一七年一一月〇八日
講座2時間目

会社人間から
社会人間へ

転勤が転機になった!

私のサラリーマン時代をふりかえると、世はまさに「高度成長期」であり仕事仕事の毎日でした。営業職の私は平日夜11時頃、土日も休日出勤をもいとわない生活でした。しかし、それは苦ではなく、やりがいのある毎日でした。

ちょうど40歳の頃、広島から福岡に転勤することになり、初めて単身赴任をすることになりました。赴任先では担当が営業から内勤に代わり、仕事は定時に終了し、土日も休みという生活に変わりました。これは私にとってはリタイヤに匹敵するぐらいの出来事でした。

かといって、そう頻繁に広島に帰れず、することが無く、時間を持て余していました。平日は先輩や同僚も気を使って色々と誘ってくれますが、いつまでも私にかまってくれる訳にはいきません。その内に自転車を買って、休日は博多の街をウロウロ散策していましたが、それも行きつくしてしまいました。

そんな時、住まいの近くの「公民館」のチラシに目がとまりました。6回連続シリーズの「自分発見講座」のお知らせです。何もすることのなかった私は、暇つぶし気分で申込を済ませ、参加してみることになりました。

人生を変えた出会い

講座の内容は覚えていませんが、隣に同席した方と毎回一緒なので良くお話しするようになり、最終回を迎える頃にはかなり親しくなっていました。その方はすでにレクリエーション関係の団体を立ち上げ、いろいろな地域活動をされている代表の方でした。「講座」の中でも活き活きと「夢」を語られ、その姿は私にとって「眩い」ものでした。
 私の今までの人生をふり返ってみると、成人後の人間関係は、会社・家族以外は昔からのわずかな友人くらい。ほとんどが会社関係であることに気がつきました。私は初めて会社でもない家庭でもない、第三の世界に足を突っ込んだわけです。

彼の立ち上げた、その団体は会員さんが50名位おられ、年齢も20歳台から80歳台まで幅広く、職業も学生、主婦、教師、会社員、自営業などバラバラ、男女半々くらいの構成でした。
講座もあと一回で終わりと言う時、彼が「山崎さんも休日は暇でしょうから、我々の活動を手伝ってくださいよ」とお声を掛けてくれたのです。

仕事以外の仲間で磨かれた

その団体の主な活動は ①高齢者の生きがいづくり支援 ②子育て支援 ③町の活性化の3つを目標にした、今でいうNPО法人のような組織でした。そして会員の多くが、直接、仕事には全く役に立たない資格や技を自分のお金を投資して取得していたことでした。私にとっては驚きでした。「ニュースポーツ指導員」「自然観察指導員」「レクリエーションインストラクター」…。それらの多くの資格は活動していく中で必要に迫られて自ら時間とお金をかけて取得されたそうです。市民活動として多くの人と関わっていく際に、専門知識が必要になってきたことが動機と伺いました。また、それらの資格を取る過程がまた新たな人との出会いを生み、更に自分を高めてくれているそうです。

私も関わっていく中で少しずつ影響を受けて、必要に迫られる機会も増え、気がついた頃には、いろいろな技を身に付ける研修会に参加していました。今、私が活動していく中で役立っている資格や技の多くは、その時に身に付けたものです。

仕事と余暇のバランス感覚

数年がたち、会社での仕事もまた営業職に復帰し、相変わらず忙しい日々を過ごしていましたが、以前とは違うライフスタイルを自然に身に付けていることに気がつきました。仕事と余暇のバランス感覚が上手くなり、休日の予定が数か月先まであることです。その内手帳も仕事用とプライベート用の二つを持つようになりました。

営業職の仕事は中々ストレスが多い訳ですが「仕事」と「余暇」のスイッチの切り替えが上手くいき、メンタル効果も大いにありました。都合10年間の単身赴任が終わり広島に帰って来るころには、その会の事務局長をしていました。私はこの単身赴任期間でつかんだ人との出会いで「会社人間」から「社会人間」に変身できたと信じています。

経験を活かす

広島で、久しぶりに会ったかつての同僚や家族、地域の人の驚きは目を見張るものがありました。その後、私が変われるきっかけとなった「自分発見講座」を広島でも開催し、その中から第一歩を踏み出していく仲間をサポートしようと公民館などに働きかけ活動を始め、福岡時代に培ったノウハウを活かして「高齢者の生きがいづくり支援」「子育て支援」「町の活性化」を推進する団体も立ち上げ、今に至っています。
「会社人間」から「社会人間」へ、たった一字の転換ですが実はこれが難しい。

私は比較的若くそれが出来た訳ですが、年齢は関係ありません。自分がその気になった時、それが第一歩へのチャンスです。
「会社人間」➡「社会人間」➡「余暇人間」へのステップアップは誰でも、いつでも可能です。

 

 

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余暇達人への道

シニア世代の上手な地域デビュー法三訓
一、会社人間➡社会人間に
二、自分の居場所➡職場から家庭・地域にも
三、自分が輝く➡地域も輝く
仲間と地域社会の中で、自分の生かせることを見つけて
活動していくことが大切です。

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日本余暇会理事長である山崎勇三が講師となり、
余暇の楽しみ方や余暇を過ごすための心得などを講座形式で伝授します。

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山崎勇三(やまさき いさみ)

講師
山崎勇三(やまさき いさみ)
日本余暇会理事長。中高年の健康や生きがい作りを応援しようと
「健康デザイン研究所」を設立し、新しいスポーツを通じた交流や孫育て講座、
秘湯の紹介など幅広く余暇の楽しみ方を伝えている。

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