遺言書を書く前に知っておいてもらいたい遺留分の制度について

この記事では2019年7月1日から施行された「遺留分制度の見直し」について見てみましょう。

遺留分の制度とその計算方法はとても複雑です。具体的な遺留分についてのご相談はぜひ、専門家である弁護士に相談してください。

ここでは、★2020年7月10日から始まった「自筆証書遺言書」の法務局における保管制度を活用して、「自筆証書遺言書」を書こうとしている方に書く前にぜひ知っておいてもらいたい「遺留分」の(改正後の)制度についてわかりやすくご紹介します。

遺留分とは?

遺留分とは、遺言書を書いて亡くなった人(被相続人)の相続人について、その生活保障を図るなどの観点から、最低限の取り分を確保する制度です。

本来、個人は自分の財産を遺言(自筆証書遺言、公正証書遺言など)によって自由に処分することができるのが原則です。しかし、配偶者や子どもがいるにもかかわらず、「財産の全てを他人に遺贈する(団体に寄付する)」と書かれていたらどうでしょう。

遺言書が執行されて扶養していた配偶者や子に財産が残らなければ、遺族の生活は保障されないこととなるため、民法には遺留分の制度が定められています(したがって、兄弟姉妹には遺留分はありません)。遺留分の割合は、次の図を参考にしてください。

法定相続分と遺留分の割合がわかる関係図

法定相続分と遺留分の割合がわかる関係図

遺留分がわかる事例

一郎さんはそば屋の初代で、長男の七郎さんを後継者として一緒に経営をしてきました。一郎さん名義の不動産は、一郎さんの妻なな代さんと長男の七郎さん一家の住居兼そば屋の店舗にもなっています。

一郎さんの長女のなな美さんは、15年前結婚するときに結婚資金として300万円の贈与を受けていましたが、お店の忙しい時にはしょっちゅう手伝いに来ていたので、一郎さんの相続の時は財産を分けてもらえるとばかり思っていました。

しかし、父の他界後に父の残した遺言書を見ると、15年前の贈与を理由に、なな美さんには相続分がないとの内容でした。これではなな美さんは納得できません。そば屋の後継者である七郎さんがスムーズに事業承継することには協力するつもりですが、遺留分くらいは分けてもらいたいと思い、遺留分侵害額を請求することにしました。

これを従来は「遺留分減殺請求」と言っていましたが、改正後は「遺留分侵害額請求」と言うようになりました。

遺留分侵害額請求とは?

遺留分侵害額請求がわかる関係図

現在(改正後)【遺留分侵害額の計算】
一郎さんの財産の中に★なな美さんに15年前に贈与した300万円は含みません(相続法改正前は相続人に対する生前の贈与は相続開始前10年間に限らず算入していました)。

したがって遺留分算定の相続財産の価額は5000万円(不動産3000万円、預貯金2000万円)です。

円満に実現する遺言書は「留意分」を考えて書きましょう

さて、事例のように父一郎さんの生前は仲の良かった家族。しかし、父一郎さんの残した遺言書は長女なな美さんにとって不公平だと感じるような内容だったことから遺留分侵害額請求をすることになってしまいました。

一郎さんが遺言書を書く際に、そば屋をスムーズに七郎さんに承継し、なな美さんも納得できる遺言書とするためには、どのように書いたらよかったのでしょう。あらためて、遺言書を書く際には、次のことを確認しましょう。

仲が良いと思っている家族でも、遺言書の内容によっては良好な家族関係も壊す場合もあります。自分の思い通りに書きたい遺言書ではあるけれど、遺留分には気をつけた方が良さそうです。

遺留分についてこの紙面に書いていることはごく一部です。遺留分について配慮した遺言書を書こうと思われる方は、ぜひ相続の専門家に相談してください。自分だけでは見つけにくい遺言書の重要なカギを見つけられるかもしれません。

全4回にわたって、40年ぶりの相続法大改正の一部をご紹介してきました「改正相続法シリーズ」、いかがでしたか。「相続について思いをいたす」ということは、その人の「人生の最終章に思いをいたす」ことになります。

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