靴下の履かせ方|介護に役立つ豆知識とおすすめの靴下

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介護に役立つ靴下の履かせ方の豆知識をお伝えします。

毎日つかう靴下。靴下を脱ぐ・履くという動作は意外と大変です。また、人に履かせるというのもコツが要ります。

足にむくみがあったり、指などに変形があると、本人が靴下を履くのを嫌がることもあります。大切な人の足に合う靴下を選ぶことで、靴下を脱ぐ・履く動作が楽にできるようになりますよ。

この記事では必要な靴下の機能やおすすめの靴下についても紹介しますのでぜひ最後までお読みください。

そもそも要介護者に靴下は履かせるほうがいい?

そもそも、履くのが大変なのに靴下は履いたほうがいいのか?と思うこともあるでしょう。

靴下を履かないと、以下のようなデメリットがあります。
・靴擦れを起こしやすくなる
・蒸れて足に細菌が発生しやすくなったり、臭いの原因になる
・足の冷えが起こりやすくなる

特に、高齢者は血行が悪くなり、足が冷えると言う人も多く、好んで家の中でも常に靴下を履いている人も多いと思います。

しかし、靴下によっては履くことで足の血行が悪くなったり滑りやすくなるという面もあるため、注意が必要です。

介護用の靴下には、脱ぎ履きしやすくなっているものや、滑りにくくなっているものなど足元の状態に応じた機能がたくさんあります。自分で靴下を履く・脱ぐ動作がしづらい方の生活の質を上げることにもつながります。介護用の靴下は足元をサポートする大切なパートナーと言えるでしょう。

要介護者への靴下の履かせ方

靴下を履かせるには、できる限り靴下と肌の摩擦を減らすことが大切です。

洗濯したての靴下は、繊維が縮まって履かせにくくなります。無理やり履かせようとすると、ひっかかりが強くうまく滑らなかったり、無理な力が入ることで痛みが生じることもあります。

上手な靴下の履かせ方のポイントは以下の通りです。
・しっかりと靴下の繊維を伸ばす
・口の部分から全体をしっかりと伸ばし、つま先の部分まで親指が入るようにする
・要介護者のつま先を合わせ、伸ばした状態で上にひきあげる

一番のポイントは伸ばす、ということです。
しかし、一般的な靴下は、あまり伸ばして履くとすぐにゴムが伸びてしまうということもあります。

介護用品として作られている専用の靴下は、伸びがいいものが多くあります。

介護用靴下 あゆみ靴下(のびのび)

装具の上からでも履けるほど、しっかりと伸びる靴下です。
かかとがないので尖足の方や変形のある方もゆったり履け、縫い目が外にあるので快適。
締め付け感がないので長時間の着用や就寝時にもおすすめです。

介護用の靴下を購入したら自分でできた!デイサービスで働く筆者の体験談

履かせやすい靴下を選ぶことは大切ですが、できることなら本人のQOLのためにも「自分で履ける」をサポートしたいものです。

筆者は、介護施設内にあるデイサービスで働いています。上衣を脱ぐことはなんとかできるけど、ズボンや下着、靴下が脱げないという方をよく見かけます。座位バランスや身体の柔軟性、手先の細やかな動作がしづらくなるなどの原因で起こります。

デイサービスでは入浴があり、お身体が不自由な方は衣服の着替えをお手伝いします。ご本人のできることはお願いしながら、やりづらい動作を介助します。筆者のデイサービスでは、利用者の約5割の方へ靴下を脱ぐ動作の介助をしています。

靴下を履く動作は、椅子に腰掛けて行いますが、前かがみになるとバランスを崩しそうになる・身体が硬くなり手が足元に届かない、手の細かい動作がしづらい、握力の低下などの影響があります。

筆者が靴下の介助をおこなうとき「こうだったら、もっと楽に靴下を履くことができるのに」と思うことが3つあります。

1つめはやはり、伸縮性が十分な靴下であるこです。高齢者の方は、足先の爪が変形し靴下に引っかかりやすいです。また、外反母趾や足の動きが硬くなっており履かせづらいのです。

