齢になってきて性格が変わったなと感じることはありませんか?それはもしかすると、精神病を患っているサインかもしれません。

そこで今回は精神疾患にはどんな種類があって、どのような症状がみられるのかを紹介します。あわせて、病院での診断方法や相談先もお伝えしますので、家族の症状や今の様子で悩んでいる方はご一読ください。

精神病とは?

精神病は一般的に精神疾患を指すときに使用されます。こころの病気という表現がされることもあります。
発症の原因は人それぞれで、原因がわからない疾患も多いといわれています。また、身体的な病気が原因で抑うつ状態になるケースもあるため、高齢者の方は注意が必要です。感情の起伏が大きかったり、今まで通りに行動できなかったりと、生活習慣にも影響を及ぼす場合があります。

精神病の種類

次に精神病の種類を確認しましょう。精神病・精神疾患は種類が多いため、今回はいくつかピックアップして確認していきます。

統合失調症

統合失調症とは、幻想や幻覚などがある精神疾患です。考える力や行動、自身の気持ち(感情)などを統合する能力が低下し、無気力になったり意欲が沸きにくくなったりします。
理解力の低下や話にまとまりがなくなったなどの変化を感じた場合は、統合失調症のサインかもしれません。ただ、統合失調症は10代から20代の若年発症が多いとされています。高齢者の場合は、老年期精神病や、統合失調症と似た症状がある認知症 のケースもあり得ます。

うつ病・双極性障害

うつ病とは、抑うつ状態が続いたり意欲や集中力が低下したりする病気です。 うつ病は高齢者でも発症するケースが多く、よく原因として挙げられるのは「退職」や「家族・友人の死」など。今まで習慣としていたことがなくなって喪失感を感じたり、身近な人の死によって気持ちが落ち込んでしまったりします。

また、双極性障害の場合は、憂鬱な状態と気分が高揚する状態があり、2つの心理状態を繰り返すのが特徴です。元々はうつ病と診断されていた人が双極性障害だった、というケースも少なくありません。

不安障害

不安障害では、体の震えや呼吸障害、蒼白や発汗など、極度の緊張状態に似た症状が見られます。身体的な疾患の発症がきっかけで不安な気持ちが募り、不安障害を併発する可能性があるのが特徴です。

適応障害

適応障害は学校や仕事の環境になじむことができないなど、原因がはっきりとしたストレスによって発症する精神疾患です。精神疾患と言っても、診断時点ではうつ病との診断まではいかないけれども、心身に不調がある状態を指します。

認知症

認知症とは、認知機能が低下する病気です。理解力や判断力の低下も見られるため統合失調症などの精神疾患との区別がつきにくいですが、正確には精神疾患ではなく、認知症は脳疾患の一種です。

老年期精神病

高齢者の精神疾患を総称して呼ぶときに、老年期精神病と言われる場合があります。正式な病名・診断名ではありません。

精神病の診断方法

精神病は症状もさまざまなので、セルフチェックだけではなかなか判断できません。また、精神病は身体疾患と違い、血液検査やレントゲン検査などで診断するのが難しいのが特徴です。診断時は、自覚症状や家族から見た症状、持続期間や生活にどの程度支障をきたしているかによって判断します。
特に高齢者の場合は、認知症や脳梗塞、心臓病などの病気が起因の精神病ではないかチェックすることが重要です。そのため、カウンセリングや問診だけではなく脳波やCT検査などを行うこともあります。

精神病の疑いがあるときの相談先

家族や高齢の親が「もしかして精神病かな?」と感じたとき、すぐに病院を受診してくれれば良いですが、本人は自覚がなく拒否されるケースも多いです。そういうときは、保健所または精神保健福祉センターに相談してみましょう。
相談するときは、「困っていること」「どういう助けが必要か」を明確に伝えることが大切です。当事者本人では受け答えも難しいと思うので、家族の誰かが代理で行って相談してあげるのがおすすめです。

精神病と診断されたとき家族ができること

精神病と診断を受けた人には、周りのサポートがとても大切になります。そこで家族にできることをいくつか考えてみましょう。

原因探しはしない

なぜ精神病になってしまったのか、精神的にしんどい思いをするようになったのか、原因が気になる気持ちはわかります。しかし、無理に問い詰めることでストレスの原因を思い出してしまったりパニックになってしまったりする可能性も。
「今できること」に焦点をおいて、ゆっくり本人が気持ちを整理できるのを待ちましょう。

励ますことはしない

「頑張って」「頑張ろう」という言葉が、かえって本人にプレッシャーを与えるケースも多くあります。励まそうとせず、そっとしておいてあげましょう。ただし、精神疾患を抱える人にとっては励ましが効果的な時期もあるのだとか。主治医と相談しながら、家族の対応を少しずつ見直すことも必要です。

受診に付き添う

なるべく受診時は付き添ってあげるのが良いでしょう。しかし、あくまで付き添いという立場で、本人が主治医と話すときは、付き添い人はしゃべりすぎないようにするのがポイントです。
また、前述の通り、うつ病だと思っていたら双極性障害だった、などということもあり得ます。薬物 療法が上手くいかないときは、セカンドオピニオンを検討するのもおすすめです。

まとめ

高齢になると、生活の変化や自身の身体の衰え、また周りの人の死など、若い頃とは違うストレスやショックな出来事もあるでしょう。このように、大小さまざまなストレスがあることで誰でも精神病になり得るのです。まずは家族が気付いてあげて、病院を受診するなど適切な対応ができるようにサポートしてあげると良いでしょう。

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