親の介護は何歳からはじまる?将来のために今できること

介護の豆知識

親の介護は何歳から始まるのでしょうか。

もちろん、急な病気や事故など、いつ何が起こるかは誰も予測できません。そして、今は元気な親も、いつかは年老いて介護をしなければならないこともあるでしょう。

昨今は「介護」の話題をニュースでも目にすることが増えましたが、それと同時に親の介護についての不安もよく耳にするようになりました。

まだ来ぬ未来のことを心配して過ごすことはつらいことです。

実際には、親が介護になったときは地域の介護サービスを利用できたり、専門家の支援を受けられたりするため、決して一人ではありません。

このコラムでは親の介護がはじまる年齢要介護の基準と、介護の備えについてお話しています。

介護についての知識をチェックしながら今できることを一緒に考えてみましょう。

親の介護は何歳から始まることが多い?

親の介護は実際に何歳ころにはじまることが多いのでしょうか。

今回は厚生労働省が公表している「要介護者」の割合を参考に、介護がはじまる年齢をみていきたいと思います。(参考:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」)

性別にみた要介護者等の年齢階級別構成割合 

平成28年の厚生労働省の調査では、男性では80~84歳、女性では85歳~89歳が最も多くなっています。

高齢になると体も衰えてくるため、多くの方は80歳以降に介護がはじまるようですね。

その一方で、40~64歳で介護状態になる方も少なくはありません。

また、80歳以上の方の介護状態になる原因第一位が認知症であるのに対して、若い年代は脳血管疾患となっています。

脳血管疾患は突然起きることも多く予測がつきにくいのが難点です。

認知症は徐々に進行していく病気であるため、たびたび親御さんの様子を見ておくと早期発見がしやすくなるでしょう。

要介護の基準や認定の流れ

一体どんな状態から要介護といえるのか疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者もその一人でした。

祖母が認知症になったときのことです。

・物忘れが多くなってきたな

・会話のキャッチボールができなくなってきたな

そんな違和感があっても「介護」という言葉は頭の中にありませんでした。

決定的な出来事は、トイレがある場所が一時的にわからなくなったこと。しかし、日常生活に大きな支障が出ていたわけではなかったため、要介護認定を受けられるかは半信半疑でした。

いざ勇気を振り絞って地域の地域包括センターへ行くと、すぐに要介護認定の申請手続きができ2週間後には要支援1の通知を受け取ることに。

介護と聞くと寝たきり状態を思い浮かべますが、要介護認定は「少しでも見守りや人の手が必要な状態」であれば対象となる可能性があるのです。

要介護の認定基準

では、要介護の認定基準はどのようなものなのか見ていきましょう。

大きく、このような基準があり、それぞれの審査項目に沿って認定が行われます。

審査項目に沿った内容で、コンピュータによる一次判定ののち、訪問による調査で二次判定を行い、介護度が決定します。

介護認定の流れ

日常生活のサポートが必要になったり、介護サービスを利用したいといった場合、自費で利用できるサービスもありますが、まずは介護保険が適用となるサービスを利用するのが一般的です。

しかし、介護保険が適用となるサービスを利用するには、必ず介護認定を受ける必要があります。

介護認定を受ける流れについてみていきましょう。

まずは、自治体の地域包括支援センターや、役所の「高齢福祉課」「健康相談窓口」といった機関に問い合わせ、申請の手続きを行います。

認定から通知は1~2週間ほどで、介護認定が決定すると、介護サービスを利用することができます。

「膝が痛くて階段がきつい」それも要介護認定の対象!?

それでは、膝が痛くて階段がきついといった状態は、介護認定の対象になるのでしょうか。

厚生労働省の調査による要介護度別の介護の要因をみてみると、要介護認定を受けた方の全体の1割は関節疾患が原因であるようです。 (平成28年厚生労働省調査)

出展:厚生労働省/平成28年「現在の要介護別にみた介護が必要となった主な原因

  • 一人で階段を上るのが大変になってきた
  • 立ち上がるのに支えが必要
  • よくものにつまずいて転ぶ

そのような様子がみられたら要介護認定を受けられる可能性があるということですね。

しかし、親に要介護認定のことを言い出すのは勇気がいることです。

私の母は68歳になったころ、物忘れが多くなり、足元もフラつく回数が多くなりました。

これは一度病院で見てもらった方がよいのかも、と思い母を誘いますが「大丈夫よ!あなたは自分のことを心配していればいいの」の一点張り。

とりあえず様子を見守りながら過ごしていたある日、母が自宅の階段で足をすべらせて落ちてしまったのです。

幸い大事には至らず、病院で診てもらった後に地域包括支援センターへ行き要介護認定の申請をしました。

帰り道、母は小さな声でいいました。

「私ももうおばあちゃんなのね」

気持ちは元気でも体は衰えていく。昔のようには動けない。それは想像以上に苦しいことなのかもしれません。

はじめは要介護認定を受けたことにショックを受けている様子でしたが、今は介護予防の施設に楽しく通っています。

また、私も安心してお任せでき、自身の家庭や仕事に時間とエネルギーを使えるようになりました。

親に要介護認定のことを伝えるのはとても勇気がいりますが、介護では一人では支えきれないこともたくさん出てきます。

また、要介護認定を受けると地域のサービスを安く利用できたり、専門家の力も借りやすくなったりします。

親御さんの様子に不安を覚えた時には、ぜひ一度要介護認定の申請について話をしてみていただきたいと思います。

心配しすぎず今できることを

親がいつ介護になるのかを予測するのは難しいですが、人はみな歳を重ねていきます。

将来、親の介護が必要になったときをイメージして今できる準備をしておくことが大切です。

例えば、介護保険制度などの情報収集や予備金の貯金は今からでもできます。

出来る限り自宅で介護をしたいと希望している方は将来のリフォーム費用を貯めるのも今できる準備の一つかもしれません。

一人で介護をすると考えると不安になってしまうと思いますが、実際はケアマネジャーや介護職の方など、さまざまな人たちの支援を受けながらみんなで乗り越えていきます。

心配をしすぎず、今の瞬間を大切に今できる準備をしていきましょう。

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