親の介護がしんどいと感じたときの自分の時間の作り方

親の介護がしんどい……そう感じても、休めずに我慢し続けている方もいることでしょう。

一番身近な存在の親や家族を介護するのは、心にも体にも大きな負担がかかります。

「しんどい」は心と体のSOS。

今、親の介護がしんどいと感じている方や、心身に不調が出ている方は、心と体、生活を守るためにも、すぐにでも自分の時間を作れるように、あらゆる手を尽くすことが大切です。

この記事では、親の介護でしんどいと感じたときの自分の時間の作り方を紹介しています。

ゆっくり深呼吸をして、今一度、自分の時間を作る方法を一緒に考えてみましょう。

親の介護がしんどいは心身のSOS

親の介護がしんどいと感じたときは、心身にすでに大きな負担がかかっているときです。

毎日、介護に仕事、育児、家事などに追われていると、気づかないうちにストレスや疲れが蓄積されていきます。

それを放っておくと、心身に不調をきたし、介護だけでなく、通常の生活もままならない状況になってしまうこともあります。

今のしんどい気持ちは、体と心の「休みたい」というメッセージかもしれません。

今一度、ご自身の状況をチェックしてみましょう。

こんな不調が出ていませんか?

〈体の不調〉

  • 夜中に何度も起きてしまう
  • 寝ても疲れがとれない
  • 食欲がない、またはありすぎる
  • 頭痛や腹痛がある

〈心の不調〉

  • やる気がおきない
  • ふとした時に不安におそわれることがある
  • 急に涙が止まらなくなることがある
  • 他者に対して攻撃的になることが増えた

〈言動の変化〉

  • 人と会うのが億劫になっている
  • 言葉がきつくなったと言われる
  • 美容院に何カ月も行けていない
  • 親や家族に怒鳴ってしまうことが増えた

しんどくなったらまずは自分の時間を作って休むことが大切

親の介護は、在宅だけでなく、通って面倒をみている場合も休みが取りにくくなるため、その分、心身に負担がかかります。

特にキーパーソンであると、しっかりしなきゃと介護に責任を負いやすくなります。

キーパーソンは、介護においてのさまざまなやり取りや決定権などがありますが、介護のすべてを負わなくてもよいのです。

家族やケアマネージャー、介護士など、さまざまな人と連携するからこそ、介護は続けられます。

しんどいと思った時には、介護サービスなどを駆使して自分の時間を持つことが大切です。

では、実際にどのように自分の時間を作ることができるか、次の章でより詳しくみていきましょう。

自分の時間を作る方法

1. 介護サービスを利用する

2022年現在は、介護保険制度によって、介護される人が受けられるサービスの幅が広くなってきています。

介護する人への公的なサポートはまだ多くはありませんが、利用できる介護サービスを駆使して自分の時間を確保することができます。

◇ デイサービス

デイサービスは、介護保険制度では「通所介護」と呼ばれており、要介護認定を受けた方が利用できる介護サービスです。

デイサービスの利用頻度は、個人によって異なりますが、要支援1~2であれば週に1~2日程度、要介護1~2は週3~4日程度、要介護3~5であれば4~6日程度が目安となります。

費用は、通常の利用料の1割~3割負担で、食事、入浴、機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受けられます。

また、送迎がついていることがほとんどのため、デイサービスに行っている間は気兼ねなく自分の時間を持つことができます。

〈介護保険制度による負担割合〉

1割負担年間の所得が160万円未満
2割負担年金+その他所得が280万円以上
3割負担年金+その他所得が340万円以上

◇ 通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーションは、要介護認定を受けた方の心身の機能の維持や回復をサポートする介護サービスです。

デイサービスは、生活援助がメインであるのに対して、通所リハビリテーションは、リハビリがメインとなるため、退院後の体力の回復やケガからの回復を目指している方に向いています。

費用は、利用時間とサービス内容、要介護度によって変わってきますが、介護保険制度によって1割~3割負担となるので、1日7時間利用したとしても700円~1,000円前後で済みます。

特に、退院後に自宅に戻るとそのまま寝たきりになり、家族の介護の負担も大きくなりがちです。

通所リハビリテーションは、送迎があることがほとんどで、日中は施設にお任せできるので、上手に活用することで介護する方の時間を作ることができるでしょう。

◇ ショートステイ

ショートステイは、一時的に自宅で介護ができない場合などに利用できる宿泊型の介護サービスです。

介護が軽度であっても、介護をする人は無意識に神経を使っていたり、日に日に変わる認知症の症状にストレスを感じていたりすることがあるため、数日間でも離れて過ごすことはリフレッシュする良い手段といえます。

