一八年〇四月〇九日
講座六時間目

地域デビューの
失敗談いろいろ

修業の場

定年退職後にいきなり地域デビューはケガの危険があります。私はその前に会社・家庭・地域ではない第3の世界で修業することをおススメしています。

それは趣味やスポーツサークルなどに所属することです。そのような会の良い点は男女の比率が同じであったり、年齢の幅も職業もバラバラであることが多いようです。そうした中では企業の組織の中での立場や肩書は通用せず個人本人が現れます。

いわゆる個人としての人間性が磨かれる訳ですが、そこを理解し我慢できない人は、そこの中でトラブルを起こしてしまいます。

第3の世界で自立できない人は

役職や肩書にこだわってしまい、お世話役などを嫌がってしまう人がいます。それは会社時代に管理職だった人に多くみられます。会社・家庭・地域ではない第3の世界では、汗をかき皆のために動く人が認められます。口先だけで指示・命令は完全にアウトです。

いろんな人の意見を聞いて実行していく調整能力を持った人が求められます。また、リーダーとして上に立つ人は個人個人の考え方をよく理解して、活躍の場を作っていく総合力も必要です。また、優れた能力を見極め適材適所に力を発揮してもらう分析力も欲しいところです。

趣味の世界だから、自分だけ良ければよいと考えて所属するとかえって雰囲気を悪くしてしまいます。その点からすると会社での働きより数段努力が必要だと思います。

地域デビューは自分磨き

町内会の役員などとなると更にハードルが高くなるでしょう。いろんな意見の人がいます。遠慮してただ聞くだけでは役目が成り立ちません。公平に判断して、地域にとって今できることの最良の方法を導き出さないといけません。

それは、もしかしたら会社時代に経験した調整能力やクレーム処理の経験が生かせるかもしれません。リタイヤは会社人間から社会人間への転身と言われますが退職とともに能力がなくなるのではなく、活かすことも有るのです。

現役時代はある意味競争社会だったかもしれませんが、リタイヤ後は共存社会です。地域デビューは長寿社会デビューに向けての自分磨きの時でもあるのです。

 

 

Iさんの場合

Iさんは薬品関係の商社に定年まで勤め、リタイア後に公民館のスポーツサークルに入った。その商社は官庁関係にお得意先が多く、営業をしていたIさんは知り合いも多かった。「〇〇市役所の〇〇部長は、私が勤務時代主任だった」等と各地にコネを多く持っているのを吹聴するのが口癖だった。

たまに遠征試合に行ったり会場を借りたりする際に助かることはあったが、次第にその上から目線の強引なやり方にサークル仲間が敬遠するようになってしまった。コネの利かない所への交渉は担当であっても行こうとせず、事業が滞る始末。よく職場や仕事が人を作ると言われるが、それを絵にかいた事例かもしれない。

結局、彼はそのスポーツサークルを辞め、今ではもっぱら家でテレビの番をしており。体調も良くないと嘆いている。

Yさんの場合

Yさんは長い間公務員として勤務して退職前には部長職をしていた。退職後はNPО法人の役職として、リーダーシップを発揮した。物腰は穏やかで人あたりも良く女性にも人気があったが、欠点は女性に対してえこひいきをする傾向があり不満を漏らす人も少なくなかった。

結局、会社公務員時代の立場をそのまま持ち込んだ形となってしまった。NPО法人はボランティア的要素が高く、活動している仲間も会社ではない社会貢献意識に燃えて加わった人がほとんどだ。そんな組織に部長風を吹かしてもらうと当然波風が立つ。かなりの年数活動していたが、リーダーのトップに後輩がなると自分から退会してしまった。その後は会の人と会っても挨拶もせず、孤立無縁として交流がなくなってしまった。

結局、Yさんは公務員時代の鎧が脱げないまま、地域デビューをしてしまったといえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

余暇達人への道

地域デビューを失敗しない5ヶ条
・ 肩書を忘れる
・ 誰もが対等な立場と考える
・ 出来る出来ないをはっきり伝える
・ 特に女性の話は平等によく聞く
・ 相談相手を作る

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日本余暇会理事長である山崎勇三が講師となり、
余暇の楽しみ方や余暇を過ごすための心得などを講座形式で伝授します。

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山崎勇三(やまさき いさみ)

講師
山崎勇三(やまさき いさみ)
日本余暇会理事長。中高年の健康や生きがい作りを応援しようと
「健康デザイン研究所」を設立し、新しいスポーツを通じた交流や孫育て講座、
秘湯の紹介など幅広く余暇の楽しみ方を伝えている。

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