一七年一〇月〇二日
講座1時間目

余暇は人生の
ごほうびです

はじめに

「余暇の達人」と言えば貝原益軒をご紹介しないといけないでしょう。
彼は江戸時代初期の福岡藩士の儒学者で「養生訓」を書いた人ととして有名です。当時平均寿命が50歳以下と言われた時代に84歳の天寿を全うしています。
40歳を過ぎると隠居して、子どもに家督を譲り余生を過ごすライフスタイルが一般的でしたが、益軒はなかなかお殿様からお許しが出ず、70歳過ぎまで現役で働きました。永い長い勤ではありましたが、彼は出来る限り余暇時間を上手に活用して読書や書、和歌、琴など愉しむ 趣味人でした。 また、今でいうガーディニングや温泉・旅とにも関心を持っており時間が許す限り妻を伴いながら活動していたそうです。

そのような経験の集大成として83歳~84歳にまとめ上げた「養生訓」は人生のバイブルとして大ベストセラーになりました。
その養生訓で特記すべきは「老いに至りて楽しみを増す」と言い切っている点です。「人」はこの世に楽しむ為に生れてきたのだ。楽しまないことはこの世の道理に背くとまで言っています。徹底的な快楽主義者だったようですね。
だれもが年をとっていきます。しかし、その道のりを楽しみ味わいながら人生も楽しむ……我々もそんな生き方がしたいものです。

人生90年時代と言われている現代、退職後においても25年から30年の余命が有ります。けっして遅くはありません。かつて貝原益軒が言った「楽しくなければ、生きている意味がない」の意味をしっかり受け止めましょう。

余暇について考えてみましょう

私は“余暇を制する人が、人生を制す”とお伝えしています。
人は平均的に一生の時間を80万時間持っています。その中から生活時間・睡眠時間・労働時間・修学時間等を差し引いていくと約20万時間が残ります。これが余暇時間なのです。
誕生してから定年退職までに20万余暇時間の半分、10万時間を使っています。 問題になるのが退職後に残っている10万時間なのです。
実は10万時間は永い間働いた「労働時間」とイコールなのです。これは大問題です!
有意義に過ごさないと「毎日が日曜日」…もはや単なる暇ではなく本暇(本当に暇)なのです。

実態はどうなのでしょうか?

私も数年前までサラリーマンしていましたが、リタイヤした先輩や同僚がよく会社に来て困ったことがあります。その先輩達は、退職前次のような事を豪語していたのです。
「退職後はのんびり自由に過ごすんだ!」「現役中はなかなか行けなかった温泉やゴルフ三昧して過ごすぞ!」と。そう豪語していた連中に限って「次の社内ゴルフのコンペはいつ?」「飲み会の予定は?」とやたら訪ねて来るのです。仕事が立て込んでいる時は、相手にもなれずに困ったものです。

ゴルフもメンバーがいりますし、今まで不義理をしてきた奥様を温泉に連れて行こうと思って誘ってももう遅いのです。「温泉は貴方と一緒に行くくらいなら、友達といくわ」なんて言われてしまいます。

結局、余暇の自立が出来ていないのです。「余暇は人生のごほうび」と言われていますが、結局楽しては得られないのです。
退職後の過ごし方を訪ねると「退職後はのんびり過ごす」と答える男性陣が圧倒的に多くいます。しかし、それは私から言わせれば危険な考えです。
「のんびり過ごす」とそのまま家から一歩も出ない「ぬれ落ち葉」「家庭ごみ」化してしまいがちです。そして待っているのは体調を崩し、挙句の果てには認知症まっしぐらになりかねません。

自分から行動しましょう

退職後は積極的に自分から行動しないと始まりません。 地域には公民館やスポーツセンター、ボランテイアサークルなどがあります。そこには様々な活動の場があり、多くの人が交流しています。自分に合った趣味や活動を見つけるために、まず参加してみることから始めましょう。
会社でもなく家庭でもない、第三の新しい人間関係が必ず生れます。そしてその交流の中から「充実したライフ」が育ち、本当の意味での「人生のごほうび」が手に入ります。

余暇達人への道

一、会社の人間関係は消滅するものと心得る
二、会社人間から社会人間への変身は、たった一字の変換だけどこれが難しい
三、肩書の無い名刺を持つ
四、妻は地域デビューの大先輩、妻から学ぶ
五、一歩踏み出す勇気を持つ、そのためにも行動計画を立てる

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日本余暇会理事長である山崎勇三が講師となり、
余暇の楽しみ方や余暇を過ごすための心得などを講座形式で伝授します。

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山崎勇三(やまさき いさみ)

講師
山崎勇三(やまさき いさみ)
日本余暇会理事長。中高年の健康や生きがい作りを応援しようと
「健康デザイン研究所」を設立し、新しいスポーツを通じた交流や孫育て講座、
秘湯の紹介など幅広く余暇の楽しみ方を伝えている。

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