2つめは、足首の周りがゆったりしていることです。筆者のデイサービスでは、約6割の利用者はむくみやすい、またはむくみがあります。足首の周りがきついと、むくみを助長させてしまいます。

3つめは、靴下の裏が滑りにくく工夫されていることです。椅子から立ち上がる際、滑りそうになることがあります。滑り止め加工などがあると予防になりますが、逆に突っかかってしまい、転倒につながるかもしれません。本人の歩き方など、状態に合わせて選びましょう。

靴下は選び方を間違えると、転倒など大きな事故につながる可能性もありますので、ご本人やご家族、担当ケアマネジャーと相談しながら靴下選びを行うことがあります。

ある利用者様のお話です。その方の足は変形しており足幅が広いのに対し、靴下は伸縮性が不十分で本人・介助者ともに取り扱いしづらい状態でした。そして、足首のしめつけもきついため、むくみがひどくなっていました。指で皮膚を押すと硬く指の痕が残り元に戻りにくい状態でした。

ご本人へ靴下の購入を提案したところ、承諾を得られたので担当ケアマネジャーへ報告し介護用品から靴下を購入することになりました。選んだ靴下は、足首がゆったりした丈の長いタイプのものにしました。

このとき、着圧ソックスタイプのものを検討しましたが、ご本人一人では靴下を脱ぎ履きできません。足の状態に応じた機能を選ぶだけでなく、自分でできることを維持または増やすことができ自信が持てることを第一に考えました。

入浴をお手伝いする仕事もしている筆者なので、靴下の大切さを日々感じています。

靴下を脱ぐ・履くことができる方は身体能力が高く、より安全な日常生活を過ごされているからです。

介護用品の靴下をつかうメリット

介護用品として作られている靴下は、さまざま身体の状態に対応し生活の質を向上させます。

  • 自分で靴下を履くことによって、自分でできることを維持または増やすことができる。自信が持てる
  • 家族が履かせる場合、安全に素早く行うことができ、本人・介護者ともに負担が軽減される。
  • 血液の循環が悪くむくみがある場合、靴下のしめつけはむくみを助長させる。足首周りのゆったりした靴下を履くとむくみを悪化させにくい。
  • 足先がきつい靴下は巻き爪や足指の変形を助長させる。足先のゆったりしている靴下を履くと症状を悪化させにくい。
  • いすから立ち上がるときや歩くときに転倒するリスクを軽減することができる

靴下を履きにくそうにしている、履かせにくいなと思ったら、こうした介護に特化して作られた靴下を選ぶタイミングです。

靴下に必要な機能とタイプ

機能的な靴下は、数多く販売されています。そのなかでも介護にポイントを絞って、筆者が特に必要と考えるのは以下の機能です。

脱ぎ履きしやすい

伸縮性のあるものがおすすめ。つまむ力が弱い・片手が不自由な場合は持ち手がついた靴下を選ぶ。

しめつけにくい

むくみやすい方にはしめつけのきつい靴下はNG。特に足首周りのゆったりした靴下を選ぶ。

滑りにくい

靴下の底面に滑り止めがついたものを使用すると踏ん張りやすくなり転倒防止につながる。特に冬用の靴下は滑りやすいものが多いため注意。

冷えにくい
シルク素材の二重編みパイルソックスや毛混ソックスを選ぶ。レッグウォーマーを併用するよりも丈の長いタイプの靴下にするほうが取り扱いしやすい。

介護用品はどこで買えるの?

靴下はスーパーや衣料販売店で購入されている方が多いですが、介護用に作られた靴下は、介護福祉用具販売店や衣料品店の介護用品コーナー、インターネットで購入する方が多いです。

まとめ|介護用品の靴下はおすすめ

高齢者や障害がある方の靴下を履かせる動作は意外と難しいものです。本人の足や歩行の状態に合わせて適切な靴下を選ぶところからスタートしましょう。

履かせやすい靴下は、「自分で履ける靴下」になるかもしれません。

さまざまな悩みに寄り添ってくれるのが介護用品の靴下です。安全に靴下を脱ぐ・履けることは、「じぶんらしい」生活を送る第一歩となります。

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