ショートステイの宿泊料は、介護保険が適用となる場合は、1割~3割負担となり、一般的には1泊2日で3,000円~7,000円程度で利用が可能です。

一方で、介護保険制度が適用とならない全額自己負担のショートステイの場合は、施設によって宿泊料の差がありますが、目安は1泊2日で4,000円~20,000円程度です。

また、介護保険の適用の可否に関わらず、ショートステイの連泊可能日数は、原則的に1回につき30日までとなっています。

ただし、要介護度や施設の入所状況によっては、予約ができない場合もあるので、早めに施設に確認しておくとよいでしょう。

ショートステイの種類特徴施設
短期入所療養介護医療ケアを受けられる病院・介護老人保健施設・介護療養型医療施設など
短期入所生活介護生活介護を受けられる有料老人ホーム・特別養護老人ホーム・介護老人福祉施設など

◇ 訪問介護

訪問介護は、介護士が自宅を訪問して身体介護や生活の援助をしてくれる訪問型の介護サービスです。

利用の対象となるのは、要介護認定を受けた方となっており、入浴や排泄、食事などの身体介護や買い物、外出などの生活介助などのサービスを受けられます。

費用は、利用時間とサービス、要介護度によって決まります。

訪問介護は、原則的には、介護保険制度が適用となり、通常の利用料の1割~3割負担で済むため、週5日・1時間のサービスを利用したとしても月に1万円以内でおさめられることがほとんどです。

年金から補填しやすい金額でもあるので、経済的な負担を抑えたい方でも、定期的に利用して自分の時間を作ることができるでしょう。

※上記で紹介してきた介護サービスで介護保険制度を利用する場合は、要介護認定やケアプランが必要となるので、まずは担当ケアマネージャーに相談をしてみましょう。

2. 民間の家事代行サービスやベビーシッターを利用する

介護をしている方の中には、育児や仕事をしながら親の面倒を見ている方もいることでしょう。

介護は、思い通りにならないことばかりであるため、それだけでも心身への負担は大きいものです。それに加えて、育児や仕事などがあると、心と体がSOSを出してもおかしくはありません。

昨今は、共働きの世帯が増えてきており、民間の家事代行サービスやベビーシッターを気軽に利用しやすくなっています。

親御さんがデイサービスに行っている間に、家事代行サービスやベビーシッターを利用して、自分を休ませる時間を作ってみるのもよいでしょう。

多少の費用はかかりますが、無理をして心と体を壊してしまうと長い間病院に通わないといけなくなり、医療費も高くついてしまいます。「しんどい」と感じ始めたときから、ご自身の心と体、生活を守るために、公的なサービスをはじめ、民間のサービスも上手に活用することをおすすめします。

〈介護や育児をしている方におすすめの家事代行サービス〉

ダスキンの介護支援サービス

ベアーズの介護支援サービス

ニチイライフの家事代行サービス

家事代行のおまかせさん

サン・ケアネットのひまわりさんサービス

3. 家族に協力してもらう

介護は、ケアマネージャーや介護士などの専門職の方との連携がとても大切ですが、家族の協力があると、より無理のない介護を続けていけます。

しかし、実際は、親族が離れて暮らしていたり、介護を拒否したり、という問題から家族での協力が難しい方も多くいます。

介護は、身体的な負担だけでなく、精神的な負担、経済的な負担もかかります。実際に、自宅に来て介護することができなくても、電話で話を聞いてくれるだけでもラクになることもあります。

また、経済的な支援をしてくれることで、介護サービスや民間のサービスを受けやすくなることもあるでしょう。

介護のことは話にくいことではありますが、可能な限り、頼れそうな親族に、介護が大変でつらい状況であることを話してみましょう。

完璧でなくていい。自分の心身を守ることは介護者の権利。

介護は、思い通りにならないことばかりです。子供であれば覚えさせることができ、成長の希望や喜びがありますが、介護は家族が努力しても良くなる様子が見えず、いつまで続くのか不安になってしまうこともあるでしょう。

家族は介護の専門家ではありません。そして介護者に対して出来ることも個人の体力や状況によって違います。

自分が甘いのではないか、親不孝なのではないか、など責めてしまいそうなときには、一度深呼吸をして、介護を引き受けた勇気を認めてあげてください。

そして、一人では無理なこと、苦手なことは、家族に協力を仰いだり、あらゆるサービスを利用して専門家に頼りましょう。

また、可能な範囲で家族や友人に介護のつらさを話してみてください。

それが難しい方は、各地域で介護をする方の集い※などもあるので、参加してみるのもよいでしょう。

介護する方には、自分の心と体、生活を守る権利があります。

しんどいときは休んでいいのです。介護も完璧でなくてもよいのです。今回この記事で紹介した内容で参考になるものがありましたら、ぜひ行動に移して自分の時間を作ってみてください。

※介護をする方の家族の集い / 公益社団法人 認知症の人と家族の会

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