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最近、ご家族が頭痛やめまい、物忘れが多くなっているように感じることはありませんか。
「仕事でのストレスが原因かな。まさか、認知症?」と不安になりながらも仕事が忙しく、医療機関への相談がなかなかできない方は少なくないでしょう。
この記事では、働き盛りの世代に起こる若年性認知症の特徴についてご紹介します。若年性認知症は高齢者の認知症よりも症状の進行が速いのが特徴です。
認知症状に気づいたら、早期に医療機関への受診が望ましいです。若年性認知症の特徴を知り、早期発見につなげましょう。
ぜひ、参考にしてください。
若年性認知症とは
若年性認知症が発症する年齢は、18歳から64歳です。高齢者の認知症と比較すると、進行速度は速く、2〜3年で重症化する場合があります。
進行を緩やかにするには、治療や日常生活の過ごし方を変えることです。しかし、次第に食事や身だしなみなど基本的な日常生活動作が困難となります。
若年性認知症の原因となる疾患は、若年性アルツハイマー病、脳血管性認知症、前頭側頭葉型認知症が代表的です。生活習慣病に関係している脳血管性認知症は、生活習慣を見直すことで予防につながります。
若年性認知症の特徴
若年性認知症は高齢者の認知症と比べると、発症年齢や背景などに違いがあります。若年性認知症の特徴は以下のとおりです。
- 進行速度が速い
- 発症年齢は平均年齢51.3歳
- 女性よりも男性が多い
- 働き盛りは責任感の強さにより症状が進行しやすい
- 発見が遅れやすい
- 若くて体力があるため介護の負担が大きい
- 経済的に困窮する
- 家族への負担が大きい
進行速度が速い
若年性認知症の進行速度は速く、40代では高齢者の約2倍のスピードで進行するケースがあります。
診断後2〜3年で症状が著しく進行してしまう方や、5年で末期となる方もいらっしゃいます。
平均余命は、原因疾患により違いがありますが、若年性アルツハイマー病の場合、10~15年とされています。前頭側頭葉型認知症は若年性アルツハイマー病と比較すると短く、6~9年です。
終末期では、家族だけで介護することは困難となります。公的サービスを利用したり、認知症対応型の施設へ入所したり、さまざまな選択をする必要があります。
発症年齢は平均年齢51.3歳
何歳から若年性認知症と言われるのでしょうか。18歳から64歳までに認知症を発症した場合、「若年性認知症」と診断されます。
厚生労働省「若年性認知症支援ガイドブック」では、発症年齢は平均年齢51. 3歳で3割は50歳未満の発症と記載されています。なかには、交通事故などによる頭部外傷性後遺症で、10代・20代の若者も発症します。
若年性認知症は、働き盛りの世代に起こりやすい病気です。
女性よりも男性が多い
高齢者の認知症は女性が多いのに対し、若年性認知症は男性が多いです。
2017年度~2019年度に実施した日本医療研究開発機構(AMED)認知症研究開発事業による若年性認知症実態調査が行われています。
全国における18歳から64歳までの若年性認知症者数は3万5,700人、人口10万人あたりだと50.9人と推計されています。男女差は50歳から54歳では男性51.3人、女性35.0人です。若年性認知症の発症年齢てすべての階層において女性よりも男性の発症人数は多くなっています。
働き盛りは責任感の強さにより症状が進行しやすい
症状が進行しやすい原因として、もの忘れに気づいても仕事の忙しさから医療機関への受診する時期が遅くなることが挙げられます。
社会や家庭に対し責任感が強い方はストレスをためやすいため、症状は進行しやすいです。
発見が遅れやすい
仕事上のケアレスミスとのご認識や若い年齢であることから、認知症と気づかないうちに進行する場合があります。
医療機関の早期受診時、うつ病や更年期障害などと誤診されることがあります。認知症は、精神疾患ではなく、脳の疾患です。
適切な治療を受けるためには、正しい診断を受けることが大切です。症状の改善がみられないようであれが、複数の病院を受診し相談するのもよいでしょう。
若くて体力があるため介護の負担が大きい
若年性認知症になる方は、高齢者に比べて体力があります。そのため、介護が必要になった際、家族の負担が大きくなります。
例えば、徘徊が起こるようになったとき、体力があるため行動範囲も広くなり家族だけで捜索できない場合です。
高齢の親が介護者となる場合、介護者の体力の問題もあります。
経済的に困窮する
認知症状が進行すると、本人が就労困難となり減給もしくは退職を余儀なくされます。
自宅療養になると、配偶者も介護のため仕事を制限しなくてはなりません。
日中ひとりで過ごすことが難しくなると、配偶者も退職せざるを得なくなり、ますます経済的に厳しくなります。
また、子育て世代でもあるため、教育資金も生活を圧迫する要因です。
配偶者の介護と親の介護も重なると、さらに生活が苦しい状況に陥りやすくなります。
家族への負担が大きい
子どもが成人していない場合、介護の負担は子どもの精神に大きな負担がかかります。親の病気について、友人などに相談しづらく、ひとりで抱え込んでしまいがちです。
親の介護のほかにも、経済的な問題により将来設計の変更を余儀なくされることもあります。
配偶者は介護以外にも、家事や子どもの教育、経済面などに対処しなければならず、心身のストレスは大きいです。
受け入れ施設の少なさ
40歳以上であれば介護認定を受けられます。しかし、介護保険制度は高齢者が対象のサービスや施設となるため、サービスの利用や施設入所などに対し抵抗感があり、利用につながりにくい場合があります。
介護保険サービスに希望するサービスが無い場合や40歳未満の方には、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの利用ができます。障害者総合支援法は障害のある方が、日常生活や社会生活を送るのをサポートする福祉サービスなどを定めた法律です。
介護保険法で定められたサービスにある訪問のサービスや通いのサービスなどが受けられます。障害者総合支援法のサービスを利用する際は、住所地となっている市町村の窓口へ相談します。
介介護保険によるサービスが受けられる方は、障害福祉サービスよりも優先されます。
認知症状の疑いがあるときは早期発見が大切!
若年性認知症は10代からでも発症する認知症です。症状の進行速度は速く、うつ病や更年期障害などと誤診され、症状が進行し日常生活に大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。
また、症状に気づいていても、働き盛りの方は仕事の忙しいため医療機関の受診が遅くなりがちです。
高齢者の認知症と違う点は、進行速度が速いだけではありません。発症年齢が若いため経済的に大きな影響を及ぼし、配偶者や子供へ負担がかかります。子どもの将来へも影響があります。
認知症状を疑われるときは早く医療機関を受診しましょう。普段からご家族やご自身の普段の様子を記録すると早期発見につながり、受診時にも役立ちます。
仕事の都合などで、すぐ受診できないときは、簡易認知症のセルフチェックリストをみてみるのもよいでしょう。
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投稿者プロフィール
- 理学療法士歴22年目になるWebライター。病院勤務で、医療保険・介護保険でのリハビリ業務に従事。現在は、デイサービスで高齢者の方への生活リハビリを提供。多くの介護者やご家族の方と関わってきた経験をもとに、介護をしているご家族の方へ情報を発信したいと活動中。
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