在宅介護に必要な介護用ベッド(特殊寝台)や排せつに関するなど、揃えると良いものは何でしょうか。また設置時のポイントなども併せてご案内いたします。
介護用ベッド(特殊寝台)とは
介護用ベットとは、
ベッドは本来睡眠をとるためのものです。しかし、介護用ベットとは、本来の睡眠をとるという役割にプラスして、
- 寝返りを打つこと
- 起き上がること
- 座ること
- 介助者の負担を軽減すること
- ベットから離れること
これらを補助するための機能が搭載された福祉用具です。意外なようですが、介護用ベットは、ベットから離れることを目的に作られています。
過去には手動式のものが多かったですが、現在は手元のリモコンで操作が簡単にできる電動式のものが主になっています。
基本的な機能としては、 - 背上げ機能(起き上がりの動作のサポート)
- 膝上げ機能(膝を上げることで、次の動作を助けたり圧迫する面積を減らす)
- 高さの調整機能(立ち上がりやすい高さに調整する)
といったものがあげられますが、各メーカーそれに加えて色んな機能を追加していますので、利用者の体の状況にあったものを選ぶとよいでしょう。
長期間に及ぶ介護生活で、同じ姿勢で寝ていると褥瘡といって、皮膚の血行が悪くなり皮膚の組織が壊死することがあります。寝たきりやベッドの生活が長い方にはとても多い症状です。
褥瘡を避けるためには、体にかかる圧力を分散させる、床ずれ防止用具を使用すると良いでしょう。主なものは、ウォーターマットレス、エアマットレス、ウレタンマットレス医療用のムートンなど様々な素材のものがあります。
床ずれ予防シート
耐久性に優れ、洗浄して再使用も可能な、床ずれ予防シートです。
貼るだけ簡単で、弾力性に富み、クッションの役割を果たします。
適用部位の大きさに切って使用できます。
排泄(トイレ)に関する福祉用具
排泄(トイレに関する用具)に関する福祉用具の使用を検討する場合は、尿意の有無や排泄のコントロールが可能かどうかをまず判断します。
排泄のコントロールが効かない時や寝たきりの場合はオムツやおむつの使用を検討します。ベッドサイドで座ることが可能ならばポータブルトイレの使用がおすすめです。
排泄のコントロールが可能な場合は、できる限り自宅のトイレを使用しましょう。ただ、その時もトイレ用の手すりを設置したり、便座からの立ち上がり補助する便座などを使用も検討します。危険だからといって、まだ身体能力的にできることを「させない」ようにすると、できることもできなくなってしまいます。工夫をしながらできるだけできることを助けるようにしましょう。
トイレが和式の場合は、洋式への交換も検討します。大規模な工事が難しい場合は、据え置き式便座を和式便座にかぶせることで洋式便器のような腰掛け型に変換することも可能です(どんな便器にも対応できるという訳ではありません。ケアマネージャーや、工務店や建築業者に相談をしましょう)。
改修に必要な費用については、介護保険が適用になる場合もあります。
高さの調節の大切さ・段差との闘い
たった数センチの段差でも、高齢者には大きな壁になることがあります。
それは、家の中の階段のような、あからさまな「段差」はもちろんのこと、ベットから立ち上がる時の床までの高さ・または車いすへ移動するため、車いすと介護用ベットの座面の高さを調節するなど、工夫を凝らしたい箇所です。
福祉用具に関しての専門相談員がいる事業所がおすすめ
福祉用具専門相談員とは、福祉用具に関するアドバイスを行う専門家のことです。
国家資格ではありませんが、介護保険制度における福祉用具貸与事業を行う事業所では、2名以上の配置が義務付けられています。
専門家の立場から、ぴったりなアドバイスを貰う事ができます。
実際の導線を想定する
これはどんな福祉用具を準備する時、または住宅改修をするときにでも言えることですが、その場で使用することだけを考えるのではなく、実際の導線も導入する前に検討することがポイントです。
福祉用具を使用して、ベットから起き上がることができても、そのあとに車いすに移動するスペースがあるのか
車いすに移動した後に、車いすは廊下を移動できるのか
方向の変換はできるのか
ドアを開けたときに、車いすが当たらないのか
などそういった実際の動きを想定してから、初めて導入をおすすめします。
なぜなら、便利にするため、快適に過ごすための道具が、生活を逆に不便にすることはあってはならないからです。
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投稿者プロフィール
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エレベーターメーカー勤務の経験を持つ。ホームエレベーターや段差解消機の設置の観点から、住宅改修についても学ぶ。
趣味は、着物・和紙あつめ。日本酒、アンティーク家具も好き。
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