一八年〇二月〇五日
講座五時間目

熟年離婚を
回避する秘訣

ギャップに気づかない男たち

長年連れ添った夫婦の離婚、いわゆる「熟年離婚」が後を絶たないという話を前項でご紹介しました。これは男性陣にとっても一大事です。

ではどうしたら、その危機を回避できるかを考えてみましょう。一見「いい夫婦」で家庭円満のように暮らしているように見えて、実はじわじわとひび割れが始まって来ていることを世の男性陣は気が付いていないことが多いようです。

ブライダル総研が調査した(夫婦関係調査2017)資料によると「夫婦関係の満足状況」の問いに、「非常にそう思う」「ややそう思う」と答える女性が61.8%に対し、男性は77.4%と女性の4割が何等かの不満を抱えている状況に対し、男性は約2割程度と女性とのギャップが現れています。

また、「いい夫婦の日」を推進団体の調査資料によると(「2017いい夫婦の日」をすすめる会事務局アンケート)「生まれ変わったら今のパートナーを選ぶか」の質問に60歳代の女性26%が「別の人を選ぶ」と答えています。男性の37%が「もちろん今の人を選ぶ」そうです。なんだか、背筋が寒くなってきたご同輩も多くいらっしゃるのではないでしょぅか。

夫源病

夫からのストレスが原因で、妻が心身に異常をきたす症状があるそうで、そんな本も人気だそうです。特に夫の退職が近くなったり、退職後夫婦二人の生活が始まる頃に発病するそうなので困ったものです。しかも、その原因のほとんどが夫の無神経で鈍感な言動や行動が強いストレスとなって起こるのですが、当の夫にはその自覚がほとんどないらしいのです。

 コミュニケーションが鍵

現役時代は夫が家にいる時間も少なく、たまの休日もゴルフや付き合いで、ある意味調度良いお互いの距離が保てていたのかも知れません。リタイア後はほぼ毎日顔を合わせる生活が始まります。ひょっとしたら結婚後初めて迎える「未知との遭遇」なのかも・・・。同じく「いい夫婦の日」の会資料の『夫婦が円満であるために大切だと思うこと』でみると、「話をする・聞く」が57%で最も高くなっています。

次いで、「信頼する」(47%)、「程よい距離感(干渉しすぎない)」(46%)、「言葉にして感謝を伝える」(42%)が4割以上で続いています。
女性60代では、「程よい距離感(干渉しすぎない)」が68%で他層より高く、女性50代・女性60代では「嘘をつかないか」が高めとなっています。

夫婦の会話でよくすれ違うのは、夫は言わなくてもこれくらいは解ってくれているだろうと思い込みがあり、妻は理解出来てなくて一方通行のコミュニケーションになっている場合。男性は現役時代の会社での会話の流れをそのまま家庭に持ち込んでいるきらいがあり指示・命令傾向になっているそうです。

Nさんの場合

私の知り合いのNさん夫婦は公務員で、3人の子どもにも恵まれ、誰が見ても理想の夫婦のように見えました。しかし、3人の子どもが独立して巣立っていく頃より徐々に夫婦の溝ができ始めました。

その原因はご主人の趣味にありました。ご主人の趣味はヨットでした。最初はヨットサークルの中での活動でしたが、その内に自分のヨットが欲しくなり奥さんに内緒で買ってしまいました。ご主人は長い間仕事をして稼いで来たんだからこれくらいは許してくれるだろうと思ったそうです。

しかし奥さんは退職後には、夫婦で海外旅行にたまに行ったり孫との触れ合いを楽しんだりする、ごく一般的な夢を描いていたのに何の相談もなくサラリーマンには高額の、しかも自分の物を買ってしまったことにひどく傷ついてしまったそうです。だんだん夫婦の会話が減り、ついに家庭内別居に・・・。

子どもたちも間に入って何とか関係を再構築するように努力しましたが、夫はヨットをやめず妻は許すことができず、今年から別居状態に突入してしまいました。

日頃からもっとお互いがコミュニケーションを取って理解しあっていれば、折り合いがつけられる所で我慢しあえ、接点があったのかもしれません。人生100年時代と言われています。リタイア後に30年近い夫婦二人の生活が待っています。『再考→再興→最高』へのプロセスが大切な時代です。

 

 

 

 

 

 

【次回更新  講座6】
2018年3月2週目(3月5~9日)予定

余暇達人への道

余暇の達人入門
①先ずは相手の事を真剣に(ここ重要なポイント)聴く
②指示・命令傾向の会話はやめ、理解に努める
③約束したことは即実行し、約束を守る
④家庭や地域の事にも関心を持ち、共通認識に努める
⑤趣味や共通の話題を楽しめるように、幅を広げる

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日本余暇会理事長である山崎勇三が講師となり、
余暇の楽しみ方や余暇を過ごすための心得などを講座形式で伝授します。

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山崎勇三(やまさき いさみ)

講師
山崎勇三(やまさき いさみ)
日本余暇会理事長。中高年の健康や生きがい作りを応援しようと
「健康デザイン研究所」を設立し、新しいスポーツを通じた交流や孫育て講座、
秘湯の紹介など幅広く余暇の楽しみ方を伝えている。

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